WRCマシンのエッセンスを注入した走行性能とコンディションの良さが自慢の北米仕様セリカGT-FOUR (ST165型)【全国ST16ミーティング】

「高速移動が快適そう」という印象に加え、購入当時は格安だったという理由から母親の足グルマとして購入したのがそもそものキッカケだったというST165型セリカGT-FOUR。しかし、たまに借りて乗ってみると想像していた以上に良いクルマだったため、すっかり気に入ってしまったというオーナーの越田さん。そして7年前に、自分用のセリカGT-FOURを購入してしまったのだという。しかも、チョイスしたのは北米仕様の『TOYOTA CELICA turbo All-trac』だ。

「最初は自分の愛車として1回乗ってみたいな〜くらいの気持ちだったのですが、すっかり気に入ってしまっています。もともとはミッドシップやリヤエンジンのクルマが好きで、トヨタMR2やポルシェボクスターを乗り継いできました。現在はこのST165のほかにポルシェ911GT3(996)も所有しています。それもあって、駐車場や操作面でポルシェと乗り換えたときにラクな左ハンドルを探していたところ、並行輸入されたこの1987年モデルが見つかったので、中古で購入しました」と、越田さんは購入の経緯を説明してくれた。

ST165型セリカGT-FOURは、トヨタが初めてWRCにフル参戦した記念すべきモデル。その背景にはWRCが1987年シーズンからおこなった規定変更がある。モンスターマシンが競い合っていたグループB規定から、市販車ベースのグループA規定へとベースマシンが変更されたのだ。
FFモデルとなったT160系セリカをベースとしたフルタイム4WDは、まさにこの規定変更後のWRC参戦に向けて開発されたもの。5000台のホモロゲーション規定を満たした88年のツール・ド・コルスでデビューを果たし、89年のオーストラリア戦でJ・カンクネンが初優勝を飾っている。
そしてST165の名を世界に知らしめたのがスペイン人ドライバーのC・サインツ。FRのような鋭いパワースライド走行を武器とし、みごと90年に日本車初のドライバーズタイトルを獲得したのである。

ディープなWRCファンの方なら気付いただろうが、越田さんのST165はそんなWRC参戦車をイメージしながらカスタマイズを施したものだ。そのこだわりを示しているのが『・422』のナンバープレートで、この番号は91年のツール・ド・コルスでC・サインツが乗った車両とおなじものとなっている。このほかエクステリアでは、リヤのコンビネーションランプのほか、車名デカールやリヤガーニッシュをヨーロッパ仕様に変更しているのもポイントだ。

※ナンバーの写真掲出はオーナーさまのご了承をいただいております

ホイールやタイヤのチョイスも、もちろん当時のワークスマシンに準じたものとなっている。ホワイトのディッシュデザインホイールはOZ Racing製のラリーレーシングで、サイズは前後とも7J×16。前後205/45ー16サイズのピレリP Zeroにはサイドウォールにロゴペイントを施して雰囲気を高めている。サスペンションはビルシュタインベースのエナペタル製に交換している。

オドメーターは現在20万kmを超えているが、オイル消費が多くなってきたのをキッカケに、エンジンは16万kmのときにオーバーホールを施している。その際にカムシャフトを作用角が大きい3SーG(自然吸気)純正品に変更し、TVISを取り外しているのもこだわりポイント。ドライブトレインも歴代モデルの良いとこ取りでファインチューンを施していて、ミッションはST185RC用、クラッチはST205用と社外軽量フライホイールの組み合わせ。リヤのLSDはTRD製を装着している。そのほかマフラーは純正品が経年変化で錆びてしまったので、錆びにくいステンレス製のST205純正品に変更している。

ST165セリカGT-FOURの魅力は、路面状況が手に取るようにわかるステアリングインフォメーションだという越田さん。それは、所有するポルシェと比較しても決して劣らないものなんだそうだ。走りを満喫するためのインテリアも驚くほどのグッドコンディションを保っていて、メーターは国内走行に合わせてkm表示タイプに変更。そのほかの変更点はステアリングをナルディ製にしているくらいとなっている。

新車のようなコンディションは、苦労の末にたどり着いたもの。これまででもっとも苦労したのはサビによる窓枠の腐食で、一度塗装を剥がしてサビを落としたうえで全塗装を施したという。
現在はエアコンが不調となっているが、コンプレッサーなどリビルドパーツは手に入らないため修理するしかないのが悩み。他の旧車と同様に部品の調達は大変だが、なじみのディーラーによる力強いサポートに支えられながら「乗れるかぎり乗り続けたい!」と、宣言してくれた。

(テキスト:川崎英俊/ 写真:平野 陽)

[ガズー編集部]

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