第13話 ポルシェ959…後ろ姿が印象的なウイング付きのクルマ特集
クルマの空力性能を高めるとともに、そのスタイリングの決め手にもなるのがリアウイング。今回は“立派な羽根”を持つことで知られる名車を週替わりで紹介します。
ポルシェ959
1980年代にポルシェが開発していた、フルタイム4WDをはじめとする先端技術を詰め込んだ、いわば“市販されたエクスペリメンタルカー(実験車)”。リアオーバーハングにフラット6を積む基本レイアウトと2+2ボディーのスタイリングは911に準ずるが、中身はまったくの別物である。
原形は1983年にデビューしたグルッペB(グループB)。その名のとおり、グループBで競われていたWRC(世界ラリー選手権)とWEC(世界耐久選手権)への参戦を目的としたモデルだった。規定変更によりWRC参戦は消滅したが、パリ・ダカールラリーやルマン24時間などへの参戦を通して開発は進められ、1986年に市販型959を正式発表、翌1987年から300台弱が限定生産された。
空力を追求し、リアセクションと一体化したリアスポイラーを備えた複合素材によるボディー後端に積まれたフラット6は、グループCマシンである962C由来の、ヘッドのみ水冷化した24バルブ2850ccで、ツインターボにより最高出力450PSと最大トルク51.0kgf・mを発生。6段MTと画期的な電子制御トルクスプリット式4WDシステムを介して4輪を駆動。0-100km/h加速3.7秒、最高速度317km/hという、当時市販車最速となる圧倒的なパフォーマンスを発揮した。自社のみならず、他社を含めたこれ以降に登場する高性能車に与えた影響の大きさでも、語り継がれる存在である。
[ガズー編集部]
後ろ姿が印象的なウイング付きのクルマ特集
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