パドック裏ウォーク その2 ~富士SUPER TEC 24時間レース 現場レポート~

一か月で2回の24時間レースって準備期間も含めて過酷すぎ…。(5/12~13 ニュルブルクリンク24時間レース、6/2~3 富士SUPER TEC 24時間レース)
そんな経験をしたひとり、土屋武士選手はいつも熱血。少しお話をさせていただきましたよ。

国内のレーススケジュールの過酷さに併せて、海外含めとんでもないスケジュールで動いている訳で、業界人みんなそうだけどカラダも心配。諸々の世間話で熱くなりながら、「富士24時間ってなんだろう?」的な質問をぶつけると、彼らしい回答が返って来ました。

(ごめん、写真がこれしかなかった 私撮影…)
(ごめん、写真がこれしかなかった 私撮影…)

「好きだからやるレース」と。

そもそも、好きだからやるのがスーパー耐久。参加型カテゴリーだから、本を正せばこれが確かに一番わかりやすいです。「何事も起きないレース、平穏な日常に耐えられない人がやるんだよ」って。その最たるものが土屋武士という人間だったり、私もそうだったり…。ちょっと笑ったけど(ごめん)、本当の事なのかもね。

雰囲気は、参加型だからゆるく見えるけど、やっている側はもちろん真剣で、やる気も200パーセントのやる気の塊…、それがこのカテゴリーだよね。今季、スーパー耐久にデビューしたLEXUS RC F GT3も24時間レースを初体験しました。スーパーGTで走っているクルマと同じですよ。タイヤは違いますが。無事に完走!クラス4位でした、お疲れさまでした!

(これも私撮影…)
(これも私撮影…)

ST-Xというクラスは、メーカーが作ったGT3規格の車両ですが、そのカテゴリーで走っている777号車の荒聖治選手(2004年のル・マン24時間レースウィナー!)が、興味深いお話をしてくださいました。海外のチームが今年からスーパー耐久に参戦していますが、彼らの車両は既に経験値があるということ。「メーカーが、今回と同じGT3の車両で海外の著名な24時間レースを戦っているので、戦略の立て方が慣れている」と話してくれました。なるほどねえ…。ウェイトハンデもあるし、スーパーGTみたいに、いつしかとても難しいクラスに進化していたんだなと。これまでも海外組はいましたが、切磋琢磨という意味で戦いが楽しみだし、グローバルになって行くと、これはもっと楽しくなるかなと思いました。でも、荒選手のとこのポルシェも経験値はかなり豊富ですよ考えてみたら…。今回、完走出来ず残念でしたが、引き続き頑張ってくださいませ!

ST-3クラス62号車のル・ボーセ モータースポーツは、ドリームチームでしたね!スーパーGTドライバー勢ぞろいでした!その中で初24時間のベテラン、平手晃平選手がいらしたので、お話を伺いました。

平手晃平選手「レース人生で初めて24時間レースに参戦します。スーパー耐久は、参加型レースですので、みんなエンジョイしてレースを戦うスタンスは楽しいです。ただ、クルマに乗っているからには結果を求めるのがプロなので、クルマの性能差があったとしても、やっぱり少しでも前に行きたいという思いはあります。」

「スーパーGTでこれまで1000キロレースがありましたが、そこで問われるテクニック、クルマを労りながらタイヤをセーブしながら…という戦略の中に僕ら(プロ)がいます。そして、さまざまな状況の中で、チームのリクエストに応え襷を繋ぎ走り切る…、というドライバーとしての技量をあげる良い機会でもあると思っています。それぞれ個性のあるドライバーが5人集まって楽しいですよ。合宿部屋のような雰囲気が良く、スーパーGTにもあればいいなあと思います。リラックス出来ました。4時間くらい寝ることが出来ました。」

「お客さんと我々と、マーシャルの方々も大変かもしれませんが、この24時間を楽しんでもらって、今後これが一つの“文化”となって行けば良いと期待します。今、既に新しい楽しみ方を体感していると思うので、来年は更に楽しんで欲しいし、自分もまた出たいですね!」

初24時間レース楽しんでいますね、平手選手。コメントがどんどん沸いて出て来ましたよ!そしてココのチームは、チームスイートにお布団を用意し、修学旅行みたいなお部屋にしていました。トヨタ系ドライバーが、大先輩から宮田莉朋選手のように高校を卒業したばかりのドライバーまで5人も!運にも左右されるレース結果となってしまいましたが、大人気でしたねココ。

富士スピードウェイ開催ということもあって、トヨタ系ドライバーは助人で参戦している方が多かったですね。簡単ですが、雑感レポでした!行けば良かった!という声があちこちから聞こえて来そうな富士SUPER TEC 24時間レース、また来年も行きたいな…。では、また!

(写真:折原弘之・大谷幸子 / テキスト:大谷幸子)

[ガズー編集部]