トヨタ・ヴァンガード…一代限りとなったクルマ

今回は、光る個性があるにも関わらずモデルチェンジされなかった車種や、目的をもって市場に投入されながらもその後開発が継続されなかった、“一代限りのクルマ”を取り上げます。

トヨタ・ヴァンガード

2007年にデビューした、高級ミディアムSUV。その数カ月前に販売終了したクルーガーの実質的な後継車種となるが、クルーガーが初代ハリアーをベースにしていたのに対して、こちらは2005年に登場した3代目RAV4の派生車種。北米向けに存在していたRAV4のロングホイールベース版を仕立て直した、国内専用車だった。

エクステリアは、SUVらしいたくましさに加え、都会的で洗練された個性を表現。RAV4より100mm長いホイールベースを生かし、2列シートの5人乗りだけでなく、3列シートの7人乗りもラインナップした。パワートレインは2.4リッター直4+CVTあるいは3.5リッターV6+5ATで、デビュー当初の駆動方式は全車4WDだったが、後に、2.4リッター車にはFF車が追加された。

セールスは、当初の販売目標には届かなかったものの、RAV4やハリアーを上回る台数がコンスタントに売れ続け、相対的には健闘していた。しかし2013年秋には、世代交代を迎えることなく生産終了。ヴァンガードが担った市場は、3代目ハリアーが受け継ぐこととなった。

[ガズー編集部]

MORIZO on the Road