第15話 ダッジ・チャージャー デイトナ…後ろ姿が印象的なウイング付きのクルマ特集
クルマの空力性能を高めるとともに、そのスタイリングの決め手にもなるのがリアウイング。今回は“立派な羽根”を持つことで知られる名車を週替わりで紹介します。
ダッジ・チャージャー デイトナ
インターミディエート(中間クラス)のコロネットをベースに、1966年に誕生したスペシャルティーカーであるチャージャー。1968年に早くもモデルチェンジするが、そのNASCAR 1969年シーズン参戦用のホモロゲーションモデルがチャージャー デイトナである。
それまでのチャージャー500の戦闘力不足が空力性能に起因していたことから、ダウンフォースの改善を主眼として、フロントに長さ18インチ(約460mm)のノーズコーン、テールには高さ23インチ(約580mm)の巨大なウイングを装着。V8エンジンは7.2リッターからSAEグロスで最高出力375HP、最大トルク66.3kgf・mを発生する440マグナムが標準で、ヘミヘッドの7リッターから同425HP、同67.6kgf・mを発生する426ヘミがオプション。トランスミッションは双方とも3段ATと4段MTが用意された。ノーズコーンにより全長は5.7mを超え、車重は1.7t弱だったが、426ヘミの4段MT仕様は0-100km/h加速5.7秒、最高速度250km/h超のパフォーマンスを発揮。レース仕様のトップスピードは320km/hに迫った。
1969年につくられた503台のうち、433台は440マグナムを積み、426ヘミ搭載車はわずか70台。440マグナムの大半は3段AT仕様だったが、ヘミでも半数以上の48台が3段ATで、4段MTは22台だけだった。生産はこの年限りで、翌1970年には姉妹ブランドの兄弟車であるプリムス・ロードランナー スーパーバードに切り替えられた。
[ガズー編集部]