日本一綺麗な星空を車内から。ルパン三世への憧れから行き着いた、フィアット・500Xとの愛車ライフ

フィアット500に乗るのはこれが2台目になります。男らしいクルマというよりは、かわいい系のボディのクルマが好きで、最初に買った愛車は日産のパオでした」
2021年10月に納車したばかりのフィアット・500Xに乗り、彼女とふたりで撮影会にやってきていただいたのは、鹿児島県鹿児島市在住の松田一人さん(38才)。

可愛らしいクルマを選ぶ理由はルパン三世

日産・パオといえば、K10型マーチをベースに、レトロなデザインを内外装に持ち込んだコンセプトの期間限定発売車として1989年にデビューした、日産パイクカーシリーズ第二世代に当たるクルマ。Be-1やフィガロなど同じコンセプトのもとで生まれたパイクカーシリーズとともに、可愛らしいルックスが特徴的な車種だ。

  • 愛車出張取材会 フィアット500X

そんなパオを22才のときに愛車として選んだ松田さん。愛車選びの原点にあったのは、とあるアニメの影響が大きかったという。
「テレビで放送していた映画カリオストロの城を見てから、ルパン三世シリーズが大好きになりました。アニメもマンガも両方見るようになって、そこに登場する黄色いフィアット500のカッコよさに憧れて、ああいったデザインの小さいクルマに自分でも乗りたいと思うようになりました」
クラシックなデザインのフィアット500に憧れるような少年として育ったことは、少なからず自身の進路にも影響があったと話す松田さん。

  • 愛車出張取材会 フィアット500X
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「高校時代に京都に修学旅行へ行ったのがキッカケで、古い造形のお寺や神社にも興味を持つようになり、大学も建築関係の学部を選んで進学しました」。22才にしてパオを手に入れたのは、まさに松田さんがそういった古めかしい世界の造形物に最も興味を持っていた時期だったという。
「当時はクラシックミニやローバーミニとも呼ばれる旧型のミニも良いなと思っていたのですが、いきなり最初から外国産の旧車に乗ると苦労が多そうで、パオを選んだというのもあります。とはいえ、パオは40万円ほどで乗り始めたのですが、いろいろ不具合があって乗っているあいだの修理に2~30万円くらいかかっちゃったんですけどね(笑)」

  • 愛車出張取材会 フィアット500X
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25才になると、地元の鹿児島を離れ、神奈川県の相模原市へ移住することになった松田さん。当時生活環境が大きく変わったこともあり、その不便さからパオを手放し、実用性のためにホンダのコンパクトサイズのミニバンであるフリードへ乗り換えた。
「フリードは日常使いと、神奈川に住んでいたこともあって休日には東名に乗っていろんな場所へ出かけました。千葉や埼玉など、様々なところへドライブで観光に行きましたね」

25才から35才までのおよそ10年のあいだを神奈川で過ごした松田さんだったが、家庭の都合により、再び地元の鹿児島へUターンすることが次にクルマを乗り換える転機となった。

フィアット500から500Xに

「鹿児島へ帰ったあとに通勤のための足が必要になり、そのときちょうど気になっていた新型の黄色いフィアット500に乗り始めました。予算があればルパンと同じ昔の型のフィアット500にも乗りたかったんですが、新型も自分好みの丸いデザインでかわいらしさがあるのでとても気に入りましたね」

型こそ違えど、憧れだったルパン三世とおなじフィアット500を手に入れる夢が叶った松田さん。地元でひとりフィアット500に乗ることとなり、無趣味だった自分になにかできることを探して始めた趣味がソロキャンプだったという。

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「そのときの流行りに乗っかって始めたんですが、休日の趣味としてどんどんハマっていっちゃって(笑)。それで装備を揃えていくうちに、フィアット500のトランクが手狭になっちゃったんです。それに、キャンプに加えて彼女とも一緒に過ごす機会が増えてきたので、より室内を広く使えるクルマが欲しいと思って500Xのほうに乗り換えました」

  • 愛車出張取材会 フィアット500X
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全長3545mm、全幅1625mmの3ドアコンパクトハッチバックとして、かつての2代目フィアット・500の現代版モデルという位置付けで2007年に発売されたフィアット・500に対し、フィアット・500Xはデザインこそ2007年モデルを踏襲しているもののプラットフォームを大きく変更し、全長4250mm、全幅1800mmで5ドアハッチバックのクロスオーバーSUVとして2015年に発売がスタートしたモデル。

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そんなフィアット・500Xのなかでも、松田さんの愛車となったのは2021年に登場した限定車である『フィアット・500Xグランビスタ』だ。
「限定車という響きに惹かれたのはもちろんなんですが、このモデルだけのサンルーフがあるというところが一番の魅力でした」と松田さん。

グランビスタ(Gran Vista)とは直訳すると絶景を意味する言葉であり、その車名を体現すべく前後座席に独立した2枚のガラスサンルーフが装備されているのが限定車たる所以。彼女とふたりで星空を見に行くことが何よりの楽しみと話す松田さんにとって、ゆったりとした車内にいながら『絶景』の星空を眺められるこのクルマは、ふたりのデートカーとして最適だったというわけだ。

カーライフは楽しい

ソロキャンプ用として手に入れてきたキャンプ道具も、これからは積載力が増えたフィアット・500Xに合わせて、ふたり用のものを揃えて行きたいと話す松田さん。
トランクを開けると、松田さんの仕事柄手に入れやすいという焚き火用の薪が備えられている様子も伺える。グランビスタの限定色であるイタリア・ブルーとブラックのツートンに染まったボディも、ふたりが囲む焚き火とコントラストが映えてお似合いのことだろう。

そして、ふたりが住む鹿児島県は環境省から過去に7回も日本で最も星が綺麗に見える場所として認められ、日本でも有数な星空スポットとして知られる輝北うわば公園(鹿屋市)を有する県でもある。
「いま、フィアットに乗って一番行きたいところなんです」と幸せそうに話してくれた松田さん。オートキャンプも可能なスポットでもあるその公園は、遠くない将来このフィアット・500Xとふたりにとって決して忘れることのできない、思い出の場所となることは間違いないだろう。

取材協力:鹿児島県立吉野公園

(⽂: 長谷川実路/ 撮影: 平野 陽)

[GAZOO編集部]