スバル・レヴォーグで「通勤からサーキットまで楽しむ」全方位死角なし

  • GAZOO愛車取材会の会場である群馬県 つつじが岡公園で取材したスバル・レヴォーグ2.0GT アドバンスドセーフティパッケージ(VMG)

    スバル・レヴォーグ2.0GT アドバンスドセーフティパッケージ(VMG)



かつてはバンタイプのクルマと言えば商用バンが主流であったが、1970年代に入った頃から、乗用車のような快適装備や乗り心地を備え、普段使いをターゲットとした新ジャンルの『ステーションワゴン』と呼ばれるクルマが続々と登場した。

そして1989年に登場したレガシィを筆頭に、1990年から2000年代前半には多くの荷物を乗せ、ファミリーで出掛けられる快適な居住空間と、ミニバンなどよりもスポーティな走行性能を併せ持ったスポーツ系のステーションワゴンが一大ブームに。アコードワゴンやカルディナ、ステージア、アテンザスポーツワゴンといった具合に、各メーカーから魅力的なモデルがラインアップされた。

そんなステーションワゴンの魅力に取り憑かれ、2015年に新車購入したスバルレヴォーグ2.0GT アドバンスドセーフティパッケージ(VMG)に乗り続けているのが『レヴォ英VMG』さんだ。

「荷物がたくさん積めるからキャンプやバーベキューの時にも便利だし、年に数回はサーキット走行も楽しんでいますよ。通勤なども含めて、レヴォーグ1台でぜんぶ完結できちゃいます。それがいいところですね」

筑波サーキットコース1000をメインに、袖ヶ浦フォレストレースウェイや富士スピードウェイなども走行するというから、まさに“便利さもスポーティさも兼ね備えたスポーツワゴン”をフルに使い切っていると言えるだろう。

「自分は子供の頃から、ご近所さんのクルマはだいたい覚えていて、そのエンジン音で『あそこのスターレットが帰ってきたな』みたいに聞き分けをしていましたね」
そう言えるほどのクルマ好きだったレヴォ英VMGさんが、最初に憧れたのは日産・スカイラインGT-R(BNR32)だったという。

「マツダのRX-7、FC3SやFD3Sも好きでしたが、ちょうど自分が運転免許を取得した頃に発売されたスカイラインGT-Rには衝撃を受けたのを覚えています」

その影響もあってか、はじめて乗ったクルマはスカイライン2.0GT(DR30)だったのだが、その後はスバルに就職したことを機にスバル車を乗り継いできたそうだ。

「GT-Rは好きでしたが、スバルに入社した頃、レガシィが初代から2代目にモデルチェンジするタイミングで『スバルのエンジンもこんなにパワーが出るんだ』と感動したんですよね。それからはスバル車も好きになっていきました」

「最初のスバル車はレオーネ(AA3)で、次に初代レガシィツーリングワゴン(BF5)を中古で買って、そのあともBC5、BH5、BP5とレガシィやツーリングワゴンを乗り継いできました。ターボ車のマニュアルミッションモデルも乗っていて楽しかったけれど、BP5からは運転が楽なATモデルにしちゃいました(笑)」

「BP5からの乗り換えを考えた時に、サイズアップした後継モデルではなくBP5とサイズが近くて、『アイサイト』が装備されたことも気になっていたのでレヴォーグを選んだんです。300psもあってパワフルだし、“日本限定モデル”っていうのも魅力でした。まぁ、あとから海外でも発売されることになっちゃいましたけど」

2013年に発売された初代レヴォーグは、5代目のレガシィツーリングワゴンより全長とホイールベースが100mm短く、全高も50mm低く設定されたことで『レガシィよりもひと回り小さきクルマが欲しい』というユーザーを中心に人気を集めた。

ちなみにこのレヴォーグは、2014年度のグッッドデザイン賞を受賞し、その後も運転支援システム『アイサイト』のバージョンアップや、走行性能を向上させたSTI Sportなどのグレードを追加するなど進化を続けてきた。

また、当初は日本国内専売モデルとされていたが、2015年に欧州市場に投入されたのを皮切りに、オーストラリアやニュージーランドなど海外にも活躍の場を広げ、2020年からは2代目モデルへとバトンタッチしたのであった。

レヴォ英VGMさんの愛車は300psを発揮する2リッターエンジンFA20を搭載したモデルで、ミッションはCVTながらも四輪駆動を生かしたスタビリティでサーキットでも十分楽しめるという。

「普段乗りでは加速が良くて、遠出しても疲れないのがお気に入りですね。また、サーキットでも思い通りに走ってくれます。富士スピードウェイを走ったらブレーキキャリパーが音を上げてしまったのですが、それを機にエンドレス製のキャリパーに交換したので、今ではサーキットでの制動性能もバッチリです!」

メンテナンスや管理は群馬県太田市でスバル車をメインに扱う石川自動車にお任せしているそうで、サーキットを走行することを考慮して油温管理のためにCVTクーラーを導入、吸排気系のアップデートやリセッティングも行なっているという。

足まわりは車内から減衰力の調整ができて便利なテイン製の車高調整式サスペンションに交換。シートもホールド性が高いWRXの純正シートに交換するなど、気持ちよく走りを楽しむためのツボを押さえたカスタムが施されている。

また、以前はキャンプやアウトドアを楽しむ際に積載スペースの大きさは重宝していたそうで、現在住んでいる群馬県から地元の東北まで遠距離を移動する際などにも、やはり荷物がたくさん積めるのは便利だという。
シートを倒せばフラットになるので寝袋を持ち込んで車中泊などもできるし、ミーティングやオフ会に参加する際に椅子がわりにするペール缶や、パラソルなどはいつも常備されている。

「分解洗浄して使えるK&P製のオイルフィルターは、長く乗るには便利だし気に入っています。あと、車種別設計でマグネットで窓枠にくっつけるタイプの網戸も、車中泊する時なんかに涼しくていいですよ」

と、お気に入りのおすすめアイテムからも、便利なステーションワゴンに乗り続けてきたレヴォ英VGMさんらしさと、こだわりを感じる。

そして、そんな愛車のレヴォーグは、人とのつながりもたくさん運んできてくれるという。
お気に入りポイントだというインパネやAピラーのアルカンターラ貼りは、そういった作業が得意な仲間が施工してくれたものだし、マフラー&エキマニはイベントでFUJITSUBOのスタッフさんに挨拶したことをキッカケに取り付けることになった焼き色付き仕様の第一号なんだとか。

「近所の矢倉町というところに鰻やナマズをあつかう『川魚郷土旬菜うおとし』っていう料亭があるんですけど、そこの店主もクルマ好きで、仲良くなったのがキッカケで彼もインプレッサS204を買ってくれて、そこの駐車場を借りてよくスバル車やコペンのオーナーが集まっているんです。30~50台くらい集まることもありますよ」

他にも、遠距離ドライブも苦にならないレヴォーグのおかげで、いろいろな場所で開催されているオフ会やミーティングに参加するのが楽しみのひとつとなっているそうだ。

最近はミニバンやSUVの人気に押され、選択肢が減っているステーションワゴンだが、大きすぎないけれど荷物も積めて、しかも走行性能が高いステーションワゴンの魅力は大きい。一度ハマってしまうと『他のクルマは選択肢にならない』というオーナーさんの声も少なくないのだ。

もうすぐ購入して10年、走行距離は11万5000kmに迫っている。

「大きい故障がない限りは、このレヴォーグに乗り続けると思います。たくさんの想い出や人との繋がりが詰まっていますからね。もしも買い替えるとしたら、群馬県のスバルディーラーである富士スバルが、ラリードライバーの新井敏弘選手と開発した限定カスタマイズキット『TCツーリング』仕様のレヴォーグがいいかな? なんて思ってはみましたが…実際に探してみると良い中古車なんて滅多に出てきませんしネ」

その一方で、足まわりやハーネス類のリフレッシュといった、長く乗り続けるための準備も意識し始めているという。いずれにせよ、レヴォ英VMGさんの隣には、この先もずっとスバルのステーションワゴンが存在し続けるのに違いない。

(文: 西本尚恵 / 撮影: 中村レオ)

許可を得て取材を行っています
取材場所:つつじが岡公園(群馬県館林市花山町3278)

[GAZOO編集部]