初代ミライから現行モデルのミライに乗り換えます!・・・寺田昌弘連載コラム
2022年11月から初代ミライに乗り始め、2年半が経ちました。約2万kmを走りましたが、それ以上に友達のヘアメイクさんの紹介でLUNA SEAのSUGIZOさんと出会ってから、ミライを活用した給電でライブの楽器電源供給をするようになり、FCEVのモビリティとしての活用方法に幅が広がりました。
初代ミライも十分堪能したので、そろそろ現行モデルのミライに乗りたいと思っていたところ、いいご縁がありホワイトパールのミライを引き継がせていただけることになりました。
初代ミライでの思い出
GAZOO中古車by KINTOで探し、トヨタモビリティ東京で購入した初代ミライ。
今までランドクルーザーやクルーガーハイブリッド、ハリアーハイブリッドなどSUVの4WDが好きで乗ってきた私にとって初めてのセダンのFF。SUVはドライバーの視点が高く、見通しがよく、渋滞時も前方がよく見えるのが好きで、セダンは渋滞時に圧迫感があるのかなと思っていました。乗り始めてみるとワインディングを軽快に走れて気持ちいい。モーターのレスポンスのよさ、トルクの出方も乗りやすく、今までセダンに抱いていた先入観も払しょくされ、一気に好きになりました。
HEVに乗っていたときは、「アクセルを踏まないおもしろさ」と特にアクセルオフやブレーキング時の回生で、燃費グラフがぐっと伸びて何か得した気分になる走りに楽しさを見出していました。回生での充電を意識しながら走って燃費を向上させるのがおもしろかったのですが、FCEVはバッテリーがコンパクトなので、回生で蓄電するより、ブレーキをできるだけ無駄に踏まないよう走ったほうが水素消費量を抑えられるので、走り方が変わりました。
できるだけ自分が走っている前方の情報を取り入れながら予測をして、早めにアクセルオフして惰性で走ったりしています。
ミライに履いたタイヤは低燃費タイヤを選んで転がり抵抗が少ないので、その滑空するような感覚をつかめば後続車に気を遣わせることもない。こうして乗っているうちに1回の水素充填で500km以上走れるようになり、活動範囲も広がりました。
そしてミライオーナーとも知り合い、TOYOTA MIRAI CLUBのミーティングでトヨタ博物館に集まったとき、ある初代ミライオーナーに「GAZOOのコラム(『水素を使う人になりたくて、初代ミライを買いました!』)を読んで、私も初代を買いました。具体的に紹介してくれていたのでわかりやすく、乗り始めて大満足です」とミライ仲間が増えるきっかけにコラムがなっていたことを知ってうれしかったです。
ライブの楽器電源供給はSUGIZOさんのおかげでLUNA SEA、THE LAST ROCKSTARSをミライでサポートでき、最後は東京ドームでのGLAYとLUNA SEAのライブをサポートさせていただき、愛車で東京ドームのグラウンドに入ってステージ裏にいられたことが何よりの記念になりました。これを機会に、初代から現行モデルへ乗り換えようと決意しました。
現行モデルのあのミライがやってきた
ライブでの楽器電源供給をしていたとき、関東圏は自走で自分のミライで行って、近くの水素ステーションで充填して会場に乗り入れていたのですが、そのほかのエリアでは、トヨタディーラーから現行ミライをお借りしながら給電サポートをしていました。またTOYOTA MIRAI CLUBのミーティングで現行ミライを見ているうちに欲しくなってきました。
やはりFCスタックが進化したり、二次電池がリチウムイオンになったりし、さらに水素タンクが3本となり航続距離が伸びたこと、そしてプラットフォームがGA-Lで駆動方式がFRになったことが魅力です。
スタイリングは20インチホイールのほうがかっこいいと思うのですが、航続距離が長い19インチホイールのGグレードを探すものの、中古車では20インチホイールのZグレードが圧倒的に多く、なかなかお目当てのグレードがみつかりません。
ミライを好きになった大きなきっかけを作ってくれた、1回の水素充填で1,040.5kmを走り世界記録(当時)を達成したミライが理想だったのですが、なんとそのミライを引き継がせていただくことになりました!
(そのときのコラムはこちら『MIRAIで世界新記録樹立。第2区間を走って思った未来に望むこと』)
さっそく引き取りに行き、3年半ぶりに再会を果たすと、とてもきれいなコンディションであのときのままです。ステアリングを握り走り出すと、あのとき緊張しながら1kgの水素で200km以上を走る丁寧なアクセルワークを思い出しました。
2年半の相棒だった初代ミライに感謝しながら、その実体験をベースに現行モデルのミライに乗り、ミライの進化とともに引き続き水素利活用の現場を体感しながら気づいたことをお伝えしていきます。
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初代ミライと同じ場所に停めてみると全長はあまり変わらない感覚で、全幅が少し広くなり車内が格段に広くなった
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20インチで45偏平タイヤのほうが見た目はかっこいいが、19インチ55偏平でも十分かっこよく航続距離で有利
写真・文:寺田昌弘
ダカールラリー参戦をはじめアフリカ、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアと5大陸、50カ国以上をクルマで走り、クルマのある生活を現場で観てきたコラムニスト。愛車は2台のランドクルーザーに初代ミライを加え、FCEVに乗りながらモビリティーの未来を模索している。自身が日々、モビリティーを体感しながら思ったことを綴るコラム。







