【連載全11話】第2話 オースチンA55ケンブリッジ マークII/プジョー404・・・やっぱり似てる? デザイナーが同じクルマ特集

「よく似たヒトは世界に3人いる」などといいますが、クルマにも驚きの“そっくりさん”が存在します。デザイナーが同じと聞けば、それも納得。そんな名車を週替わりで紹介します。

オースチンA55ケンブリッジ マークII/プジョー404

最大手のカロッツェリアであるピニンファリーナは、1950~1960年代当時、イタリア以外では一国につきひとつのメーカーと契約していた。イギリスはBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)、フランスはプジョー、日本は日産といった具合である。これら2台はそんな時代のピニンファリーナの作品である。

日産でもライセンス生産されていたオースチンA50ケンブリッジの改良型として1957年に登場したA55ケンブリッジ。1.5リッター直4エンジンを積んだオーソドックスな4ドアサルーンだったが、1959年にデビューしたA55ケンブリッジ マークII(写真)では姿を一新。通称“ファリーナ・サルーン”と呼ばれたようにピニンファリーナが手がけたボディーをまとい、5ドアワゴンも加えられた。

当時のBMCはバッジエンジニアリングによってオースチンのほかモーリス、MG、ライレー、ウーズレー、ヴァンデン・プラを合わせた計6ブランドを抱えていた。ヴァンデン・プラを除く5ブランドに兄弟車が存在したA55ケンブリッジ マークIIは、1961年に再度マイナーチェンジを受けてA60ケンブリッジに発展した。

いっぽうプジョー404は、403の後継モデルとして1960年にデビュー。当時のプジョーに共通する堅実な設計の4ドアサルーンと5ドアワゴンで、後れて2ドアカブリオレとクーペが追加された。オーソドックスで実用的なサルーンというキャラクター、全長4.4m強、全幅1.6m強というボディーサイズ、1.5リッター/1.6リッター直4というパワーユニットも前出のオースチンA55マークII/A60とほぼ同じ。タクシーなどのフリートユースに向けたディーゼル仕様が存在するところも共通していた。

そんな似通った2台だったが、生産台数はA55ケンブリッジ マークII/A60が、他ブランドの兄弟車を含め1971年まで(A60は1969年まで)に87万台弱。いっぽう404は1975年までに180万台以上と、生産期間が長いとはいえダブルスコア以上の数字を記録した。404はさらに、仏本国での生産終了後もアフリカなど諸外国で1988年までつくり続けられ、累計生産台数は約290万台に達した。

[GAZOO編集部]

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