大叔母が40年乗り続けた二代目フェアレディZターボを受け継ぎ、これから始まる夢のZライフ
1969年のデビューから1978年までの10年間に、全世界で55万台という販売数を誇った初代フェアレディZ(S30)。排ガス規制やオイルショックというスポーツカーにとって逆風が吹き荒れる時期にこれだけの台数を販売した初代モデルに続き、1978年に二代目モデルとして登場したのが、ここに登場するS130型となる。
大成功した初代のイメージを見事に踏襲しつつ、ボディサイズを拡大すると共に、1970年代に入って求められるようになったパワーステアリングやパワーウインドウ、エアコンなどの快適装備の装着を備えるようになった二代目。
スパルタンなライトウエイトスポーツというキャラクターだった初代に対し、二代目は快適装備とラグジュアリー感を有したグランドツアラー的な性格に変更。そのキャラ変が功を奏し、主要マーケットとなる北米市場では、初代を上回る販売台数を誇ることになった。
一方、日本国内では初代ほど販売台数は多くなく、販売年数が短かったこともあって、現在ではS130の現存台数も初代に比べて圧倒的に少ない状況となっている。
北米と比べて2名乗車というスポーツカーに対するハードルが高かった上に、当時のスポーツカーを愛車にするようなクルマ好きの多くは、スポーツカーに快適装備や豪華さを求めていなかったという事情も影響していると思われる。
しかし時代が進み、現在ではスポーツカーでも快適装備はマストであり、ラグジュアリー感も求められるようになった。つまり、それらを有していたS130の価値は、その残存数の少なさも手伝って、現在ではより高くなっているのだ。
実際、富士スピードウェイで行われた今回の取材先である『ADVANオールフェアレディZミーティング2024』の会場でも、歴代Zの中でS130の参加車両は少なかった。しかし、そんな少ない台数のS130の中に、非常に美しい状態を保つ1台を発見。現在、仮のオーナーとなっているお父上と、間もなく免許を取得して本オーナーとなる予定だというご子息が乗ってこられた1983年式のフェアレディZターボがそれだ。
仮のオーナーに本オーナーと少しややこしいので、まずはお父上に詳しい話を伺った。
「このS130は自分の叔母が新車から乗っていたクルマなんです。高齢となり手放すというので、昨年譲ってもらうことになったんですよ。自分も若いころS13シルビアや180SXに乗っていたので、旧い日産のスポーツカーが好きなんですが、このS130に食いついたのは息子の方だったんです。当時、息子はまだ高校生だったので、ひとまず私名義に名義変更して、息子が免許を取ったら譲り渡すということになっているんですよ」
お父上の叔母様が、このフェアレディZターボを手に入れたのは1983年のこと。当時の勤め先に訪問販売に来た東京日産のセールスマンから勧められて買ったそうだ。まだ女性ドライバーが圧倒的に少なかった時代に二人乗りのスポーツカーであるフェアレディZを愛車として選んだ叔母様は、当時もそして今も小洒落た、そしてアクティブな方だそうだ。
「親戚が集まる時に、叔母さんがフェアレディZに乗ってきていたんです。カッコいいなぁと、その頃から思っていましたね」
現在、自動車学校で免許取得中の息子さんは、小さい頃にも大叔母さんとその愛車のS130を見た記憶はあるそうだが、興味をもったのは昨年、大叔母さんがS130を手放すという話が出てからだそうだ。お父さんがクルマ好きということもあり、クルマに興味がなかったというわけではない。
「父がインプレッサWRXに乗っている時があって、インプレッサやそのライバルのランエボが好きなクルマでした。フェアレディZは、もちろん名称は知っていましたけど、大叔母さんのクルマが2代目フェアレディZだと認識できたのは去年。クルマを見てからSNS等でS130を調べてからなんです」
そんな息子さんだったのだが、S130のスタイリングを目の当たりにすると、一目惚れ。当時はまだ高校生だったが、自分で乗りたいと、譲り受けることをすぐに決めたようだ。
「ボンネットの開き方、今のクルマとはぜんぜん違うじゃないですか! それからツートンのマンハッタンカラーとか、ロングノーズとか、とにかく今のクルマにはない見た目がカッコ良いって思いました! 大叔母さんから『もう部品もないし、手間もお金も掛かるクルマだよ』と、所有する大変さも忠告されましたが、もう絶対、このままノーマルの状態を維持して、僕が乗り続けたいって思ったんです」
そうして親子が譲り受けたS130は、見た目だけでなく、メカニズム的にも好調を保った状態だったという。息子さんはまだ免許を取得していないので、お父上にその乗り味を尋ねると「想像していたよりもパワフルに走ってくれます。ターボの音が独特で、これまでいろいろなターボ車に乗ってきましたけど、そのどれとも違うキーンじゃなくキュイーンっていう音がするんです。その音と共に、パワーも盛り上がるので、そこがいいですね!」
搭載されるL20ETの赤いヘッドカバーは、最近知り合いのクルマ屋さんに塗装してもらったものだ。
「すごくこだわりの強いクルマ屋さんで、仕上がりが気に入らないからと、このイベント後に、再塗装してくれると言っています。今でも十分いい仕上がりだと思うんですけどね(笑)」
そんなL20ETを搭載するフェアレディZターボで、どんなシチュエーションで走るのが楽しいかを伺うと「近所のくねくねした農道をよく走りますが、そんな場所を走るのが結構楽しいですね。攻めるって感じではないですが、すごく気持ち良く走ることができるんです」
メカニズム面だけでなく、インテリア類もフルオリジナルが保たれていて、そのどれもが機能する状態を保っているそうだ。
「カセットテープを持っていないので使っていませんが、純正オーディオもまだしっかり使える状態なんですよ」
「今回のイベント参加が、このZを譲り受けてから最も長い距離のドライブになるんですが、クッション性がいいんでしょうね! まったく不満なく富士スピードウェイまで来ることができました」
これからこのドライバーズシートを満喫する予定の息子さんは「ステアリングの形が気に入ってます。自分が乗るようになっても、ずっとこのステアリングのまま乗りたいですね!」
間も無く免許が取れる息子さん。自宅の敷地内でチョットとだけS130を動かして楽しんでいるという。
「前進させたり、バックさせたりぐらいですけど運転してみました。ロングノーズだから前の見切りがまったくわからないのが怖いですね(笑)。慣れるまでは大変そうです」
息子さんはこの春、自動車整備系の学校に入学した。そんな学校だけにクルマ好きも多く、新しくできた友達たちからもS130は大人気だそうだ。
おそらく来年も、大叔母さんから受け継いだS130に乗り、親子でこのイベントに参加するはず。その時には、今年は助手席に乗っていた息子さんが、誇らしげにドライバーズシートへと座り、会場に入ってくることであろう。
(⽂:坪内英樹 / 撮影:堤 晋一)
取材協力:ADVAN オールフェアレディZミーティング2024
[GAZOO編集部]
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