オープンカーで海岸線をドライブ。ファミリーカーで“我慢の時期”を乗り越えたオーナーの新しい翼
ダイハツが本格的な電動開閉式ルーフのオープン2シーターとして開発した軽自動車『コペン』。
2002年に初代L880型が発売され、2014年にはフルモデルチェンジした2代目が登場。軽自動車規格のコンパクトなボディに、スポーティーなルックスとドライビングフィールを持ち合わせた、熱狂的なファンの多いモデルである。
そんなコペンに魅了され、初代L880K型と2代目のLA400K型を乗り継ぎ、日々の生活やドライブの相棒として大切に乗り続けているのが、新潟県新潟市在住の松田貴之さん(51才)。
「もともと父親がダイハツに勤めていたので小さい頃からクルマが大好きで、ダイハツ車にも馴染みがありました。それで学生のころ免許をとってすぐにミラ、ミラターボと乗り継いで、シーサイドラインという海岸沿いの道などをよくドライブしていました。
コンパクトで小さいクルマが好きだったし、学生時代に友達が乗っていたロードスターを見て『オープンカーもいいなぁ』と思っていたことから、就職してからは自分もロードスターを買って乗っていました。
でも結婚して子供ができて流石にロードスターだと厳しいという状況になり、いちどダイハツに戻って7年間ムーブに乗っていたんです。でも、子供のためとはいえはやっぱり走って楽しいクルマに乗りたいという想いはずっとあって、特に子供が生まれた頃に初代コペンが発売された時は『いいなぁいいなぁ』と思っていました」
学生のころから走ることが大好きだった松田さんが、ファミリーカーに物足りなさを感じながらも乗り続けること数年。気づけば子供も大きくなり、「走って楽しいクルマにまた乗りたい」という思いが日増しに強くなっていた松田さんの背中を押してくれたのが、奥さんだった。
「カミさんも僕が物足りないと感じているのをわかっていたんでしょうね。ファミリーカーとしてはカミさんのキャロルも所有していたタイミングだったこともあり、15年ほど前にカミさんの許しを得てムーブからの乗り換えで初代コペンを買うことができました。
ファミリーカーに乗っていた時間が長くて辛かったので、コペンに乗った時の感動はひとしおでした。オプションのLSDを追加していて、コーナーにしても何でもとにかく楽しかったです」
そうして松田さんは、その後9年間この初代コペンに乗り続けたものの、雪国ということもありフェンダー部分のサビなどが目立つようになり、買い替えを悩むようになったという。
2014年に登場した2代目コペンへの乗り換えの話が浮上したのは、まさにそんなタイミングだった。
「ちょうど乗り続けようか悩んでいたタイミングのとき、ディーラーの営業さんから試乗車が入れ替わるのでそれを買わないかというお話をいただいたので、思い切って買い換えることにしました。
発売から2年間ディーラーで試乗車として使われていた車両で走行距離は3000km。車台番号も700番台でおそらく初期ロッドで生産されたものだったのではと思います」
そして2016年、新たに松田さんの愛車となったのが2014年製のコペン ローブ(LA400K)。直列3気筒DOHCターボ搭載、660ccの5MT車だ。
「前のL880Kは4気筒で高回転の伸びが良い反面、上まで回さないとトルクが出ない印象でしたが、それはそれで良かったんです。でも、このクルマは低回転でのトルクの出方がけっこう良くて乗りやすいんですよね。上もそれなりに回ってくれますし」と、性能面ではそれまで乗っていた初期型コペンよりも、さらに乗って楽しいと感じているそうだ。
「デザイン的にはライト周りなど優しい雰囲気だった前のコペンのほうが好きかも」という松田さんだが、現在のコペンローブで気に入っているのが純正のボンネットだという。
「ボンネットの緩やかな盛り上がりの曲線が好きです。僕は走りに出かけるときはミラーレスカメラを必ず持っていくのですが、以前このボンネットに映り込んだ桜がとてもきれいだったんですよね」
足もとには漆黒のボディによく似合うスポーティな5ZIGENホイールを装着。それ以外にも必要だと感じた部分には厳選したパーツをチョイスしているという印象だ。
「実用パーツでとても役に立ったのが、Dスポーツのフットレストバーですね。純正だとそこになにもなくて、走るときに踏ん張れなくて走りにくかったんですが、これを追加したら全然違ってすごく乗りやすくなりました。シフトノブも交換しています。
あとは同じくDスポーツさんのレインドリップモールですね。コペンって走っているときに窓を開けていたり、ドアを開けるときに雨水がバーって車内に入ってきていたんですが、これがあるとナシとで全然変わります。ブレーキパットも踏み込んだときの効きがいいDスポーツ製にしています」
季節を問わず通勤や生活の足としてこのコペンを使用するのはもちろん、仕事が休みの日は早朝ドライブに行くのも習慣化されているという。
「仕事が休みで晴れの日は、オープンにして早朝にシーサイドラインを走ったり、近くにある弥彦スカイラインを走ったりして楽しんでいます。昼間は渋滞で道が混むのですが、早朝は自分のペースで走れるので気持ちがいいんです。
家族はみんな寝ている時間なので、基本はいつもひとりですね。仕事帰りにオープンにすることもよくありますよ」
そうして購入から6年経った今では走行距離が9万6000kmにも達しているというから、どれだけ松田さんがこの愛車と一緒に走る時間を楽しんでいるかがよくわかる。
ちなみにメンテナンスは定期的にディーラーに依頼していて、現在まで故障したことは一度もないそうだ。
「コロナ前は旧車やコペンのイベントなどがあると県外まで行ったりしていたので、外出しやすくなってきた今はまたイベントに足を伸ばして参加したいですね。このクルマには不満な点もないし、とても気に入っているので、できるだけ乗り続けていきたいですね」
満面の笑みでそう愛車について語る松田さんからは、このコペンに対する深い愛情がひしひしと伝わってきた。
コンパクトなボディで走って楽しいオープンカーのコペンは、松田さんにとって若い頃から描いていた理想のクルマ像とピッタリ合っていたのだろう。
だからこそ2台を乗り継ぐほど魅了され、そしてこれからも松田さんのかけがえのない愛車としてカーライフを彩り続けていくに違いない。
取材協力:宝山酒造
(⽂: 西本尚恵/ 撮影: 金子信敏)
[GAZOO編集部]
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