第14話 三菱ランサー エボリューションX…後ろ姿が印象的なウイング付きのクルマ特集
クルマの空力性能を高めるとともに、そのスタイリングの決め手にもなるのがリアウイング。今回は“立派な羽根”を持つことで知られる名車を週替わりで紹介します。
三菱ランサー エボリューションX
4代目ランサーをベースに、グループAで戦われていたWRC(世界ラリー選手権)参戦用のホモロゲーションモデルとして1992年に登場したランサー エボリューション(通称エボI)。以後エボII、エボIII……といった具合に、リアスポイラーを生やした4ドアセダンボディー(一時期5ドアワゴンもあり)に2リッター直4ターボエンジン+フルタイム4WDシステムという基本レイアウトは不変のまま、ベースモデルの世代交代を含めて進化していった。
2007年、フルモデルチェンジされた7代目ランサー(国内名称はギャランフォルティス)をベースにデビューした、10代目にして最終世代がエボリューションX(通称エボX)である。最高出力280PS、最大トルク43.0kgf・mを発生する2リッター直4ターボエンジンはエボI以来の進化形ではなく、アルミブロックの新開発ユニットを搭載。変速機は5段MTのほか、先代の6段MTに代わる新開発の6段ツインクラッチSST(2ペダル)を用意。電子制御4WDシステムには、新開発の車両運動統合制御システムであるS-AWCが導入された。
2008年のマイナーチェンジでエンジンを300PSにパワーアップ。その後も年次改良を重ねた末、2015年に5段MT車をベースに内外装を特別仕上げとし、313PSにまでチューンを高めたエンジンを積んだファイナルエディション(写真)を1000台限定販売。これをもって23年にわたるランエボの歴史に幕を下ろすとともに、三菱製セダンの国内販売も終了した。
[ガズー編集部]