ホンダ・レジェンド…日本生まれのビッグセダン

優れた性能を有する大型セダンは、各自動車メーカーのブランドイメージを担うもの。今回は、人々の記憶に残る、日本生まれのビッグセダンをピックアップ。1990年代に登場したモデルを中心に紹介します。

ホンダ・レジェンド

1985年に誕生した、ホンダ初のプレステージサルーンであるレジェンド。当時提携関係にあったBL(ブリティッシュ・レイランド、後のローバーグループ)と共同開発されたモデルで、当時の日本の法規に沿ってボディーは5ナンバーサイズ(後から登場した2ドアハードトップは3ナンバーサイズ)だった。そのため北米で展開する高級ブランド「アキュラ」の旗艦としては小粒で、ライバルと比べると見劣りしていた。

1990年に登場した2代目は、北米市場をメインターゲットに据え、ボディーを大幅に拡大。全長4940mm、全幅1810mm、ホイールベース2910mmと、トヨタ・セルシオ(海外での車名はレクサスLS400)に迫るサイズとなった。前輪を駆動するV6エンジンも、先代の2リッター/2.7リッターから3.2リッターに拡大され、横置きから縦置きへと変更。エンジンの重心位置を前車軸より後ろに置く「FFミッドシップ」を採用したことにより、FR車のようにフロントオーバーハングが短いプロポーション、大きなハンドルの切れ角、そして、より自然なドライビングフィールを実現した。

安全性能の向上も大きなテーマ。初代レジェンドは日本車で初めて運転席用SRSエアバッグを採用したが、2代目はそれに加えて日本車初のシートベルトプリテンショナーを標準装備。日本車初の助手席用SRSエアバッグも用意された。

1991年にはセダンのホイールベースを80mm短縮した2ドアクーペを追加設定。先代にも存在した(名称は2ドアハードトップ)が、当時の日本車では唯一となる、大型セダンをベースとするクーペモデルだった。

[ガズー編集部]