クルマ好き一家で育ったマルチリンガル女子が満喫する沖縄移住カーライフ

15才の時にはじめて訪れた沖縄に魅了され、20才で移住したという優香里さん。愛車スカイライン(ER34)を手に入れ、ドリフト好きな米国人の旦那さんと結婚、今後はサーキット走行やアメリカ移住なども見据えているという激動のカーライフを語っていただいた。

美しく澄んだ“美ら海"をはじめとする大自然を満喫することができて、独自のゆったりした空気が流れる沖縄は、観光はもちろん移住先として憧れる人も少なくない。そんな沖縄に憧れて20才のときに移住し、愛車の日産・スカイライン(ER34)を手に入れたという石川優香里さん(23才)。チェイサー(JZX100)を愛車に持つ米軍の旦那さんと結婚し、充実した沖縄ライフを満喫している彼女にお話を伺った。

愛車のスカイラインに乗って現れた優香里さんと話を進めていくと、クールで頭の回転が速く、強い意志を持ってご自身の好きなことに対し精力的に活動する、とてもチャーミングな女性という印象。どこか「米軍の基地に近いエリアで生まれ育ったのかな?」と思わせる日本人離れした雰囲気を感じていたので、生まれは神奈川県で育ちは静岡県、そして沖縄に移住したのはたった約3年前という話題になった際には少し驚いたほどだ。

「15才の頃に旅行で初めて沖縄に来て『素敵なところだな』って思ったのがはじまりでした。その後、高校の卒業前にまた旅行で遊びにきたときに『やっぱりここに住みたい!』と思って、言語系の専門学校に入学して英語、ポルトガル語、中国語、韓国語をマスターしたんです。そして、沖縄に新しくできるホテルで言語力を生かして働くオファーをいただき、それならばと沖縄に単身で移住することに決めました」

「両親に一人暮らししたいと伝えたら『じゃあ名古屋に住んだら?』と言われました。でも実家から2時間くらいの距離感だと、何かあったらすぐに頼れちゃうじゃないですか。私は自分を成長させるために、一人暮らしするなら簡単には帰れない場所で全部自分でやりたいと思っていたので、仕事で沖縄に住めるというのはちょうどよかったんです」

そんな優香里さんの実家はクルマ屋さんで、お母さんとおじいさんも整備士だという。そのため彼女も子供の頃からクルマが大好きだったのだとか。
「スカイラインは以前からずっとカッコいいと思っていて、大人になったら絶対に乗りたいなと憧れていました。それはもうピンポイントでずっと決めていましたね。免許は18才の時に取りました。うちの家族ルールで免許はマニュアルと決められていたのでもちろんマニュアルです(笑)。沖縄に来る前はホンダのフィットに乗っていたのですが、マニュアルに乗りたいなとウチのお店にあった軽トラックにも乗ったりしていましたね。沖縄に引っ越すことになってからも、スカイラインを買いたくてずっと調べていたんですけど出会うことができず、しょうがなくお母さんが乗っていたプリウスを譲ってもらって沖縄に来たという感じです」

「沖縄に来て最初に購入候補に挙がったのはR34型のGT-Rだったんですけど『沖縄に納車するまでには2ヶ月くらいかかります』って言われたんです。私はせかせかしちゃうタイプで『今すぐ欲しいしそんなに待てない!』と、すぐ購入することができるこのER34型スカイラインを買いました。カラーも私の大好きな黒だったし、もしこれで物足りなくなったら中身をGT-R仕様にしてしまえばいいんじゃないかっていう考えもあって。今はこのままでも満足していますけどね」

こうして優香里さんが約2年前に購入したのが、1998年式のスカイライン(ER34)。25GTターボグレードの5速MT仕様だ。
「私が一番気に入っているのがこのウイングです。沖縄でおなじウイングをつけているスカイラインには出会ったことがありません。フロントバンパーとサイドステップも社外品で、買ったときから付いていました。このバンパーもなかなか見ないちょっと変わった形状のバンパーなので結構気に入っています。残念ながらレッカーされた時に割れちゃったんですけど(苦笑)」
購入時から希少な純正オプションウイングやエアロパーツでカスタムされていたというが、楽しそうにお気に入りポイントを語る優香里さんをみていると、そのスタイリングを気に入っていることがよくわかる。

内装もステアリングやシフトノブ以外ほとんどの部分が純正のまま美しい状態を維持されている。
「シフトブーツやサイドブレーキのカバーはワンオフで作っていて、インスタグラムを通じて販売もしているんですよ。カバー類の他にもオーダーメイドで愛車のイラストを描いたTシャツなども販売しています」

整備士の娘だけあり、メンテナンスも基本的には自分で行っているそうで、自宅には自前の工具セットを持っているほか、クルマにも最低限の工具を積んであるという。
「以前、作業する場所がないから仕方ないし安いしなーって思って一度オイル交換を量販店に頼んだ話をしたら、整備士の母親に『オイル交換くらい自分でやんなさいよ!』って怒られました(笑)」

「仕事からプライベートまですべてこのスカイライン1台で、休日はドライプに行くことも多いです。特に本島の上(北側)の方がすこい綺麗なのでよく行きますよ。あとはモデルもやっているので、撮影にちょうどいいスポットに出かけたりすることもありますね!」

そして、気になったのは車内にあったヘルメット。アメリカ人の旦那さんはドリフト走行が趣味で、愛車のチェイサーで友人とサーキットに行く際に優香里さんも同行したり現地集合したりすることもあるそうだ。そのため、突然サーキット走行の横乗りに誘われたときでもすぐに行けるよう、常に準備しているのだとか。

「旦那とはこっちに来てからイベントで友達になったのがキッカケで仲良くなりました。私の今の目標はこのスカイラインで旦那と一緒にドリフトをできるようになりたいなって思っています」と優香里さん。そうなれば旦那さんとの絆もより深まりそうだ。

そんな彼女に、今後スカイラインでチャレンジしてみたいことを伺ってみた。
「山原サーキットを1日借り切ってドリフトする仲間たちを呼んで結婚式を挙げたいです。みんなのクルマを並べて写真を撮って、結婚式のあとはみんなでサーキットを走れたらおもしろいなって。これが1番の目標です!」

「旦那が米軍関係者なのでいつまでも沖縄にいられるとは限らなくて、もしかしたらアメリカに戻らないと行かないかもしれないんです。その時は私も一緒にアメリカにいきますけど、スカイラインは持っていけない場合は実家に預けて面倒みてもらうことになるかも? もしアメリカに住むことになっても、この子を手放すことはないですね」

沖縄に移住して大好きな相棒を手に入れ、今では素敵なアメリカ人の旦那様と一緒に充実したカーライフを送っている優香里さん。その持ち前の行動力で、そう遠くないうちに旦那さんや仲間たちと共にサーキット走行を楽しんでいる姿が目に浮かぶし、アメリカに渡ってグローバルなカーライフを送っているようすも想像に難くない。アグレッシブな彼女がこれからどんな道を走っていくのか、とても楽しみだ。

取材協力:オリオンECO 美らSUNビーチ

(⽂:西本尚恵 / 撮影:土屋勇人 / 編集:GAZOO編集部)