トヨタ ランドクルーザー プラドが叶えてくれた、愛犬との濃密なデュアルライフ

神奈川県横浜市にある市民公園を2頭の大型犬と散歩を楽しむ女性。フリーランス編集者の手島早苗さんはもう25年も犬との暮らしを楽しんでいる。現在の愛犬は、ゴールデンレトリバーのリアンちゃん(12歳)と、ミックスのウランちゃん(6歳)。

「2頭とも保護犬を引き取りました。ウランは生まれたばかりの時に段ボールの中で捨てられていたんです」

しばらく散歩を楽しむと、2頭は手島さんの大きな愛車に乗り込む。2017年に新車で買った現行型トヨタ ランドクルーザー プラドだ。

今は世界的なSUVブームだが、多くの人は乗用車に近いクロスオーバーSUVを選んでいる。なぜ手島さんは本格的SUVであるプラドを選んだのか。

「このクルマは主人が選びました。たぶんディーゼル車に乗りたかったのだと思います。タイミングを逃すとそのうちディーゼル車に乗れなくなるかもしれないと思ったようですね。あとは私たちの趣味を楽しむ上で、最低地上高が高くて4WD性能が優れていることは絶対条件でした。購入前は主人と『プラドなら車中泊も楽しめるね』と話していました。結局納車されてからまだ一度も車中泊はしていませんが」

犬と暮らすようになってから手島さん夫妻は外で犬を思い切り遊ばせてあげるため、週末にアウトドアレジャーを楽しむようになった。友人に誘われキャンプにも挑戦したが、高規格キャンプ場だと限られたスペースしか使うことができず、子どもを含めたくさんのお客さんがいるから犬は自由に遊べない。それならと夏は日帰りで川や湖に出かけ、犬と一緒に遊んでいた。

ところが15年ほど前に、ベテランキャンパーである友人の紹介で長野県にある会員制のキャンプ場を紹介された。そこは飼い主の責任において、広大なキャンプ場の中をノーリードで犬と一緒に過ごすことができる場所だった。

「犬たちが楽しそうに遊んでいるのを見て、私たちもその場所がすごく気に入り会員になりました。最初はテントライフを楽しんでいましたが、ここには広い敷地の一角に自費でキャビン(バンガロー)を建てられるスペースが用意されていたのです。何度も通いたくなるキャンプ場だし、犬たちもお気に入りの場所。毎回テントを設営~撤収するのは大変だから、私たちもキャビンを建てることにしました」

もともとご主人は走り好きで、結婚当初は“猫足”が人気だったプジョー 309GTIでドライブを楽しんでいた。その後ゴルフを始め、ゴルフバッグを4つ楽に積めるフォルクスワーゲン ゴルフワゴンとアウディ A4アバントを乗り継いだ。

A4アバントに乗っている頃にアウトドアライフを楽しむようになったが、2WDで最低地上高も低かったことから湖畔などで何度かクルマをスタックさせてしまったという。また、広大な芝生が広がるキャンプ場は土が柔らかいため雨が降ると地面がぬかるんでしまう。2WDだと駆動輪がぬかるみにはまるとアクセルを踏んでも身動きが取れなくなってしまうことがあるのだ。

また、未舗装のキャンプ場には案外段差が多いため、最低地上高が確保されていないステーションワゴンだと下まわりをぶつけてしまうことも。

もちろん4WD車なら雪遊びをする際も安心できる。これからはキャンプ場への往復が生活の中心になる。それならと4WDのSUVである初代 三菱 アウトランダーに乗り換えた。

「クルマを選ぶ際にデザインを最優先する人も多いと思いますが、私たちは機能を重視しています。ワゴンに乗っていた頃はゴルフバッグを積めることがマストでしたし、アウトランダーは4WD性能を重視して選びました」

そして手島さん夫妻のもう一つのこだわり。それは“手に入れたクルマをとことん使う”こと。

「長野までの往復が多いので、年間走行距離は2万km弱。あっという間に10万kmを超えてしまうんですよね。だから頻繁に買い替えるのではなく、これ以上乗ると修理代が高くつくというところまでは乗り続けられるクルマを選びたいねと話しています。犬が車内をひっかいてしまったり、抜け毛や臭いの問題もあるからどうしてもペットを乗せていたクルマは下取り価格が落ちてしまうということもありますし」

手島さんが通うキャンプ場は毎年11月からゴールデンウイークまでの期間、水道が凍結するためクローズされる。その時期はキャンプ場で知り合った愛犬家たちとスノーシューなどウインタースポーツを楽しんでいる。アウトランダーも雪山に強いクルマだったが、プラドの4WDはそれ以上に安心感があるそうだ。

4WD性能を最優先して選んだ分、大変なこともある。プラドは屈強なラダーフレーム構造のためモノコック構造のSUVに比べると室内フロアが高い。そのため、荷室に重い荷物を積むのは大変。犬たちもよいしょという感じでクルマに乗り込んでいる。ボディが大きいからショッピングセンターの駐車場などでは隣のクルマにドアをぶつけないように気を遣う。理想はコンパクトカーとの2台持ちだというが、それはできないので、自分たちは犬とのアウトドアライフが生活の中心と割り切った。だからプラドにはとても満足しているという。

都会と大自然を往復するようになってから、心にある余計なものがそぎ落とされるのを感じているという手島さん。週末は何もない自然の中で大好きな犬と過ごす時間を楽しむことで気持ちがリセットされ、週明けからまた新たな気持ちで仕事に励むことができる。

もちろん愛犬と暮らすようになったことで犠牲にしていることもある。たとえば犬を飼うようになってからは長期の海外旅行には出ていない。国内旅行でも旅先で日影がないからとレストランに入るのを諦めることも多いそう。旅の荷物も人間だけの時とは比べ物にならないくらい増えた。

「でも、それを苦労とは思わないくらい、大きな楽しみがありますからね。犬は私たちが知らなかった世界に連れて行ってくれたのだと思います。都会と自然を往復するような暮らしは犬たちがいなかったら絶対に経験しなかったでしょうから」

“疲れた犬はいい犬だ。”
愛犬家の間ではこのように言われているそうだ。
自然の中で全力で遊び、疲れたらいたずらもせず、スイッチが切れたようにぐったりと寝る。これは犬にとって幸せの証。「そんな姿を見たいからクルマを走らせて自然の中に出かけているのかな」と手島さんは笑う。

「次に選ぶクルマのことを考えたことはありませんが、4WD性能を落とすことはできないでしょうね。一度高画質の大型テレビを手にしたら、画質の劣るテレビには戻れないのと同じです。ただ、次は安全装備が今以上に充実したクルマを選びたいと思います。私たちが買い替える頃は、きっと今以上に機能が進化しているでしょうから」

2年半前に購入したプラドの走行距離は、現在約4万km。まだまだこのクルマで犬との暮らしを楽しむつもりだ。

取材・文/高橋 満(BRIDGE MAN) 撮影/柳田由人

[ガズー編集部]

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