【連載全10話】第1話 AC・コブラ・・・小さなボディーに大きなエンジンを積んだクルマ

エネルギー効率を追求しダウンサイジングが進む自動車業界ですが、過去を振り返れば、小さな車体に不釣り合いなほどの大排気量・高出力エンジンを搭載したクルマもありました。注目すべき名車をピックアップし、週替わりで紹介します。

AC・コブラ

イギリスのACカーズが1953年にリリースしたACエースは、鋼管フレームに前後とも横置きリーフスプリングの独立懸架を持つシャシーにアルミ製のオープン2座ボディーを組み合わせ、自社製の2リッター直6 SOHCエンジンを載せたスポーツカー。後にブリストル製2リッター直6エンジン搭載車や、英国フォード製2.6リッター直6ユニット搭載車もつくられた。

そのエースに目をつけたのが、1959年ルマン24時間のウイニングドライバーにして、現役引退後にシェルビー・アメリカンを設立したキャロル・シェルビー。ACエースをベースとするシャシーに、米国フォード製の260立方インチ(4.3リッター)のV8 OHVユニットを積んだアングロ・アメリカンスポーツをACコブラの名で1962年に市販化した。

翌1963年にはパワーユニットは289(4.7リッター、写真)に拡大された、1965年には究極のモデルとなる427(7リッター)が登場する。サスペンションを4輪ダブルウイッシュボーン/コイルに改めたシャシーに太いタイヤを収めるため、前後フェンダーが張り出したボディーを採用。7リッターV8 OHVユニットはストリートバージョンでも390HP、65.8kgf・mという強大なパワーを発生した。車重は1tに満たなかったため、0-96km/h加速3.97秒、0-400m 12.2秒、最高速度264km/hという強烈なパフォーマンスを発揮した。

1967年に生産終了後も人気が衰えることはなく、今日に至るまで数多くのレプリカやコンティニュエーション(継続生産)モデルがつくられている。

[GAZOO編集部]

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