トヨタ・マークXジオ…一代限りとなったクルマ
今回は、光る個性があるにも関わらずモデルチェンジされなかった車種や、目的をもって市場に投入されながらもその後開発が継続されなかった、“一代限りのクルマ”を取り上げます。
トヨタ・マークXジオ
2007年に登場した、ワゴンとミニバンの中間的なモデル。掲げられたテーマは“4+Free(フォー・プラス・フリー)”で、独立4座と使用目的に応じて自在に変化する空間を持ち、セダン、ワゴン、ミニバンそれぞれの使い勝手を備えた“3モードキャビン”を実現した新たなコンセプトのモデルとうたっていた。具体的には、大人4人がゆったりくつろげる前後席独立4座に補助的なサードシートを備えた6人乗り仕様と、セカンドシートが3座となった7人乗り仕様が設定されていた。
ラインナップ上ではワゴンであるマークIIブリットの後継となる。しかしブリットがFRのマークIIをベースとしていたのに対し、ジオはマークXを名乗りながらも、オーリスやブレイドなどのFFプラットフォームを流用。パワートレインは2.4リッター直4+CVTまたは3.5リッターV6+6ATで、前者には4WDも用意された。
マークXジオは、セダン、ワゴンとミニバンのいいとこ取りをしたクロスオーバーではあったが、いずれにも属さないがゆえの中途半端なモデルという見方や、個性的なスタイリングに対する好き嫌いが生まれ、発売当初の出足こそよかったものの、その後は低迷した。スポーティーさを強調したグレードや、サードシートを廃した5人乗り仕様を加えるなどしたが人気は上向かず、2013年に販売終了。一代限りで消滅した後、類似のコンセプトを持つモデルは現れていない。
[ガズー編集部]
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