【連載全13話】第11話 日産スカイラインGT-R・・・日本生まれの直6エンジン搭載車


昔に比べて少なくなった6気筒エンジン搭載車。そのなかから“ストレートシックス”と呼ばれる直列6気筒エンジンを積んだモデルを週替わりで紹介します。

日産スカイラインGT-R

流行していたハイソカーへの路線変更が裏目に出た通称 7th(セブンス)こと7代目(型式名R31)の反省から、源流たるスポーツセダンに回帰して1989年に登場した、8代目R32スカイライン。ボディーはサッシュレスドアの4ドアセダンと2ドアクーペの2種類に整理され、“超感覚スカイライン”をキャッチフレーズに掲げたR32の最大の話題が、16年ぶりに復活したGT-R(BNR32)だった。

初代と同様にレース参戦を目的に生まれたGT-Rのパワーユニットは、2.6リッター直6 DOHC 24バルブにツインターボを備えたRB26DETT型。2.6リッターという排気量はグループA規定で争われていた全日本ツーリングカー選手権での勝利を目指し、過給係数1.7をかけて4.5リッタークラスとなるよう決定されたもので、自主規制枠いっぱいの最高出力280PS/6800rpm、最大トルク36.0kgf・m/4400rpmを発生。レーシングチューンした場合は600PS以上を発生するポテンシャルを有するといわれた。

使用できるタイヤサイズが限定されるグループAで、その強烈なパワーを無駄なく路面に伝えるために導入されたのが「アテーサE-TS」と呼ばれる電子制御アクティブトルクスプリット型フルタイム4WD。加えて「スーパーHICAS」こと4輪操舵など当時最新のハイテクを満載した電子立国日本ならではのスーパーカーで、絶対的なパフォーマンスはもちろん価格対性能比でも群を抜いていた。レースではもくろみどおり1990年~1993年の国内グループAを完全制覇。余勢を駆って海外にもワークスとして初挑戦し、1991年のスパ・フランコルシャン24時間では総合優勝を飾った。

[GAZOO編集部]

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