第11話 ランボルギーニ・カウンタック5000クアトロバルボーレ…後ろ姿が印象的なウイング付きのクルマ特集
クルマの空力性能を高めるとともに、そのスタイリングの決め手にもなるのがリアウイング。今回は“立派な羽根”を持つことで知られる名車を週替わりで紹介します。
ランボルギーニ・カウンタック5000クアトロバルボーレ
強烈なインパクトを放つ唯一無二の姿で、誕生から半世紀近くを経た今なお、動力性能など超越した次元でスーパーカーの世界に君臨し続ける伝説的モデル。1971年にプロトタイプのLP500がデビュー、1974年に市販型のLP400がリリースされた。デザインを手がけたのは、ベルトーネに在籍していたマルチェロ・ガンディーニ。前方に向かって跳ね上がるシザースドアを持つウエッジシェイプのボディーに、最高出力375PSを発生する4リッターV12 DOHCエンジンをミドシップ。パフォーマンスは最高速300km/hを公称した。
市販モデルをいち早く手に入れた、カナダの石油王でF1チームのオーナーでもあったウォルター・ウルフは、オーバーフェンダーやリアウイングなどを備えたスペシャル仕様の通称“ウルフ・カウンタック”をつくらせた。そのアイデアを市販モデルに反映させたLP400Sが1978年に登場、リアウイングもオプション設定された。このウイングはリアのダウンフォースを増大させるいっぽう、高速時のフロントのリフトを誘発し、最高速度も低下させるなどの弱点もあったが、多くのオーナーはそのルックスから装着を選択した。
エンジンを4.8リッターユニットへと増強したLP500Sを経て、1985年にはさらに5.2リッターに拡大したうえで4バルブ化し、最高出力455PSにまでスープアップした、写真の5000クアトロバルボーレ(QV)へと進化。1988年にはランボルギーニ創立25周年記念モデルにして最終発展型となる25thアニバーサリーをリリースし、1990年まで生産された。
[ガズー編集部]