【東京モーターショーにコンセプトカーとして発表されたあのクルマたち】軽スポーツの真骨頂。太いサイドシルとガルウイングドアはまさにスーパーカーだ

東京モーターショー1989に出品されたコンセプトカー、マツダaz550。何よりも驚かされたのが、コンセプトカーとして、タイプA、B、Cの3車種を用意していたことだ。タイプAはニューコンセプトビークル、タイプB(上部写真)はハイチューンド・ピュアスポーツ。そしてタイプCはプチCカー、つまりレーシングカーを軽サイズにデフォルメしたようなスタイリングだった。ではなぜこのような3案を展示したのかといえば、スケルトン・モノコックフレームの採用が決まっていたからだ。これはボディの内側のフレームでモノコック構造を作ってしまうもので、そのためにボディ表皮はボディ剛性にまったく関係なくした。太いサイドシルが印象的で、ミニスカートの女子の乗り方まで、マツダの技術者が提案したほど。
そうしたボディが構築できたため表皮は樹脂製とすることができ、自由な造形と交換することができる。そのアピールがこの3案の提案となっていたのだ。
実際には会場ではタイプBが人気だったというが、量産モデルのベースとしてはタイプAで決定していた。それはミッドシップとしてのわかりやすさなどを鑑みた結果だという。ただしコンセプトカー作りはある段階から量産プロジェクトから枝分かれし、その時点でデザインが固定された。そのために、az550のタイプAと量産型のAZ-1には量産検討の結果として相違点が出てきている。

とりわけ特徴的なのがヘッドライトで、az550のリトラクタブル式から固定式となった。これは見た目の印象も大きく変えるものとなった。変更された理由は幾つかあるが、バンパーの突出部分が少ないことから小接触でもライトが上がらなくなる恐れにも配慮したという。

コンセプトカー マツダ・az550タイプB
コンセプトカー マツダ・az550タイプB
コンセプトカー マツダ・az550タイプC
コンセプトカー マツダ・az550タイプC

[ガズー編集部]