【連載全10話】第9話 ルノー・クリオ/ルノースポールV6・・・小さなボディーに大きなエンジンを積んだクルマ

エネルギー効率を追求しダウンサイジングが進む自動車業界ですが、過去を振り返れば、小さな車体に不釣り合いなほどの大排気量・高出力エンジンを搭載したクルマもありました。注目すべき名車をピックアップし、週替わりで紹介します。

ルノー・クリオ/ルノースポールV6

グループ4で戦われていたWRC(世界ラリー選手権)参戦用のホモロゲーションモデルとして1980年に登場したルノー5ターボ。姿こそ当時ルノーの主力車種だったコンパクトハッチバックのルノー5に準じていたが、本来は後席があるべき場所に1.4リッター直4ターボユニットが鎮座したミドシップのリトルモンスターだった。

その再来ともいうべきモデルがルノー・クリオ ルノースポールV6である。Bセグメントのハッチバックである2代目ルノー・クリオ(日本名ルーテシア)をベースとするワンメイクレース用のカップカー、クリオV6トロフィーとして1998年にデビュー。そのロードバージョンを望む声に応えて2000年に市販化された。

後席スペースにパワーユニットを置くミドシップというレイアウトは、かつての5ターボと同じ。ただし直4ターボユニットを縦置きしていた5ターボとは異なり、こちらは3リッターV6 DOHC 24バルブの自然吸気ユニットを横置きする。エンジン自体はルノー・ラグナに積まれていたものと基本的に同じだが、チューンは最高出力230PS、最大トルク30.6kgf・mにまで高められ、6段MTを介してのパフォーマンスは最高速度237km/h、0-100km/h加速6.4秒と公表された。

生産はジャガーや日産などのレーシングスポーツ、アロウズF1なども手がけたレーシングカーコンストラクター/レーシングチームのトム・ウォーキンショー・レーシング(TWR)が担当した。2003年にはベースのクリオに準じてフェイスリフトし、エンジンもパワーアップしたフェイズ2に進化。生産をルノー・スポールに移して2005年までつくられた。

[GAZOO編集部]

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