【懐かし自動車ダイアリー】1974年(昭和49年)~クルマで振り返るちょっと懐かしい日本
- 初代フォルクスワーゲン・ゴルフ
1974年(昭和49年)| 自動車 ~ 日本の自動車輸出台数が世界一に
世界中の自動車に大きな影響を与えることになる小さなクルマが誕生した。超ロングセラーのタイプ1(ビートル)に代わるモデルとして作られたフォルクスワーゲン・ゴルフである。丸いボディーだったビートルとは対照的に、平面で構成されたコンパクトなハッチバックスタイル。RR(リアエンジン・リアドライブ)方式のビートルに対し、横置きエンジンのFF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式を採用していた。ゴルフはコンパクトカーのお手本的存在になり、他の自動車メーカーからも同様のパッケージングを採用したモデルが続々と誕生する。
日本の自動車輸出台数が、この年初めて西ドイツを抜いて世界一に。日本経済の成長を支えていたのが自動車産業だった。トヨタ・カローラが乗用車のブランド別年間生産台数で初の世界一になった年でもある。
11月にいすゞが発売したジェミニは、GMとの提携で生まれたモデルだった。「Tカー」という世界戦略車構想の一環で、オペル・カデットをベースに作られている。アメリカではシボレー・シェベットという名の兄弟車が販売されていた。
韓国のヒュンダイが初の独自モデルとして発表したポニーは、三菱との技術提携によって開発された。日本の自動車メーカーは、世界的な産業構造の動向と密接に結びついて発展していく。
1974年(昭和49年)| 世相と文化 ~ 政治家と人気野球選手が表舞台から去る
前年のオイルショックは世界中の経済に衝撃を与え、日本も悪影響は避けられなかった。GNPは戦後初のマイナス成長を記録する。列島改造ブームでインフレが加速し、消費者物価指数の上昇率は20%を超えて狂乱物価と呼ばれた。繊維不況が深刻化する中でインフレが進むスタグフレーションの状況となり、庶民の生活は苦境に陥る。
暗い空気の中で世間に広がったのがオカルトブーム。ユリ・ゲラーの来日がきっかけになって超能力に注目が集まり、子供たちはスプーン曲げに熱中する。コックリさんや催眠術も流行した。
日米の政治家が相次いで表舞台を去った。ウォーターゲート事件の発覚で追い詰められたニクソン大統領は、弾劾勧告の決議が可決されたことを受けて8月に辞任。日本では『文藝春秋』が火をつけた金脈問題が引き金となり、田中角栄首相が12月に退陣した。彼は2年後にロッキード事件に絡む受託収賄罪などの疑いで逮捕されるが、その後も政界に隠然たる力を持ち続ける。
プロ野球では“ミスター”の愛称で親しまれた長嶋茂雄が現役を引退。巨人のV10はならず花道を飾れなかったが、すぐに監督に就任して指導者の道を歩む。
プレイバック1974年(昭和49年)
- ★アカデミー賞
- 『ゴッドファーザー PART II』
- ★NHK朝ドラ/大河ドラマ
- 『鳩子の海』/『勝海舟』
- ★日本レコード大賞
- 『襟裳岬』森進一
- ★日本ダービー馬
- コーネルランサー
[ガズー編集部]
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