「24時間」という魅惑のキーワード ~富士SUPER TEC 24時間レース 現場レポート~
50年ぶりの富士スピードウェイでの24時間レース、十勝24時間が開催されなくなってから10年ぶりに復活したスーパー耐久の24時間レースへ行って来ました!
50年もの日々が過ぎ去ったかと思うと、初開催に近い感覚ですよね、富士スピードウェイでの開催は。昨年夏の発表の際には、本当に出来るの?と失礼ながら思いました。会見での質問の答えが、それはこれから…の繰り返しで、心から心配だったので。あっという間にこの時を迎えた感じで、自分でも不思議でした。関係者の方々は、準備に奔走されたと思います。終わった今、素敵な場所の提供に心より感謝です。一ファンとしても楽しむことが出来ました。ヨイショではなく…。
まず、何はともあれ天候! 見事に晴れましたね!これが全て開催成功に導いてくれたと思います。季節が梅雨入り寸前ですし、夜はサーキットだから寒そうと快適さは、求めておりませんでした。しかし、明け方は少し冷えましたが、夜でも薄着で過ごせるほどの心地よい気候でしたよね。今回の“富士”は、持ってました!しかも、たくさん!
海外では、今でもTOYOTA GAZOO Racingが参戦しているル・マン24時間、ニュルブルクリンク24時間レースなど耐久レースの伝統は脈々と受け継がれています。しかし、国内では、思えば最近はなかったですね…。海外の有名どころの24時間レースは、エントリーするだけで価値があると私は感じますが、その価値は頑張って続いてきた歴史と、文化を築いてくれたからこそですよね。それを目標としスタート地点に「今」立ったのが、今回のレースだと思っています。だから、やるからには、続けてもらわないと!という期待を込めて書いていますよ。
今般は、スーパー耐久というカテゴリーより(ごめんなさい)、24時間というキーワードが肝だったと勝手に思っています。カテゴリー関係なく、モータースポーツファンが、どこかで必ず耳にしている24時間。それが、普段のレースでも集客の多い富士スピードウェイで開催されるということ。これは、食指が動いたのではないでしょうか。オーガナイザーさんごめんなさい…。この時期で言えば、今月開催されるル・マン24時間の結果なども、モータースポーツファンは、年に一度、一喜一憂しているのではと思いますが、それが規模は違えど体感出来る!“24時間レース”というのは、感動という言葉を簡単に口にしたくないのですが、心を魅了する世界なのではと思っています。
実際、サーキットにいてシンプルに「楽しい!」と思った方は多いのではないでしょうか?私はテント観戦がうらやましかったです。いや、テントがなくてもですね!なんだろ、あのワクワク感。私は仕事でおりましたが、モータースポーツを通して、仲間と楽しむ。家族かもしれないし、一人観戦かもしれないけど、この場に居たい!という気持ちが強かった人いませんか? 夜更かしは魅力ですしね(笑)。非日常な環境は、高揚感を覚えます。そして、あなたが大好きなモータースポーツがすぐそこにあるなら、言うことナシ。海外で文化となりつつあるこの光景に、いつしか参加出来ている歓びって、どこかにあったのかなと思いました。大げさかしら???
さて、熱く語ったところで、先般ニュルブルクリンク24時間レースにチャレンジしたメンバーを含む、ST-4クラス86号車TOYOTA 86で参戦のトムススピリットのドライバーさん(松井孝允選手、中山雄一選手、坪井翔選手、蒲生尚弥選手は走行中でした…)がいらしたので、少しお話を伺ってみました。
―――ニュルブルクリンク24時間レースとの違いはなんですか?
松井孝允選手「ニュルブルクリンク24時間は、レースでもありますが、われわれの主眼とするものはクルマ開発です。諸々の行程で、クルマを鍛え、人を鍛える。それを目標にトヨタ自動車の社員メカニックのみなさんと共に開発し、走っています。このスーパー耐久は、レースですので速く走らないといけません。レースを楽しむことも大事、そして参加型レースとは言え、僕らはプロですので勝たないといけない、この違いは非常に大きいです」
中山雄一選手「ニュルブルクリンクの方が、サーキットは厳しいのでクルマやカラダにかかる負担が大きいです。ニュルを乗り越えてからの富士24時間ですので、カラダは楽で視野も広がっている感じがします。楽に、楽しめている感じがします。ニュルのクルマは、窓が開いてないんですが、このクルマは窓が開きます。自分のスティントは、夕方だったのでBBQの匂いがしました。観戦するお客様がうらやましかったですね。それと、花火の上がる時間でしたので、クルマから眺めることが出来ました」
坪井翔選手は、先般スーパーGT第2戦でGT500クラス39号車に小林可夢偉選手の代わりにスポット参戦し、大活躍したドライバー。このメンバーの中で一番若いドライバーですが、スーパー耐久参戦2年目で初24時間レースとなりました。気になって眠れないとのことでしたが、先輩方に混じりきっちりお仕事していました。今後も非常にたのしみなドライバーだなあと思っています。全日本F3選手権にも参戦していますが、4戦全て優勝という今、乗れているドライバーですね。
そして、チームメイトの蒲生尚弥選手は、ニュルブルクリンクの経験を活かし走っている最中で不在…、ごめんなさいでした。
いろいろお話を伺ってきたのですが、長くなりましたので続く!
(写真:折原弘之 / テキスト:大谷幸子)
レポーター(お)ねえさん・大谷幸子
随時、クルマに関する様々なイベント・テーマでレポートしていきます!
[ガズー編集部]
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