【懐かし自動車ダイアリー】1979年(昭和54年)~クルマで振り返るちょっと懐かしい日本
- スズキ・アルト
1979年(昭和54年)| 自動車 ~ 日本でもF1でもターボが大活躍
「アルト47万円」 シンプルでストレートなキャッチコピーは強烈な印象を残し、大ヒット。驚異的な低価格を実現できたことには、当時の税制が関係している。軽乗用車には15%を超える物品税が課されていたが、商用車はゼロだったことにスズキは目をつけた。あまり使用されない後席を簡素化し、実質2人乗りという割り切りで徹底的なコストダウンを図ったのだ。「軽ボンネットバン」と呼ばれたジャンルに他メーカーも参入することになるが、税制改正によってうまみがなくなると消滅した。
ヨーロッパで広がっていたターボ化の動きが日本にも波及。日産が12月に発売したセドリック/グロリアは日本の量産車初となるターボエンジンを搭載していた。高出力車の出現を警戒する運輸省はターボに冷淡だったといわれるが、排気エネルギーを利用するのは効率がいいという理由で認可を獲得した。
2リッター直列6気筒SOHCターボエンジンは自然吸気より15psアップの145psという最高出力を得ており、ハイパワーを望むユーザーから歓迎された。この年、F1ではルノーがターボ車初の優勝を飾っている。
新たなモータースポーツも始まった。第1回パリ・ダカールラリーが開催され、12月26日にパリを出発。翌年の1月7日にかけて参加車両167台が砂漠を走り抜けた。
1979年(昭和54年)| 世相と文化 ~ 第2次オイルショックで石油消費削減がテーマに
1月にイランのパーレビ国王が国外に亡命。アメリカの支援を受けて進めた近代化路線に国民が反発し、デモやストライキで激しく抵抗したからだ。国外にいたホメイニ師が帰国し、イスラム共和国が樹立される。原油生産が停止したことで日本では石油の供給が間に合わなくなり、ガソリンスタンドが日曜・祝日に休業するなどの影響が表れた。第2次オイルショックは世界的なエネルギー危機を引き起こし、6月に日本で初開催されたサミットでは石油消費削減が重要なテーマとなった。
3月にアメリカのスリーマイル島で原子力発電所の事故が発生。原発事故を扱った映画『チャイナ・シンドローム』が公開された直後でもあり、石油代替エネルギーとして期待された原子力に疑問を投げかけることに。12月には政情不安が続いていたアフガニスタンにソ連が侵攻を開始。10年にわたって泥沼の戦闘が続く。
7月にソニーが発売したウォークマンは、録音機能とスピーカーを省いて、音楽を聴く機能に絞った画期的な製品。街を歩きながら音楽を楽しむというスタイルが若者から支持された。NECは9月にPC-8000シリーズの第1弾となるPC8001を発売。国産パソコンの代表的機種に成長していく。
エズラ・ヴォーゲルの著書『ジャパン・アズ・ナンバーワン』がベストセラーに。日本人の学習意欲を絶賛するとともに日本的経営を高く評価していて、経済的な成功を収めながらも自信を持てなかった日本人は有頂天になった。
プレイバック1979年(昭和54年)
- ★アカデミー賞
- 『クレイマー、クレイマー』
- ★日本アカデミー賞
- 『復讐するは我にあり』
- ★NHK朝ドラ/大河ドラマ
- 『マー姉ちゃん』『鮎のうた』/『草燃える』
- ★日本レコード大賞
- 『魅せられて』ジュディ・オング
- ★日本ダービー馬
- カツラノハイセイコ
[ガズー編集部]
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