【東京モーターショーにコンセプトカーとして発表されたあのクルマたち】初代プリメーラの発想の原点を伝えたい、そんな思いがプリメーラXにこめられた

“花の89年組”と言われるほど、華々しかったこの年の東京モーターショーに出品された1台がプリメーラX。デザイン開発からいえば、このモデルは1990年に発表される初代プリメーラより、やや後に開発されたという。

若干の違和感は、量産のプリメーラとプリメーラXのフォルムとボリューム感があまり共通しているように感じられないことだろう。しかし、このプリメーラXを手がけたものも、初代プリメーラと同じデザインチーム。初期のイメージスケッチの中でキースケッチとなったものが、このプリメーラXにとっても原点となったようだ。

初代プリメーラのデザインプロデューサー前澤義雄氏は、「プリメーラXのシルエットは量産を前提にすると問題が出てくる。そのあたりをある程度無視して、プリメーラの狙いをより自由に、強調的に表現したのがプリメーラXです」と語っている。

そして1990年に初代プリメーラが登場。直列4気筒の横置きFFユニットをベースに構成されたその合理的なパッケージや、当時、日本車離れをしたとも言われたハンドリング性能は極めて高い評価を受けた。

この初代プリメーラの合理的なスタイルと、プリメーラXのパッケージを比較してみる時、初代プリメーラに隠された、豊かな世界観を同時に感じ取ることができる。こうした点にもまたコンセプトカーの意味が潜んでいるようだ。

[ガズー編集部]

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