【連載全12話】第3話 メッサーシュミットKR175・・・個性的なドアのクルマ特集

「前開き」に「跳ね上げ式」、なかには「上下スライド式」なんてクルマも……。今回は、ドアの開閉方式が個性のひとつとなっている世界の名車を週替わりで紹介します。

メッサーシュミットKR175

この連載の前回で紹介したイセッタと並ぶ、第2次世界大戦後の復興期に欧州で流行した超小型車の代表的なモデル。航空機メーカーだったが、敗戦によりその生産を禁じられたドイツのメッサーシュミットが、1953年にリリースしたモデルがKR175。全天候対応のキャビン付きスクーターをコンセプトとするフロント2輪、リアが1輪の三輪車で、シート配置は複座戦闘機のような前後方向のタンデム。ステアリングも航空機の操縦かんのようなバータイプだった。

単独のドアはなく、左ボディーサイドまで切れ込んだ、これまた戦闘機のような透明アクリル製トップを持つキャノピーを右側面のヒンジを支点に横方向にそっくり開閉して乗降する。後席の背後に空冷2ストローク単気筒174ccエンジンを搭載。4段MTを介して後輪を駆動するが、リバースギアはなく、後退する際はエンジンをいったん停止させた後に逆回転させた。

1955年にはエンジンを191ccに増強したKR200(写真)に発展。1956年にはメッサーシュミットが航空機産業に復帰したため、三輪車の生産は新たに設立されたFMR社に委ねられた。翌1957年にはアクリル製キャノピーの代わりにキャンバストップを備えたカブリオレ、サイドウィンドウを取り去りソフトトップを簡素化したKR201と呼ばれるロードスター、さらには四輪化して空冷2ストローク2気筒494ccエンジンを積んだTg500が加えられた。だが一般的な乗用車の普及に伴い需要は減少。1964年に全モデルの生産を終了してFMR社は自動車生産から撤退した。

[GAZOO編集部]

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