好みのスタイルを実現しつつスキーにも大活躍! 日常から趣味まで全方位で楽しむモビリオスパイク
普段乗り、通勤、そして趣味としての役割を1台で担う愛車の平成19年式ホンダ・モビリオスパイク(GK1型)を、自らのセンスでカスタムしつつカーライフを楽しんでいるツートンさん(34才)。
2018年に購入してから手塩にかけて育てた愛車をそばに愛車歴を伺うと「これまで乗ってきたクルマは“これから”というタイミングで事故や故障で乗れなくなってしまうことが多かったんです。なんだか自分が愛情をかければかけるほど、クルマのほうが離れていっちゃうようなことが多くて(苦笑)。このモビリオは自分の最長記録を更新中なんですよ」と教えてくれた。
「中学のころに、友達から勧められてグランツーリスモ2をプレイしたときの衝撃がすごかったんです。もともと機械が好きでプラモとかも趣味として楽しんでいた自分にぴったりのゲームで、とにかく挙動のリアルさが強烈でした。セッティングも自由にイジれて、現実世界で運転しているような感覚になれたのも楽しかったですね」とツートンさん。
当時はそのほかにもアーケードゲームとして登場した『頭文字D』も並行してプレイしつつ、いずれ好きなクルマを持つことへの憧れを増していったという。
そして、18才になったツートンさんは免許を取得し、親が普段乗りとして購入してくれた格安中古車のダイハツ・ムーブからカーライフをスタートさせた。
「親に買ってもらうクルマだということもあって特にこだわりなく乗り始めたんですが、ATだけどエンジンは4気筒でターボも付いていました。そのムーブが1年くらいで壊れてしまって、3速ATのスズキ・ワゴンRに乗り換えたのですが、そのときにムーブの楽しさに改めて気付きました」
そして1年ほどが経ち社会人となったツートンさん。そこで得た給料で初めて自分の資金で愛車を購入するにあたり、クルマ選びの最も大きな基準にしたのは『走る楽しさ』の部分だったという。
「普段乗りもするのでハイオクのクルマは避けたくて、日常でも使いやすくマニュアルで予算もかからず楽しめそうなクルマを探した結果、トヨタのヴィッツRSを選びました」
50万円程度で購入したという新たな愛車の乗り味は予想以上で、初めてのマニュアル車とスポーツグレードの楽しさを最大限に味わえるワインディングでのドライブにも精を出していたという。
ところが、ヴィッツRSは半年も経たずに不慮の事故により廃車となってしまう。
「ヴィッツRSは本当に楽しいクルマで『これからイジって楽しもう』と思っていたタイミングだったんです。やりたいことも全然できていない状態だったので、諦めきれずにまたヴィッツRSを購入しました」とツートンさん。
そして自身2台目となったヴィッツRSはブルーのボディカラーを活かすスポーティな雰囲気を目指してカスタムを施し、車高調やセミバケットシートも追加。また、SNSの『みんカラ』を通じて知り合ったヴィッツオーナーのミーティングなどにも参加するようになっていったという。
ところがそんな2台目のヴィッツも3年ちょっと乗ったタイミングで修理不能となり、そこからは金銭的な理由もあって再び日常使いの軽自動車に乗り、クルマ遊びから遠ざかっていたという。
しかし、その先に乗り換えたダイハツ・ソニカで愛車への情熱が再燃することになる。
「ソニカはヴィッツに乗っていたころから気になるクルマだったんです。軽自動車らしからぬ雰囲気があって、全高もそこまで高くないのに4人しっかり乗れるし、内装もいい。それにエンジンもターボが付いていて性能も満足できそうだし、機会があれば乗ってみたいなと思っていました」
そして、ヴィッツ時代のように、ソニカでもオーナーズミーティングに参加するようになったツートンさんだったが、こちらも1年ほど乗ったタイミングで手放さざるを得ない状態になってしまう。
その後にダイハツ・タントをはさみ、現在のモビリオスパイクを手に入れたのは2018年。
「そのときはもう事故と乗り継ぎが続いて金銭的にもジリ貧な状況でした。予算は30万円ほどで購入できるクルマを消去法で選んでいった感じですが、モビリオはデザイン的にも好みでエンジンもよさそうだったんです」
そんなモビリオスパイクの所有歴は4年を迎え、これまで事故や故障もなく無事に乗り続けられている。そのあいだにはカスタムや県外のオーナーズミーティングへの参加する余裕も生まれてきそうだ。
「今まで自分なりにカスタムしていたヴィッツとソニカはスポーツ系の方向にイジっていたので、今回は方向性を変えてラグジュアリーなイメージを目指してみることにしました」
そのコンセプトはボディカラーのブラックがより引き締まるシルバーで2色のコントラストを際立たせることにあるといい、その趣向が最大限に反映されている点が、各部に追加されたシルバーモールだ。
とくに個性的なのがフロントフェイス。グリルのように見えるナンバープレート左右のフェイスデザインは、「ホンダの上位車種を参考にした」とツートンさん自身がデザインを考え追加したパーツによるもの。
モデューロ製リップスポイラーの端部にもシルバーのラインによるアクセントをくわえている。
また、サイドマーカーはあえてクリアではなく、めっきの本体にネオレトロな雰囲気を醸し出すオレンジカラーの汎用品を使用。
リヤ側は無限製のスポイラーとマフラーに変更し、テールレンズもナンバー左右のガーニッシュを延長するようなデザインへとアレンジをくわえている。
また、維持するのが大変そうなパール入りの黒いボディは「走っているだけで雨が飛んでいってまったく水滴が付かないので本当に良いです」と、愛用しているソナックス製のシャンプーで光沢をキープ。
ホイールは純正の14インチからのワーク・シーカーの17インチにサイズアップ。インセットを細かくオーダー可能な2ピースホイールという利点を活かし、スペーサーなしで絶妙なツライチぐあいを実現している。
「オーダーした店舗ではモビリオに17インチを装着した例がないということで、かなり安全マージンをとったオフセットにしたんですが、もう数ミリは外に出せたかな?」
「やっぱりグランツーリスモで育った自分としては、大前提として『ちゃんと走れるクルマ』にしたい気持ちがあるので、キャンバーや車高も走行性能に影響が出ないように意識しています」とオーナーならではのこだわりがうかがえる。
そして、モビリオスパイクはエンジン面でもそんなツートンさんのスポーツマインドを満たしてくれるクルマという。
「1.5リッターNAのL15Aという型が積まれているんですが、VTECのおかげで上まで回すとどこまでも伸びていくような感触があってとても気に入ってます。ホンダ乗りが『VTECは良い』って言う気持ちが分かりました」
おなじ1.5Lでも低回転型だったヴィッツとの違いも味わえたそうで、普段乗りの実燃費でリッター15キロほどを走れる点も1台持ちのツートンさんの助けになっているという。
また、インテリアも黒を貴重としたラグジュアリーな空間に仕上げているいっぽうで、ルーフには普段は折りたたみ可能な積載バーを追加している。
スキーが趣味だというツートンさんが、スキー板を車内に積むために必要なもの。スタイリングを維持するためにも車外にキャリアを付けたくなかったためだ。
そんなスキーは小学生時代からの趣味で、高校に入ってからはいちど離れたものの社会人になってスノーボード好きな先輩から誘われて趣味として復活。
新潟市在住ながらも「近くのスキー場とは雪質がぜんぜん違う」とスキー場は妙高や上越などに片道2時間ほどをかけて訪れているという。シーズンになるとその回数は2桁に登るそうだが、これでもまだ全然物足りないと感じるほどに熱が入っている趣味だそうだ。
普段乗り、通勤、カスタム、そして趣味のスキーと、もはや欠かせない存在となったモビリオスパイク。今後の願いは、今までの愛車にあったような不幸に会わないよう、無事に乗り続けられることだという。
「F1ドライバーのキミ・ライコネン選手がヘルメットに使っていたペイズリー柄が好きで、そのラッピングをやってみたいと思っています。それからシートもレカロのリクライニングモデルに変えたりしたいですね」と目標を掲げるモビリオスパイクでの愛車ライフは、これからも充実していきそうだ。
取材協力:長谷川屋
(⽂:長谷川実路 / 撮影:岩島浩樹)
[GAZOO編集部]
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