【懐かし自動車ダイアリー】1976年(昭和51年)~クルマで振り返るちょっと懐かしい日本
- スズキ・フロンテ7-Sカスタム
1976年(昭和51年)| 自動車 ~ 軽自動車と女性用オートバイの販売が好調
日本のモータリゼーションの進展を支えてきた軽自動車は、交通事情や排ガス規制の変化に対応することが難しくなっていた。運輸省は規格の改定を決定する。従来360cc以下と定められていた排気量は550cc以下にまで引き上げられた。排ガス規制をクリアしつつ十分な動力性能を確保するのは難しいと考えられたからである。ボディーサイズの制限も全長×全幅×全高が3000×1300×2000mm以下から3200×1400×2000mm以下にまで拡大された。
自動車メーカーは新規格を受けてモデルチェンジを発表。スズキ・フロンテ7-Sやダイハツ・フェローMAX550などが発売される。実用性を向上させたことで、低迷していた軽自動車販売は回復に向かった。
オートバイの分野でも大きな変化があった。ホンダが発売したロードパルが女性に大ヒット。低価格と使い勝手の良さが支持され、CMでソフィア・ローレンが発した「ラッタッター!」というフレーズが愛称になった。ヤマハとスズキもよく似たコンセプトのモデルを投入し、「ファミリーバイク」「ソフトバイク」の販売競争が激化する。
10月に富士スピードウェイでF1世界選手権イン・ジャパンが行われた。日本でモータースポーツ最高峰のレースが開催されるのは初めてのこと。日本人ドライバーもスポット参戦して注目を集めたが、翌年に死亡事故が起きて中断。復活したのは1987年だった。
1976年(昭和51年)| 世相と文化 ~ 炭鉱が閉山し、ビデオ戦争が始まる
旅客機受注をめぐる汚職疑惑のロッキード事件が発覚。国会では連日証人喚問が行われ、一部始終がテレビ中継された。国民の関心は高く、“記憶にございません”“灰色高官”“ピーナツ”などが流行語に。田中角栄前首相が逮捕される事態に政界は混迷を極め、自民党から離党した議員が新自由クラブを結成。三木首相が退陣して福田赳夫内閣が発足する。
エネルギーの主流が石油に代わり、1950年代後半から石炭産業は衰退。日本一の産出量を誇っていた筑豊炭田も規模縮小が進み、この年に貝島炭鉱が閉山して完全に操業を停止した。
先行していたソニーのベータマックスに対抗し、日本ビクターがVHS規格の家庭用ビデオデッキの発売を開始。松下電器やシャープなどもVHS陣営に加入して2つの規格が並立して争いを繰り広げた。当初はベータマックスがシェアを伸ばしていたが、1980年代に入ると性能・販売の両面でVHSが優勢に。業界を二分したビデオ戦争だったが、DVDが登場するとビデオテープの時代は終わる。
ピンク・レディーがミニスカートで踊りながら歌った『ペッパー警部』が大ヒットし、ドラッグや性行為をフラットに描写した村上 龍の『限りなく透明に近いブルー』が芥川賞を受賞してベストセラーに。どちらにも眉をひそめる人々はいたが、時代の移り変わりを感じさせた。
プレイバック1976年(昭和51年)
- ★アカデミー賞
- 『ロッキー』
- ★NHK朝ドラ/大河ドラマ
- 『雲のじゅうたん』『火の国に』/『風と雲と虹と』
- ★日本レコード大賞
- 『北の宿から』都はるみ
- ★日本ダービー馬
- クライムカイザー
[ガズー編集部]
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