全国でも珍しい!神楽坂の逆転式一方通行
知らない土地の一方通行ほどドライバー泣かせのものはない。目的地はすぐそこなのに一方通行のために延々と迂回する羽目になり、迷いそうになった経験をした人も多いだろう。カーナビの普及で道に迷うことは少なくなったとはいえ、一方通行は気を遣う存在であることは間違いない。そんなただでさえ厄介な一方通行なのに、時間帯によって通行できる方向が変わるという、さらに面倒な一方通行がある。東京都新宿区と千代田区にまたがる早稲田通りの一部が、この逆転式一方通行だ。
午前と午後で方向が逆転!
まずは上の地図をご覧いただこう。
地図上の黄色の部分が逆転式一方通行区間。毎日0~12時は東向きの一方通行。正午で逆転し西向きの一方通行となる。ただし、平日のランチタイムと日曜・祝日の午後は歩行者専用道路になる区間があるという複雑さだ。日常的に利用している人ならともかく、初めてここを訪れた人は大いに戸惑うことになる。
ではこの区間の主な交差点を東から順に見ていこう。
逆転式一方通行が始まる九段中等学校前交差点。取材時は東向き一方通行の時間帯だったためこちらからは進入禁止。通常の標識のほか時間帯によって表示が変わる可変標識も設置されている。
神楽坂下交差点。平日の正午過ぎだったため歩行者専用道路になっている。突然方向が逆になると混乱するため、歩行者専用道路の時間帯が緩衝材の役割を果たしていると思われる。
九段中等学校前交差点方面へ向かう、神楽坂下交差点東側の通り。こちらも平日ランチタイムには歩行者専用道路となる。
歩行者専用道路になった神楽坂通り。路上に看板が置かれ車が通れないようになっている。
坂を上がりきったところにある神楽坂上交差点。ここにも可変標識が設置されている。
逆転式一方通行の西の端にある矢来第二交差点。平日の午後のため西向きの一方通行となり、こちらからは進入禁止。
複雑な標識を解読する
地図を見ながら情報を整理すれば、時間帯による変化は一目瞭然だが、初めてここを訪れる人は標識の数に戸惑うはずだ。もう一度神楽坂下交差点の標識を見てみよう。
交差点入口では歩行者専用道路と進入禁止、一方通行の3つの標識がまず目に飛び込んでくる。スムーズに通行するためにはすべての情報を瞬時に読み取る必要があり、かなりハードルが高い。撮影したのは平日の12時過ぎで可変標識により歩行者専用道路であることが示されてはいるが、右下の一方通行の標識には「12-24」の数字が書かれている。もしこれを先に見てしまったら、そのまま進入してもいいような気にもなってしまう。
そして、脇道からの逆転式一方通行区間に入る時も難解だ。
これは毘沙門天善國寺の脇から神楽坂通りに入る道路の交差点。一方通行の方向を示す標識が手前にあるが、よく見ると少し先に歩行者専用の標識が見える。もし歩行者専用道路の時間帯だったなら、この時点でどうしていいのかわからなくなってしまう。
この逆転式一方通行誕生の理由には諸説あり、某大物政治家が自宅から国会議事堂に通う際に便利なようにこのルールを決めたなんていう説もある。実際のところは、対面通行だった道路に歩道を設置した際、道幅が狭くなったため一方通行にせざるを得なくなり、午前と午後の交通量の差から逆転式一方通行が採用されたというのが真相のようだ。
他にもある!逆転式一方通行
今回紹介した早稲田通りは日本唯一の逆転式一方通行といわれることもあるが、じつは他にも例が見られる。
・東京藝大前交差点~千住仲町公園前交差点東 (東京都足立区)
0~12時が北向き、12~24時が南向き一方通行。8~9時と16~18時は歩行者専用道路
・国体町交差点~南方2丁目交差点 (岡山市北区)
0~12時が東向き、12~24時が西向き一方通行
なかなかお目にかかれない珍しいルールではあるが「こうした道路もある」ということぐらいは知っておいて損はない。もし、こんな難解な標識に出会ったら、焦らずゆっくりと標識を読み解くことが大切だ。ルールを守って安全運転を心がけたい。
※記事内のデータは2019年5月現在のものです。
[ガズー編集部]
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