【連載全12話】第5話 パーヴィス・ユーレカ・・・個性的なドアのクルマ特集
「前開き」に「跳ね上げ式」、なかには「上下スライド式」なんてクルマも……。今回は、ドアの開閉方式が個性のひとつとなっている世界の名車を週替わりで紹介します。
パーヴィス・ユーレカ
1970年のトリノショーに出展されたコンセプトカーのランチア・ストラトス ゼロは、マルチェロ・ガンディーニが手がけた強烈なウエッジシェイプのボディーが特徴で、その巨大なフロントウィンドウが、ルーフ側をヒンジとして開き、乗降するようになっていた。
こうした、コンセプトカーやショーカーには見られた、大胆ではあるが実用性をほとんど無視したドア(とは呼べないかもしれないが)を採用してしまったモデルが、イギリスで(キットカーではあるが)1971年に登場したノヴァだった。
ビートルことフォルクスワーゲン・タイプ1のシャシーにスーパーカー風のFRPボディーを架装するという、キットカーとしてはポピュラーな手法でつくられたモデルだが、特徴的なのが、ルーフとフロントおよびサイドウィンドウが一体化したキャノピー部分。これがそっくり上方にせり上がって、コックピットに乗降するのである。
ノヴァは製造権が販売され、アメリカのスターリング・スポーツカーズ、オーストラリアのパーヴィス・カーズをはじめ、世界各国で40年近くにわたってつくられたと伝えられている。写真は1974年に登場したオーストラリア版のパーヴィス・ユーレカ。車重はベーシックな1.2リッターフラット4ユニット搭載車で788kg、1.6リッターでも870kgと軽量だったため、動力性能はオリジナルのビートルに対して10%から15%ほど向上しているといわれた。
また1980年代には、ルーフ部分を着脱式にしたコンバーチブルも加えられた。このパーヴィス・ユーレカは日本にも実動車両が存在し、クラシックカーイベントなどで、その姿が見られることがある。
[GAZOO編集部]
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