第12話 ホンダ・インテグラ タイプR…後ろ姿が印象的なウイング付きのクルマ特集
クルマの空力性能を高めるとともに、そのスタイリングの決め手にもなるのがリアウイング。今回は“立派な羽根”を持つことで知られる名車を週替わりで紹介します。
ホンダ・インテグラ タイプR
1993年に登場した3代目インテグラが1995年にマイナーチェンジを受けた際に、3ドアクーペ/4ドアハードトップ双方に追加設定されたホットモデル。タイプRの証しとなる赤地に白のHマーク入りエンブレムがノーズとテールに貼られたボディーは、剛性を高めたうえで大型リアスポイラーなど専用エアロパーツを装着。インテリアは、レカロ製バケットシートやモモ製小径ステアリングホイール、チタン製シフトノブ、専用メーターパネルなどが備わり、レーシングテイストにあふれていた。
1.8リッター直4 DOHC 16バルブVTECエンジンは、専用ピストンやカムシャフトを採用し、吸排気効率の向上、パーツの高精度化、徹底したフリクションロスの低減などにより最高出力200PS/8000rpmを発生。量産車用自然吸気エンジンとしては、当時世界トップレベルのリッターあたり111PSというハイパワーと鋭いレスポンスを達成。5段MTはクロスレシオ化され、トラクション性能を高めるためヘリカルLSDも標準装着された。
ハードサスペンション、ギア比を速めたステアリング、専用の軽量アルミホイールとハイグリップタイヤの装着などシャシーの強化も万全で、レーシングカーに近い俊敏なハンドリングを実現。ライトウェイト級のインテグラをベースに、運動性能を極限まで追求したNSXタイプRのスピリットを受け継いだ究極のFFスポーツというコンセプトを的確に体現していた。
[ガズー編集部]