東京オートサロン2025にランドクルーザー250のカスタムカーが集結。各ブランドヒストリーを紹介・・・寺田昌弘連載コラム


クルマ好きにとって毎年楽しみなのが東京オートサロン。

昨年発売されたクルマで注目していたクルマはランドクルーザー250。
「Yahoo! 検索大賞2024」自動車部門で堂々1位を獲得するほど注目されているクルマだから、オートサロンでカスタマイズされた250が観られるのではと、期待しながら幕張メッセに行ってきました。

「JAPAN CAR AWARDS」で1位を獲得した250

カー&バイク用品のリユース専門店「アップガレージ」が2014年から毎年開催している「JAPAN CAR AWARDS」は、本当に乗りたいクルマをユーザー投票で決める自動車賞で、毎年オートサロンのブースで授賞式があります。

今回の総得票数は936,283票で、250は128,438票を集め1位になりました。
「Yahoo!検索大賞2024」同様、ユーザー投票なので欲しいとかかっこいいとか、最も人が興味を持ち、ワクワクさせたクルマです。

歴代受賞車の多くはスポーツカーですが、そのなかで選ばれているのもすごいと思います。ちなみに2位はメルセデスベンツ・AMG GTクーペ、3位はトヨタ・クラウン(セダン)です。

授賞式には250のチーフエンジニアで、今年から北米に赴任されている森津さんが帰国され登壇していました。

長年四駆を支え続けているブランド

70年代から80年代にかけ、はたらくクルマだったランドクルーザー40やジープでオフロードを楽しむオーナーが出始め、海外からタイヤやホイール、サスペンションなどを取り寄せていましたが、日本でもオフロード用品を製造販売するブランドが立ち上がりました。

まず40周年を迎えた「JAOS」。
JAOSブルバーとともに90年代の四駆ブームを牽引し、パリダカールラリーでは三菱ワークスチームのスポンサーになり、オフロードモータースポーツの振興にも大きく貢献。
最近ではLEXUS LX600でBAJA1000に参戦し見事完走し、次回からGX550hで参戦するなど、サスペンションやガード類の開発をしながらオフロードに挑み続けています。

JAOSパーツは40年の歴史の中で機能を高めながら洗練されています。
今回250は丸目、角目の2台のカスタマイズカーを展示。さすがメーカーサイトに掲載されるだけあって、ベースのデザインを活かしながらよりマッシブなスタイリングになっています。

そして「4☓4エンジニアリングサービス」。
日本はもちろん海外でも人気のホイール「ブラッドレー」が有名ですが、乗り心地とオフロードでの走行性能を高める「カントリーサスペンション」も70などコイルスプリングだけでなくリーフスプリングやシャックルもラインナップしている質実剛健なブランドです。

オフロード走破性を高めるためにホイールのオフセットを計算し、それに合わせたオーバーフェンダーをラインナップし、あくまで走りを突き詰めていった結果、ワイドトレッドのグラマラスなスタイリングが生まれています。

ブースには海外からの来場者も多く、日本のトラディショナルなスタイリングが海外でも人気が高いとのことです。

  • JAOS

  • JAOS

  • 4×4Engineering

プロショップのカスタマイズは迫力満点

四駆ブームのなか、JAOS、4☓4エンジニアリングなどのパーツを取り付ける四駆に特化したプロショップが全国各地にオープンし、4WDユーザーの思いに応える一台を組み上げていました。

リフトアップやホイールストローク量を伸ばすためのワイド化などプロショップならではのチューニングをしながら、オリジナルパーツもラインナップしています。

ディーゼル車の排気ガス規制などもあり、いわゆる四駆が減っていき、プロショップも苦境に立たされましたが、それでも熱い四駆オーナーに支持され今もプロショップとして愛されているプロショップも出展していました。

関西からの出展「PRO-STAFF」は「ZEAL」ブランドのオリジナルパーツをラインナップし、サスペンションはもちろん、マフラーやリフトアップのためのトランスファーダウンキットなどインパクトのあるスタイリングを細部まで調整するプロショップならではのオートクチュール感覚で自分だけの一台に仕上げてくれます。

4WDだけでなくいろんなクルマをリフトアップすることに定評があり、昨年のオートサロンではポルシェ986ボクスターを70mmリフトアップした出展車がインポートカー部門優秀賞を受賞。センスと腕が光るプロショップです。

関東からの出展「ROADHOUSE」は「KADDIS」ブランドのオリジナルパーツをラインナップ。
SUVのプロショップとして、4WDオーナーの思いを具現化するだけでなく、コンプリートカーも製作するなど、トータルでのスタイリングにまで深いこだわりを持つブランドです。

  • PRO-STAFF

  • ROADHOUSE

トヨタディーラーでカスタマイズする気軽さ

GR Garageが全国に広がり、トヨタディーラーで販売、整備だけでなくカスタマイズまでしてくれる店舗が増えてきました。
「町一番のクルマ屋」を目指し、主にGR86、GRヤリスなどGR車が中心ですが、昔からランドクルーザーやハイラックスなど4WDのカスタマイズをしているディーラーがあります。

「群馬トヨタグループ」は、早くからRV Parkというオフロードコース併設のショップをオープンし、トヨタの4WDのカスタマイズからグッズなどトータルでオフロードライフを楽しめるようオーナーに紹介。

またカスタマイズに必要なパーツを観て、相談できて、買える「群馬パーツショー」を開催し、ディーラーでカスタムのトップランナーとしてお客様に気軽にカスタムを楽しんでもらえる環境を作っています。

「宮城トヨタグループ」は、土地柄4WDの所有率も高く、欲しいだけでなく生活に必要なクルマとしてランドクルーザーを選ぶオーナーも多い。

「MTGパーツフェア2024」を毎年開催し、気軽にカスタマイズができる提案だけでなく、県内にスポーツランドSUGOがあるメリットを活かし、「MTG四駆祭り」「MTGモーターフェスティバル」「ドライビングスキルアップ講習会」などオフロードからサーキットまでお客様に走る楽しさを体感いただけるイベントを毎年開催しています。

どちらのディーラーでも、さまざまなパーツを相談しながらセレクトし、ディーラーメカニックが装着してくれる、自分だけの一台が作れるのでありがたいです。

  • 群馬トヨタグループ

  • 宮城トヨタグループ

オートサロンはチューニングカー、ドレスアップカーが中心ですし、それを見るのももちろん楽しいですが、SUVのカスタマイズも出展され、モビリティーの多様性が一堂に観られるすばらしいイベント。

大阪オートメッセは2月7-9日にインテックス大阪で、名古屋オートフェスティバルは3月15-16日にポートメッセなごやで開催予定なので、クルマの楽しさを観に行ってみてはいかがでしょう。

■ほかにも個性豊かな250が展示■

  • 326POWER

  • BILSTEIN

  • BLITZ

  • DOUBLE EIGHT

  • ELFORD

  • EXIZZLE-LINE

  • MARVELOUS

  • MUDRON

  • M'z SPEED

  • NEXUS

  • RAYS

  • SPIELER

  • TOM'S

写真:GTG、MTG、JAOS、上野和幸、寺田昌弘 / 文:寺田昌弘

ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。


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