[S耐のスーパーな人]Vol.2 尾崎智史チームオーナー 金は出すけど口ださない、真のクルマ好き

「レース界のお父さん」福山英朗さんからS耐のスーパーな人としてご紹介をして頂いた、テクノファーストの尾崎智史チームオーナ(51歳)に迫っていきます。

2021年S耐参戦34号車のジネッタ

テクノファーストは、今季のS耐ではST-ZクラスにジネッタG55 GT4で参戦していますが、ST-3クラスでフェアレディZやレクサスRC350などで参戦していた老舗チームです。2020年はコロナ禍のため参戦を見合わせていましたが2021年は復帰。クルマはジネッタというイギリスのスポーツカー製造メーカーのFIA GT4規格のレーシングカーであり、S耐では唯一のクルマ。ドライバーは田中優暉、安田裕信、山田真之亮という豪華な面々です。

GAZOO編集部
「福山英朗さんは、尾崎智史さん(以下尾崎さん)は、自分でレースカーに乗ろうともせず、オーナーを務める(多分、お金だけ出すという意味)レースをこよなく愛する凄い人と言われました。そもそもクルマは好きなんですよね?」 (本当に失礼な質問ですいません)

尾崎さん
「兄の影響もあり、クルマバカと言われるぐらい大好きですよ。18才になると直ぐに免許取得して、草レースに参加したり、六甲などを乗り回して遊んでいましたね。沢山のクルマに乗ってきましたよ。310サニーとかは良かったな。今考えると凄い遅いんだけどね」

GAZOO編集部
「クルマ好きなんですね!レース参加のきっかけはなんですか?」

尾崎さん
「草レースにでていたので、クルマのメンテナンスを業者に見てもらっていました。でもお金かかるんですよ。自分でもできるんでは?ということで自分のクルマのメンテナンスを始めたのが、チームとしてレースに参加する布石ですかね」

GAZOO編集部
「ドライバーとして参戦していたのですか?」 (事前に調べておけよとつっこまれそうです)

尾崎さん
「はい!チームオーナーは兄で、自分がドライバーでした。シルビアのワンメイクレース、日産ザウルス・カップ(SAURUS)、F4など色んなものに参戦してましたね」

尾崎さんの参戦状況をググってみたら……
1992年から2000年まで沢山の各種レースに参戦しています。本業は別にあると聞いてますが、その合間に時間を惜しんでの参戦。2足のわらじで、大好きなレースに打ち込んできた「スーパーな人」です。

GAZOO編集部
「尾崎さん自身は2000年にレース参戦をやめてますが、その後の今に至る経緯を教えてください」

尾崎さん
「実は、本業が忙しくなりすぎて参加する余裕がなくなったんですよ。そんな中でも兄(故・尾崎裕史氏)は本業掛け持ちでチームオーナを続けていました。アルテッツァのワンメイクレース(ネッツカップ)への参戦など、今ルーキーレーシングのドライバー佐々木 雅弘選手は兄のもとで2005年にチャンピオンを獲っているんですよ。そして2007年に兄が突然の他界。その頃は本業が少し落ち着いてきていたので、チームに戻ることを決断しました。」

  • グリッドで佐々木選手とお話する尾崎さん。取材中も過去にテクノファーストに所属したドライバーが挨拶に見えられてました。

GAZOO編集部
「今はドライバーとしてシートに座ってませんが・・・何故参戦し続けるのですか?」

尾崎さん
「オーナーとして若いドライバーを育てたいんですよ。先ほど話した佐々木選手とかね。彼はそう思ってないかもしれないけど(笑)。だからSUPER GTにステップアップするとかは考えてないんですよ。現実的には、資金面でも無理でしょうし。もちろんS耐でもコスト的には大変だけど、好きだから続けられるんですよね。ただ、テストでは自分もレースカーに乗って少し楽しんでます。2周ぐらいが限度ですけど……。ちなみに作戦などはチーム監督に任せてあります」

レーシングスーツ姿も凛々しい尾崎さん
(テクノファーストレーシングチームブログから引用https://ameblo.jp/techno-first/entry-11313167690.html

GAZOO編集部
「S耐のどんなところが好きなんですか?」 (ベタですけど大事な質問です!)

尾崎さん
「S耐は、チーム間、そして選手間もギスギスした感じがなくチーム間の交流もあり、いい感じなんですよ。でも、レースはマジ真剣に戦う。プロレーサーも多く参加してますが、いろいろな方が参加しやすいレギュレーションがあるので、ジェントルマン、若い子、皆が遊びながら真剣にバトルできる環境になっていますね。例えば、レースに興味あるよというジェントルマンがある程度の経験を積めば走れる場にもなってますからね」

GAZOO編集部
「クルマ好きのGAZOO読者に一言お願いします」

尾崎さん
「是非、愛車をサーキットで走らせてください。最近は高馬力なクルマが多くなり、その性能を十分に楽しむにはサーキットしかありません。そして、サーキットで走ると楽しさが違うし、高いスピードレンジでの運転を体験することにより、運転が上手くなり、街中の運転では視野も広がり余裕ができます。結果、安全になり事故も減ると思いますよ」

GAZOO編集部
「貴重なお話の数々ありがとうございました。それでは最後に、尾崎さんが選ぶS耐のスーパーな人をご紹介していただけませんか?」

尾崎さん
「影山正美さんかな。レジェンド過ぎる? 理由は、自分も兄弟でレースをやってきましたが、だからこそ、影山兄弟、あの二人はあこがれなんです」

クルマ大好き、だからレースに打ち込んできた尾崎さん。クルマを運転するのは大好きなので、チーム代表としてレースにドライバーとして参戦したいと言えば、速いドライバーだしNOと言う人はいないことでしょう。しかし、そんなことは微塵も考えておらず、自分は、縁の下の力持ちとして、選手を育てレース業界を支えていくんだという想いを抱いていらっしゃいます。「スーパーな人」尾崎さんの才能、そして考え方に嫉妬してしまいそうでした。

  • テクノファースト チーム代表の尾崎さん

次回は影山正美選手へのインタビューをお届けします。お楽しみに!

(GAZOO編集部 文:岡本淳 編集:山崎真 写真:山崎真/岡本淳)