【~懐かしのあの愛車時代を振り返る~/1989年出来事編】新しい時代の幕開け!ハイテクが身近な存在に
ハイテクが、その革新性だけにとどまらず消費者の生活の質を向上させてくれることを体感できたこの時代。自動車というパッケージに組み込まれた新技術は、夢と憧れを加速させました。エンタメ分野ではデジタルガジェットによる、その後の「個の時代」を予感させました。
日本車にとってもターニングポイントとなった平成元年
1989年1月7日、当時の小渕恵三官房長官による「平成」の墨書を掲げたシーンから新たな元号がスタートしました。元号には「国の内外にも天地にも平和が達成されるよう」という、おだやかな時代を願う思いが込められていたようですが自動車エンジニアリングにかぎっていうなら群雄割拠の戦国時代。新たなる走りの知見や革新性を各社が競い合うが如くエポックな日本車が多く誕生したのが1989年です。トヨタ・セルシオ、ユーノス・ロードスター、日産スカイラインGT-Rなど名車が続々生まれたことをワインの良作が揃う年に例え「日本車ビンテージイヤー」といわれています。
モバイルゲームの先駆け、ゲームボーイが社会現象に
80年代前半、ファミリーコンピュータをメガヒットさせた任天堂。そのモバイル版というべき存在が1989年に生まれたゲームボーイでした。先見の明だったのは通信機能を備えていたこと。対戦型テトリスとゲームボーイ本体のセット販売や、マリオシリーズなど人気ファミコンソフトを移植、1万円を超える強気の価格ながら世界で1億台を超える人気機種になり子どもたちの遊びのカルチャーを大きく変えました。のちに筐体のサイズを小さくしたポケット版やカラー液晶版、外板色の違いなどバリエーションを拡大。のちのガラケーやスマホが歩んだ道を思わせるような進化を遂げていました。
スケールアップした東京モーターショーは成熟期へ
1989年の第28回東京モーターショーは、1959年から長らく親しまれてきた東京・湾岸地域の晴海の国際見本市会場から、千葉県・幕張メッセへと開催場所を移しました。東京都内からの距離は遠くなりましたが、会場内は展示面積も広くとられ改善された導線により圧倒的に観やすいショーへと変貌しました。トヨタ4500GTやホンダNSXなど新たなスポーツカーの胎動を匂わせるアイコニックなコンセプトカーは多くのファンを興奮させ、こけら落とししたばかりの真新しい会場の集客効果も手伝って、前年比150%に迫る多くの入場者が集いました。翌々年開催の第29回東京モーターショーでは、歴代最多の入場者200万人超えを達成しました。
イラスト:加藤 浩哉
ライター:畑澤 清志
[ガズー編集部]
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