【連載全13話】第2話 ランボルギーニ・ミウラ・・・12気筒エンジン搭載の名車特集

電動化の波が押し寄せるなか、その存在が危ぶまれる大排気量の多気筒モデル。今月は、その象徴ともいえる世界の12気筒エンジン搭載車をピックアップ。週替わりで紹介します。

ランボルギーニ・ミウラ

農業用トラクター製造で成功を収めたフェルッチオ・ランボルギーニが、フェラーリに対抗するスーパースポーツ/GTをつくるべく1963年に設立したアウトモービリ・ランボルギーニ。同年に発表したプロトタイプの350GTVは同時代のフェラーリがレーシングスポーツでもSOHCエンジンだった時代に、元フェラーリのエンジン開発者だったジオット・ビッザリーニが設計した3.5リッター60度V型12気筒DOHCユニットを搭載していた。

1964年に登場した初の市販車である350GTと、その発展型の400GTで高級GT市場に橋頭堡(ほ)を築いた後、初めて送り出したスーパースポーツがミウラである。まず1965年のトリノショーに400GT用をチューンした3.9リッターV12 DOHCユニットを横向きにミドシップしたTP400と称するレーシングカーのようなベアシャシーを出展。翌1966年のジュネーブショーで、全高わずか1020mmのベルトーネ製ボディーを架装したミウラP400と名乗る生産型を発表した。これは世界初となるV12ユニットを搭載したミドシップのスーパースポーツで、センセーションを巻き起こした。

3.9リッターのV12ユニットは最高出力350PSにまでチューンされ、最高速度280km/h、0-100km/h加速6.7秒というメーカー公称値は、ロードカーとしては当時世界最速だった。1968年にはエンジンの最高出力を370PSに増強したP400S、1971年には385PSにまで高めたP400SVに発展。ミウラは一説によると1973年までに764台がつくられ、ランボルギーニを絶対的なスーパーカーのブランドに押し上げた。

[GAZOO編集部]

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