スーパーフォーミュラも公式テストが終了し、開幕を待つのみ!

  • ニューなトランスポーターがお目見えしたルーキーレーシング 富士にて

すでにいくつか開幕を迎えたカテゴリーがありますが、わたくしとしては、これが開幕前最後のオフシーズンのコラムとなります。みなさま、こんにちは!2週間前の鈴鹿公式合同テストと春の陽気に包まれた富士スピードウェイのテストへ行ってきました。

2日間、日陰は当然寒く、午後は風も出て冷えちゃいまして、ぽかぽかの言葉が嘘になってしまいました、ごめんなさい。今季初の富士スピードウェイだったので、オフにしっかり休み過ぎたかなと感じた出張。設営日の午後からみぞれに見舞われたサーキット周辺は、翌朝、山々は真っ白でした。お昼には、溶けてなくなりましたが、昨年の12月でも夏富士のように雪のなかった富士山が、ようやく真っ白なコスチュームで迎えてくれました。

  • 初日に飾られていました。ファンの方も都合をつけて観戦されているんだあって…

薄着で風邪を引きかけたので2日目のテストが終了した時点で早々に退散。1日置いてまた富士です。週末3月27日(土)、28日(日)のスーパーGT公式富士テストでオフシーズンが終わりました。

そうそう、2週間前の鈴鹿のテストですが、サーキットで東日本大震災のあの日、3月11日を迎え、サーキット全体で黙とうを捧げました。モニターの黄色い文字をご覧ください。読めるかな…。この配慮には、わたしは故郷が被災しておりますので、毎年あらゆるシーンで感慨深くなります。時が経つのは早いね…。

ホンダさん速い

  • マシンが切れててごめんなさい

さて、2つの公式合同テストを通してホンダさん速いです!大湯都史樹選手が昨年デビューしてから勢いが止まりません。いや~スゴイしか出てこない。あの不思議キャラ(ごめんなさい)と速さ。個性的で良いですね。

他に、上記の写真のこの医療従事者への感謝の気持ちをマシンに込めた野尻智紀選手と新婚さんの福住仁嶺選手の安定した速さも素晴らしい。昨年はチームメイトでしたけどね。今年に入り福住選手は、ご本人のSNSを通して結婚の発表をされましたが、ご家庭を持ったことが良いシーズンになるきっかけになるかもしれませんね。テスト中、モニターの上にばかりお名前がありましたので、今季いよいよか?という感じもします。

昨年のチャンピオン、チームを移籍して挑む山本尚貴選手は、富士の最後のセッションで上位に食い込みましたので、やっぱり来たなと。ホンダさんのチームを移籍し続けタイトルを全チームにプレゼントされるんでしょうかね。ピークが長いのがご自身の努力と才能ですよね。今シーズンもベテランらしく君臨すること間違いなしです。ピットへ行けないので写真はありません。

トヨタ勢はどうだ?

平川亮選手は今季も驚速!どんなセッションでもやはり上位に来るチカラは、このカテゴリー、スーパーフォーミュラで昨年一気に開花した感あり。そもそも速いけど、シーズン通して確信したのは昨年ですね(個人的にですよ)。今季もタイトル候補に確実に浮上します。ピットのピリピリ感がますますそう思わせます。平川選手もいつも通りかな。ひょーひょーとしていて、GTのテストの時もわたしにわざと背を向けて行きましたけど(笑)。愛嬌ね。

トヨタ勢はテストメニューがそれぞれだから単純にタイムで比較はできないけど、昨年2勝した坪井翔選手やルーキーの宮田莉朋選手もおもしろい存在になりそう。きっとみんな同じ。そしてみんなテストではわからない潜在能力(わかった方が良いけど)とチーム力(これ結構ある)があるので、誰と言えないところがあります。サーキットによっても違いますし、本当に繊細なマシンなんだなとも感じますね。

  • 最年長ドライバーになってしまったね…

また、今季まだまだコロナ禍の混乱でWEC参戦組のスケジュールが危ういです。スケジュールが重ならないにしても、渡航した先、帰国した際の自宅や定められた待機場所での滞在期間。これがレースのスケジュールに重なったりと、なかなか難しいシーズンになりそうです。

シリーズに参戦できたとしても、最初から出られるレースの数により、有効ポイント制すら活かせない可能性もある?チャンピオンシップに最初からからめない?ことも予想でき、体制としてはとてももったいないシーズンになるかも?その動向は、一戦一戦注目ですね。

  • 小林可夢偉選手の代わりに小高一斗選手が代走

WECもハイパーカーがデビューですので、レースに集中できる環境が中嶋一貴選手や小林可夢偉選手にあればと願うばかりです。ファイト!

お久しぶりです

そう、その中嶋一貴選手。とっても雰囲気が変わって見えました。久しぶりだった(3か月ぶりかな)ので、あけましておめでとうと挨拶をしましたが、チームもそうだったみたい。しばしこの雰囲気はなんだろうと考えていたら、トムスの名物エンジニアだった山田淳さん、今は監督をされていますが、だいぶ大人になったんだよ!と正解をくれました。

そして、いつしか最年長ドライバー。昨年で、石浦宏明選手が勇退されたので最年長ドライバーに就任(!)。FT、F3時代からお顔を拝見しておりまして、ヨーロッパに行ってしまったのですが、もう大ベテランということが若干信じられませんね。世界での経験はとてつもなく豊富ですから、それに充分に値しますけどね。昨年スーパーフォーミュラ調子が良かったので、今季できればフル参戦して欲しかった。今後のスケジュールとにらめっこですね。厳しいかな~…。

カラーリング

  • 鈴鹿ではカーボン萌えだったけど、富士ではフルカラーリングで登場した14号車

見ていてたぶん誰でも気付く点。2週間前の鈴鹿テストの際は、今季のカラーリングに注目していました。それを見て思うことは、コロナ禍にあってもスポンサーを続けてくださるチームが多いこと。内情まではもちろん存じ上げませんが、ひょっとしたら減額などもあったかもしれません。コロナ禍で難しい事情も出てくると思いますから撤退もあるかと思いきや、スポンサー継続というのは見ていてほっとします。チーム関係者でもないけど、スポンサーありきの業界なので。

そもそも私、スポンサー営業の仕事のお手伝いからこの業界に入りました。初めてみた資料は、レース営業のスポンサーさんへのプレゼン資料でした。そこでチームの成り立ちを学び、レーシングチームとして、下世話な話、おいくらでこのクルマの価値を売るのかというところから勉強しました。ロゴを見ると金額が浮かぶ、そんなところがこの業界への入り口でがっつり仕事で入りました。ファンのふりをしてみたところで、ファンの皆さんの方がレースに詳しく、これは時を待つしかないと思いましたね。レースを見てある意味ファンになっていったのは、人間力を見出してみるようになった最近のことかもしれませんね。

ピット作業の練習

  • そうピット作業も人と違う道を行け… 関口雄飛選手ヘルメット

あと、2回のテストで気になったのが、ピットにクルマを入れる位置とピット作業。あれ?前からこうだっけ?記憶が定かではないけど。ピット前にクルマを斜め止めにしているチームがいくつかありました。隣のピットとの位置関係にもよりますが。まっすぐが定番でしたが、どれだけ効果があるか見届けたいですね。斜めにいれれば斜めに出ないといけません。隣のピットが空いていれば、もしくは壁でなければ…鈴鹿や富士だと広いスペースがありますので、スムーズに出られますがそうではない場合、クルマを停める角度は重要ですね。

  • めちゃくちゃ速かったよ~ テレビに映るといいね~

それと、テストでは、あまりタイヤ交換のシチュエーションがないのでピット内でじっくりメンテ含めて替え、ピット前にクルマを停めて練習することをあまりやりませんが、やっているチームをチラ見。ワンハンドでやっているチームは、ヤバいです。めちゃ速いですね。あれ?何か違う?いや前から片手で作業することは見たことはありますが、重いし安定して作業をするにはどれだけ練習を積んできたんだろうと思うほど、速いチームがありました。

タイヤ交換をする工具、インパクトレンチ、これらはメカさんたちの苦労の賜物です。チームによって違います。これは写真をどのチームも載せて欲しくないでしょう。その気持ちがわかりますので載せません。日々ピット作業の練習から改良が重ねられていっていますよ。テレビには映らないけど、違いますね。ミスもしない工夫を毎年どこかで取り入れ、これも競争で改良し続けています。

とにかく毎年進化!何かしら戦う環境は変化をしています。メカさんがご飯を食べている横で、ごめんといいつつ外でひなたぼっこしながら話を聞いたけど、でも全部はやっぱり書けない私はただの応援団。ジャーナリストではないので、お許しを…。

  • とにかく晴れて!

さあ開幕まであと少し!世界最高峰のF1にも日本ドライバーが参戦します。国内のモータースポーツ関係者も大注目!フォーミュラのレースの国内最高峰ももっともっと盛り上がっていきましょう!では、また!

(写真:折原弘之 大谷幸子、テキスト:大谷幸子)

[ガズー編集部]

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