交差点で安全に右折するコツ(クルマの運転 苦手克服)
大きな交差点での右折は危険がいっぱい。対向車だけでなく、歩行者や自転車の動きも見極めなければなりません。安全確認の項目が多いので、ドライバーは大忙し。慣れた人でも「行ける」と思って右折した先に、自転車が急に横断してきて、そこに対向車が来てしまって……なんて経験はありませんか?
右折の鉄則は、確実に曲がれることがわかるまで焦らずに待つこと。確認を怠らなければ、交差点も怖くありません。今回はスムーズに右折するコツをご紹介します!
ステップ1 ウインカーは早めに! クルマはセンターラインと平行に止める
- まずは早めのウインカーで周囲に右折の意思を伝えること。クルマは必ず、センターラインと平行に止めましょう。
基本的なことですが、ウインカーを早めに出すことが大切です。右折する意思があることを後続車に知らせれば、追突される危険を避けることができます。目安としては曲がる交差点の30メートル手前でウィンカーを出すのが理想ですが、流れの速い幹線道路などでは、もっと早めでも構いません。重要なことは、ブレーキを踏む前に右折の意思を伝えることです。
続いて、センターラインに寄せて平行にクルマを止めてください。斜めに止めているクルマを見かけることがありますが、後続車にとってはジャマになりますし、万が一追突された場合に対向車線に飛び出してしまう恐れがあります。だから、ハンドルも真っすぐにしておかなければなりません。
ステップ2 対向車、自転車、歩行者の動きを見極め、少しずつ前進して右折の意思を見せる
- 少しずつ前進して自車の存在をアピール。同時に対向車や歩行者の有無を確認し、そのまま右折できるのか、そこで待つべきかを見極めてください。
ハンドルを切りながら少しずつ前進し、周囲に自分のクルマを見せて右折の意思を示します。同時に、対向車線の直進車を観察。スピードによって交差点に到達するまでの時間が変わりますから、動きを見極めましょう。
対向車線側にも右折車がいる場合、直進車が見えにくくなるので特に注意が必要です。2車線以上の広い道路では、クルマの陰をオートバイが走行している可能性も考えてください。
対向車が途切れても、横断歩道に歩行者や自転車がいる時は待機していなければなりません。横断歩道の手前で停車すると、対向車の道をふさぐ形になってしまいます。もちろん、渡ろうとしている人がいるのに先に曲がってしまおうとするのは言語道断です。
ステップ3 交差点内を斜めに突っ切るのは禁物。中心のすぐ内側を通るイメージで
- 右折の際、交差点を斜めにショートカットするような走り方は禁物。多少大回り気味に、交差点の中心付近を通るイメージで曲がってください。
対向車が途切れ、自転車や歩行者がいないことが確認できたら、速やかに右折しましょう。この時、交差点内を最短距離で曲がろうとしてはいけません。すぐにハンドルを右に切るのではなく、少しずつ切り増して交差点中心のすぐ内側を通るようにしてください。
斜めにショートカットすると、突然自転車が飛び出してきたりした時に見えにくいですし、大回りしたほうが、右折した後にスムーズに直進できます。道路にガイドラインが引かれている時は、それをトレースするように走るのも安全に曲がるコツです。右折が怖くなくなれば、ドライブがもっと楽しくなりますよ!
ワンポイントアドバイス
「だろう運転」はダメ、絶対。「かもしれない運転」を心がけて
- 「トラックの陰にバイクがいるかも」「黄色信号で対向車が突っ込んでくるかも」など、運転中は常に危険を想定するよう心がけてください。
運転中は、自分の都合のいいように物事を考えがち。右折の際も、つい「黄色信号だから対向車は止まるだろう」「歩行者が渡り始める前に曲がれるだろう」などと想定してしまいます。これが、いわゆる「だろう運転」です。
でも、これは確証のない勝手な判断です。対向車のドライバーや歩行者の考えていることはわかりませんから、最悪の事態を想像することが必要です。「黄色信号でも対向車が突っ込んでくるかもしれない」「トラックの陰にオートバイがいるかもしれない」と考え、安全を最優先しましょう。「かもしれない運転」は、右折に限らずどんな時でもドライバーが守るべき心得です。
※ 2020年 内容の一部を訂正しました。
【監修・解説者】
ドライビングエキスパート
(トヨタの元テストドライバー)
滝本 良夫(たきもと・よしお)
約40年にわたりトヨタの運転技術指導員として活躍しながら、車両実験部でハイエース、ダイナ、コースターなどの商用車系開発の実験および商品監査に携わる。2014年に定年退社。
[ガズー編集部]
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