【連載全10話】第8話 トヨタ・ブレイドマスター・・・小さなボディーに大きなエンジンを積んだクルマ

エネルギー効率を追求しダウンサイジングが進む自動車業界ですが、過去を振り返れば、小さな車体に不釣り合いなほどの大排気量・高出力エンジンを搭載したクルマもありました。注目すべき名車をピックアップし、週替わりで紹介します。

トヨタ・ブレイドマスター

相対的に排気量の大きい6気筒エンジンを積んだCセグメントのハッチバックは、日本車にも存在した。2007年に登場したトヨタ・ブレイドマスターがそれである。

もともと欧州市場向けカローラとして誕生し、国内ではカローラFXの名で販売された2ボックスの3ドア/5ドアハッチバックをルーツに持つオーリスの兄弟車として2006年に登場したブレイド。オーリスが1.5リッター/1.8リッター直4エンジンを積んでいたのに対し、「洒落た大人の高級ハッチバック」という開発テーマを掲げたブレイドは、2.4リッター直4 DOHCエンジン搭載車のみだった。

そのブレイドのボディーに、エスティマなどに積まれていた最高出力280PSを発生する3.5リッターV6 DOHC 24バルブユニットを移植したモデルがブレイドマスターである。駆動方式はFF、変速機はパドルシフト付きの6段ATで、大パワーに備えてシャシーも強化されていた。とはいうものの、フォルクスワーゲン・ゴルフR32をはじめとする欧州勢のようにスポーティーさを前面に押し出してはいなかった。

エクステリアにはメッシュのフロントグリル、インテリアには専用本革巻きシフトノブなどがおごられ、上級グレードのブレイドマスターGは本革とアルカンターラのコンビシートやレーダークルーズコントロールなども標準装備。ブレイド本来のプレミアムコンパクト、すなわち小さな高級車というキャラクターを強調していたが、4気筒のブレイドともども一台限りでモデルライフを終えた。

[GAZOO編集部]

【連載全10話】小さなボディーに大きなエンジンを積んだクルマ

名車・旧車トップ

  • 名車・旧車トップ
    名車・旧車トップへ