【連載全13話】第10話 日産ローレル・・・日本生まれの直6エンジン搭載車


昔に比べて少なくなった6気筒エンジン搭載車。そのなかから“ストレートシックス”と呼ばれる直列6気筒エンジンを積んだモデルを週替わりで紹介します。

日産ローレル

その生涯を通じて、方向性が二転三転したアッパーミドルサルーンのローレル。1980年デビューの4代目(C31型)は“アウトバーンの旋風(かぜ)”をキャッチフレーズに掲げた欧州調だったが、セールスが伸び悩んだことから、1984年に登場した5代目(C32型)では“ビバリーヒルズの共感ローレル”とうたい、角張って光り物が多いアメリカンな雰囲気の4ドアセダン/4ドアハードトップボディーをまとうこととなった。クルマの本質とは関係ないが、上級グレードに今日では国際標準となっている電動格納式ドアミラーが世界で初めて採用されたことも記されるべきだろう。

パワーユニットは3種類のガソリンとディーゼル。このうち注目されたのは、新開発のRB20E型(ガソリン)。誕生から20年近くにわたって日産の主力だったL20型に代わる2リッター直6 SOHCユニットで、RBとはレスポンス&バランスを意味するという。カウンターフローで燃焼室がウエッジ型だったL20型に対して、クロスフローでペントルーフ型燃焼室を持ち、カムシャフト駆動にはコッグドベルトを採用。最高出力130PS/5600rpm、最大トルク18.5kgf・m/4000rpm(いずれもグロス値)を発生し、実用域での力強いトルクと高速域での伸びのある加速、そして抜群の静粛性を達成したと主張していた。

ちなみに2リッターのターボユニットも用意されたが、そちらはセドリック/グロリアやフェアレディZに使われていたV6 SOHCのVG20ET型。同一車種に同排気量の直6とV6ユニットが混在していたのだった。1986年のマイナーチェンジでは、RB20E型をDOHC 24バルブ化してターボを装着した直6ツインカムターボのRB20DET型が加えられた。

[GAZOO編集部]

【連載全13話】日本生まれの直6エンジン搭載車

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