見た目も走りも実用性も大満足のスバル WRXに家族みんなの思いを乗せて

  • GAZOO愛車取材会の会場である南長野運動公園で取材した2015年式スバルWRX STi タイプS(VAB)

    2015年式スバルWRX STi タイプS(VAB)



「僕の両親はスポーツカー好きで、小学生まではスープラやシルビア、スカイラインやZなどの2ドアスポーツがファミリーカーでした。ですから、2ドアスポーツにしか乗ったことがなかったんですね。前の席に両親が乗るので、僕が座る場所は後ろの席で、2ドア車だとわざわざシートを倒さなきゃ乗れないじゃないですか。それが当時はすごくイヤで…。初めて友達の家の4ドアセダンに乗った時、後部座席に座ったのですが『なんてラクで便利なんだ!』と、めちゃくちゃ感動したのを覚えています」

そう、ことはらさんはそんな子供の頃の体験から『2ドアクーペのスポーツカーは乗り降りが面倒。4ドア車は乗り降りが楽で便利』というイメージを抱いてしまったのだ。

ただ、それでスポーツカー自体が嫌いになったわけではなく、正月には必ずパリダカのスタートを見守る生粋のクルマ好きだった父親の影響で、自身も立派な(!?)クルマ好きとして成長していったという。

そして学生時代、父親との兼用として買ったのがパジェロミニだった。
「オフロード用のタイヤが付いた中古車を見つけてそれを買ったんです。その当時、父親はフェアレディZ(Z32)に乗っていたのですが『渓流釣りに行きたい』といって、冬と春は頻繁にパジェロミニで出掛けてしまったので、僕が自由に乗れる時期が限られてしまっていたんですけどね(苦笑)」

「その後、自分専用のクルマを買おうと考えた時に『速い・乗り降りや荷物の積み込みがラク・雪道に強い』という条件からランサーエボリューションが候補に挙がったのですが、最終的には丸目のインプレッサに乗っていた友達の影響で1年落ちのインプレッサWRX(GDA)の5速MT車を選びました。本当は280ps仕様のSTI(GDB)も候補だったんですけど、試乗してみたらパワーもスピードも凄くて…今の自分では扱いきれないなと思って、250psエンジンのNBグレードにしたんです」

当時のインプレッサWRXには、自然吸気エンジンの『NA』、ターボモデルの『NB』、280psで6速MTの『STi』の3種類のグレードがラインアップされていて、STiのパワーは扱いきれないと判断したことはらさんは、NBグレードを選んだというわけだ。

その後30代に差し掛かるころに一度インプレッサWRXを降りて、レガシィB4 GTへと乗り換えることになる。

「そろそろ30代になることだし、ちょっと落ち着いてオトナ路線にいこうと思いまして。ただ、落ち着きたいと言いつつ、とあるカッコ良い社外のエアロパーツを付けたいという思いを抑えることができず、若干ローダウンさせたりブレーキ関係やインテリア系にも手を加えたり…、結局かなりイジってしまいました(笑)。やっぱりカッコ良くして乗りたいですからね」

「そして、結婚する前に『一度は新車を買いたい』という思いから、WRX STi Aライン(GVF)を購入しました」
当然ながら、このクルマでもカスタマイズを楽しんでいたことはらさん。しかし、今から7年前に父親の病気が発覚したことで、再び乗り換えの転期が訪れる。
「病気をキッカケに、運転しやすいAT車のWRX STI Aラインに乗りたいと言うので譲ることになったんです。その頃はセカンドカーとしてエクシーガも所有していたんですけど、やっぱりスポーティ路線が好きだったようで(苦笑)」

「そこで私の方は、また別のクルマを探すことに。ちょうど良いタイミングで、ディーラーの中古車担当者さんから『カスタムされたMT車が出てきましたよ』とオススメされたんです。もう10年も乗っていなかったMT車だったことに躊躇はあったけど、購入することに決めました」

こうして2017年3月に納車された現在の愛車が、2015年式のスバルWRX STi タイプS(VAB)だ。2リッターの水平対向4気筒DOHCターボを搭載し、最高出力308psを発揮する6速MT車で、タイプSは大型リヤスポイラーを装備しているのが特徴。ちなみに購入時の走行距離はわずか8800kmだったという。

「このクルマは買った時点でSTI製のフルエアロやダウンサス、HKS製の2本出しマフラーといった、自分が欲しかった仕様に既にカスタムされていたところが良かったんですよね。もちろんそれだけでは物足りなかったので、自分でも色々とカスタマイズを進めていきました」

「まずはフロントバンパーを後期用に交換しました。グリルはメッシュが好きだったので、インターネットオークションで購入してDIYで装着。フロントのスポイラーは限定モデルである『S207』のもので、リヤアンダースポイラーもカーボン製を装着しています。ホイールはプロドライブですね」

「サスペンションはダウンサスだと物足りなくなってしまい、HKS製の車高調整式サスペンションに交換しちゃいました。また、エンドレス製のキャリパーは前に乗っていたクルマからの流用です。さらに、長野県にあるカーショップ、アクアさんとの付き合いで、新作のカーボンシートをエンブレムやトランクのガーニッシュ部分に貼ってもらいました。さらに私はアイラインが好きで、これまでのクルマにも全部つけていたので今回も追加しています」

インテリアを覗くと、レカロ×プロドライブのコラボシートをメインに、ドア周りやセンターコンソールにはカーボンシートをあしらうなどスポーティな雰囲気を演出。そしてカッコ良さとエンジンを壊さないためにと、追加メーターも装備されている。それらの結果、シンプルでスポーティなクルマに仕上がったというわけだ。

そんなことはらさん、普段の街乗りや冬の間はセカンドカーであるXVを使っているため、このWRXはもっぱら子供とのドライブ専用カーとして活躍しているそうだ。
その週末のドライブルートだが、まずヴィーナスラインに行って霧ヶ峰の駐車場でじゃがバターを食べ、その後はクルマ好きの店長がやっているカフェに行くといった、比較的近距離のパターンが多かったという。

「コロナ禍になる前は、このクルマでラリーやダートラ、スーパーGTにS耐といったレース参戦に、長男や奥さんを連れてよく足を運んでいたんです。各出展ブースでいろいろ買い物することもできますしね(笑)。けれど、夫婦共々医療関係の仕事ということもあって、コロナ禍が収まっても忙しくて。しかも昨年までは基本県外に出てはいけないというルールもありまして…」

そのような事情もあって、コロナ禍の折には遠出をすることがままならなかったと話して下さった。そんな憂いとなっていたコロナ禍もひと段落したことで、これからは再び西へ東へと遠距離のドライブも満喫できることだろう。

今後についても「長く乗れるように維持していきたい」と、意欲的。「人に迷惑をかけることのない、46歳なりのカスタムを楽しんで乗っていければ」と楽しそうに話して下さった。

『速くて後部座席の乗り降りがラクで、荷物も積めてカッコ良い4WDスポーツセダン』という、ことはらさんの理想の1台となったWRX STI。今後もご家族と一緒に楽しめるファミリーカーとして、存分に活躍し続けていってくれることだろう。

(文: 西本尚恵 / 撮影: 中村レオ)

※許可を得て取材を行っています
取材場所:南長野運動公園(長野オリンピックスタジアム)(長野県長野市篠ノ井東福寺320)

[GAZOO編集部]