日産・セドリック/グロリア…絶版モデルとなった往年の人気車種

広く世の中に知られていたにも関わらず、時代の流れとともにカタログから消えてしまったあのクルマ。今回は国産車の中から、そんな“有名な”モデルを紹介します。

日産・セドリック/グロリア (1959~2004年)

英国の児童向け小説『小公子』の主人公の名を冠したセドリックの誕生は1960年。7年に及んだオースチンA40/A50のライセンス生産の経験をもとに作られた、日産初の中型乗用車だった。一方のグロリアは、66年に日産に吸収合併されたプリンスが59年に送り出したモデル。同年に日本中を沸かせた皇太子(今上天皇)のご成婚を祝し、「栄光、光栄」を意味するラテン語から名付けられた、当時の国産最高級車だった。

これら2車種は、先行していたトヨタのクラウンとともに国産中型車市場を形成していたが、71年に実施されたセドリックとしては2度目、グロリアでは3度目となるフルモデルチェンジに際して両車は統合され、双子車となる。通称「セド・グロ」の最初のモデルとなる型式名230型は、スピンドルシェイプと呼ばれる前衛的なスタイリングを採用したライバルの4代目クラウンが市場で苦戦していたこともあって成功作となった。

以後、双子車として代を重ねたが、セドリックは10代目、グロリアは11代目となるY34型を最後に2004年に生産終了。40年以上の歴史を持つノーブルな車名はそろって消滅、両車の系譜はフーガに受け継がれた。ただしタクシー用のセドリック・セダンに限っては、その後も2014年まで継続生産された。

[ガズー編集部]

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