【連載全16話】第3話 スズキ・フロンテ800・・・日本生まれのFF車特集
現在、エンジンを搭載するクルマではFF(フロントエンジン・フロントドライブ)という駆動方式が主流です。では、これまでどんなモデルがあったでしょうか? 自動車史に名を残すFFの日本車を週替わりで紹介します。
スズキ・フロンテ800
1955年に発売した初の四輪車であるスズライトSF以降、FFを採用した軽自動車をつくり続けていたスズキ。そのスズキが初めて手がけた、戦後の国産小型乗用車として初めてFFを導入したモデルがフロンテ800である。市販化を前提としたプロトタイプのデビューは1963年秋の東京モーターショーだったが、生産体制を整えるのに時間を要し、お披露目から2年以上を経た1965年12月にようやく発売されたのだった。
ミケロッティの関与がうわさされたものの、実際はスズキ社内でデザインされた2ドアセダンボディーは、日本車では初めてサイドウィンドウに曲面ガラスを採用。そのフロントに縦置きされた水冷2ストローク3気筒エンジンで前輪を駆動するという設計には、現在のアウディのルーツのひとつであるドイツのDKWの影響がうかがえる。パワーユニットは785ccから最高出力41PS、最大トルク8.1kgf・m(いずれもグロス値)を発生し、4段MTを介しての最高速度は115km/hと発表された。
発売当初のライバルは初代マツダ・ファミリアやダイハツ・コンパーノといった800cc級のモデルと目されていた。しかし発表から発売までの2年間のタイムラグは小さくはなく、約半年後には日産からサニー1000、これもFFを採用したスバル1000といった新世代モデルがデビュー。さらにその半年後にはトヨタ・カローラ1100が登場するにおよんで、大衆車の主流は1リッタークラスに移行してしまう。それらより小ぶりなサイズながら、少量生産ゆえの割高な価格などが要因となり、フロンテ800のセールスは奮わなかった。好調な軽自動車製造の片手間に1969年春までほそぼそとつくり続けられたが、約3年半の生産台数はわずか2717台と伝えられている。
[GAZOO編集部]
【連載全16話】日本生まれのFF車特集
-
-
【連載全16話】第3話 スズキ・フロンテ800・・・日本生まれのFF車特集
2024.12.04 特集
-
-
-
【連載全16話】第2話 日野コンマース・・・日本生まれのFF車特集
2024.11.27 特集
-
-
-
【連載全16話】第1話 スズキ スズライトSF・・・日本生まれのFF車特集
2024.11.20 特集
-
最新ニュース
-
-
「ZR-Vより好み」アキュラの新型SUV『ADX』のデザインにSNSは高評価
2024.12.04
-
-
-
「自分で燃料電池を作る」トヨタ、小学生向け水素ワークショップを12月8日開催へ
2024.12.04
-
-
-
「オタク心をくすぐる!」スバル『WRX』の高性能グレード、SNSでは国内導入を求める声も
2024.12.04
-
-
-
トヨタ『ヤリス』、「GR SPORT」のスポーツ度がアップ…2025年型を欧州発表
2024.12.03
-
-
-
カスタムは『バランス』が超重要! 強弱付けて大失敗?~カスタムHOW TO~
2024.12.03
-
-
-
トヨタ『ヤリスクロス』の特別仕様車公開…仏工場の生産500万台を祝う
2024.12.03
-
-
-
メルセデス・マイバッハ『SLモノグラム』日本発表…高性能ラグジャリー2シーターの価格は?
2024.12.02
-
最新ニュース
-
-
「ZR-Vより好み」アキュラの新型SUV『ADX』のデザインにSNSは高評価
2024.12.04
-
-
-
「自分で燃料電池を作る」トヨタ、小学生向け水素ワークショップを12月8日開催へ
2024.12.04
-
-
-
「オタク心をくすぐる!」スバル『WRX』の高性能グレード、SNSでは国内導入を求める声も
2024.12.04
-
-
-
トヨタ『ヤリス』、「GR SPORT」のスポーツ度がアップ…2025年型を欧州発表
2024.12.03
-
-
-
カスタムは『バランス』が超重要! 強弱付けて大失敗?~カスタムHOW TO~
2024.12.03
-
-
-
トヨタ『ヤリスクロス』の特別仕様車公開…仏工場の生産500万台を祝う
2024.12.03
-