理想のホンダ シビックを手にし、いつかは日本一周にチャレンジしたいと煌めく好青年!
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2018年式ホンダ・シビックハッチバック(FK7)
多くの人にとって、一番最初の記憶として残っているクルマと言えば、子供の頃に家族と一緒に乗っていた時のものではないだろうか。特にクルマに興味を持っていた人であれば、同じ車種を見ただけでもドライブした時の楽しい記憶や、クルマを通した日常の想い出が色鮮やかに蘇ってくるだろう。
そんな幼い頃の想い出を胸に、ひと目惚れした2018年式ホンダ・シビックハッチバック(FK7)のオーナーとなったのが『たがやす』さんだ。
ホンダ・シビックは1972年の誕生から現在まで、52年、11世代もの長い歴史がある車種。『CIVIC=市民の』という名が示すように、大衆車として常に絶大な支持を得ていたモデルだ。しかし、8代目となるFD型(2005〜2010年)を最後に日本市場では販売されていなかった時期があり、多くのファンが寂しい思いを抱いていた。
そんなシビックが7年ぶりに日本仕様として販売を再開。その10代目となるFC/FKシリーズが『たがやす』さんが乗るこのシビックだ。
ちなみに、このモデルにはセダンとハッチバックのボディバリエーションが設定されているほか、ハイパフォーマンスバージョンの“タイプR”もラインアップされているとあって、久々のシビック復活は大きな話題となった。
「家族は特にクルマにこだわりはなかったと思うんですが、シビックフェリオや、EU型のシビックが小さい頃の記憶に残っているんです。父だけでなく祖父もシビックに乗っていたので、やっぱりシビックという名前には愛着があるんですよね。しばらく日本では販売されていなかったのですが、免許を取る前に久しぶりの日本仕様としてこのシビックが販売されることになったのを見て、ひと目惚れしちゃいました。とは言っても、当時は高校生だったので、免許を取っても新車をポンっと買うことなんてできないじゃないですか。そこからコツコツとお金を貯めるようになって、いつかは手に入れたいと考えるようになりました」
専門学校に進学して一人暮らしをはじめたこともあり、お世辞にも金銭的には余裕があるとは言い難かった。そのため免許を取得して手に入れたのはホンダ・インサイト(2E2)。続いて購入したのがマツダ・ロードスター(NB6C)というラインアップ。練習用として考えていたのはもちろん、比較的手頃な価格のMT車としてロードスターの選択はベストだったが、このロードスターが事故で廃車となってしまったことで、次のクルマを探すこととなる。そんなタイミングで踏み切ったのが、このシビックの購入というわけだ。
学生時代から憧れを持ち、社会人になってようやく手に入れることができたシビックは、パフォーマンスバージョンのタイプRではなく、記憶にある家族が乗っていたのと同様にシンプルなスタンダードグレード。
搭載されるエンジンは、ハッチバック専用となるL15C。連続可変バルブタイミング機構のデュアルVTCを擁したVTECを搭載する1.5リッターDOHCターボで182psを発揮している。スタンダードではありながらも、L15Bエンジンを搭載するセダンよりも9psほどパワーアップしているのが特徴で、組み合わせるミッションも6速MTが選択できるなど、スタンダードグレードながらもシビックに求められるスポーティさも併せ持っているのだ。
「シビックを買うなら、タイプRではない白か黒のカラーで、そしてやっぱり走らせて楽しむならMTの操作感は欠かせないと思っていました。その他にも、車高調整式サスペンションやホイール、マフラーと言ったカスタマイズパーツが、あらかじめ装着されていればベストかなって。とは言っても、まずは何よりも“シビックに乗りたい”というのが本音でしたけどね」
クルマは購入後に乗って楽しむのはもちろんだが、購入前にアレヤコレヤと思いを巡らせる時間も楽しいもの。特に憧れのクルマを手に入れるとなれば、どんなカーライフを過ごすかまで考えてしまうのだろう。
中古車情報で見渡すと、それなりの台数が掲載されているシビック。そんな中、とある中古車店で目に留まったのが現在の愛車だ。
「ボディカラーやMTなどの自分基準をクリアしていた中で、マフラーが交換されているこのシビックが目に入ったんです。シビックの純正マフラーって前から後ろまで1本モノなので、交換してもらっても純正を持ち帰るのが難しいんですよ。そう考えるとあらかじめマフラー交換されているクルマがベストだと思ったんです」
前オーナーの手によって交換されていたのはマフラーだけでなく、サスペンションやホイールと言ったカスタマイズの基本がしっかりとおさえられている。しかも、こういったパーツのコーディネートも好みに合致していたのは嬉しいポイントだったそうだ。今後乗り続けていくにも、コストを掛けずに好みのスタイリングが楽しめるのである。
さらに『たがやす』さんの趣向に刺さったのがリヤ周りのスタイリング。社外のテールレンズやブラックメッキ加工されたエンブレムによって、全体的にブラックアウトされたイメージは、まさに理想の1台だったというわけだ。
「自分のクルマを好みの形にカスタマイズしたいとは思うんですが、やっぱり乗って楽しむ方を優先するため、今はまだカスタムに掛かるお金をそのままガソリン代にしたいかな。このシビックはパーツが交換されていることに加え、全体的な雰囲気も満足しているので、今の自分にとって最適なクルマを選んだなって満足しているんです」
長距離のドライブも大好きだそうで、2年前に3万3000kmほどで購入した愛車のオドメーターは現在7万8000kmを指している。通勤では一切使っていないため、休日のドライブだけで4万5000kmも走っているのだ。そのため月にかかるガソリン代はあまり考えたくないというのが正直なところだという。
FKシビックでは特にハッチバックのCピラー周りのデザインが好みだという『たがやす』さん。その意見は多くのシビックオーナーにとって共通の認識と言えるのではないだろうか。というのも、シビックと言えばハッチバックの印象が強い人が多く、特にスポーツ志向になればなるほどEK型やEG型と言ったハッチバックモデルを好む傾向がある。
その理由は、やはりモータースポーツのイメージを植え付けたシビックのハッチバックスタイルがスタンダードと考えられているからであろう。その結果、FK7型はセダンにはCVTのみの設定だが、ハッチバックモデルにはMTを設定してスポーツ志向のユーザーを満足させているのだ。
もちろんすべてが大満足というわけでなく、細かい部分では不満点もいくつか存在している。そのひとつがペイント。ドアノブやミラーカバーなど、樹脂パーツの塗装が劣化しはじめ、クリア剥がれなどを起こしてしまっているのだ。
そこでクリアが剥がれてしまった部分を隠すため、ミラーカバーは社外のカーボン製のものを装着した。当初はボロ隠しの意図があったものの、カーボンのアクセントが入ったことで、愛車が引き締まって見えたのは嬉しい誤算だったとか。
「現状でも十分に満足しているのですが、やはりシビックだからこそ自分の色を出していきたいとも考えています。特に購入時の決め手となったマフラーは、センター2本出しなんですが、1本出しのスタイリングも良いなと思いはじめているんです。それにエンジンパワーを測ってもらったことがあるんですが、実測では173psだったんですよ。カタログ値を下回っているのは当然なんですが、セダンのカタログ値と同じなのは…。欲を言えばもう少しパワーが欲しいかな」
歴代モデルから比べると、近年のモデルらしく大型化しているシビック。特に北米市場をターゲットにした設計は、一時期の大衆車としてのキャラクターからミドルクラスにランクアップされている。しかし運転席に座ると大きさはそれほど気にはならず、MTと合わせてイメージ通りの軽快な走りが楽しめるのだとか。
ホワイトレザーのシートカバーは前オーナーが装着したまま引き継いでいる。ブラックインテリアに白いシートという組み合わせはむしろ好感ポイントで、逆にセンターコンソールリッドが赤で残されている方が気になってしまう。そのためカスタマイズの予算が工面できれば、この赤いリッドをブラックに変更したいのだとか。
助手席側のパネルには、子供の頃から好きだったというポケモンカードのイラストレーターさんのサインが入れられている。
「サイン会のチケットが当たった時に、何に書いてもらおうか考えたんです。その時にこれからもずっと乗り続ける予定のシビックにサインを入れてもらいたいと考えたのですが、さすがにクルマは会場に持ち込めないですよね。と、考えたところでインパネを持って行こうと思ったんです。会場に持って行ったら、イラストレーターさんが『これ何?』と不思議がっていましたが、説明したら快くサインしてくれました。自分にとってシビックのお宝度がさらにアップした瞬間でしたね」
まだまだ乗り足りないということで、今後は仲間とともに秋田県へのロングドライブも予定しているとのこと。男鹿半島や田沢湖といった観光スポットを巡りつつ、秋田を満喫しながらシビックの走りも楽しむ。これほどアクティブなレジャーの予定も、お気に入りのシビックと一緒ならば苦もなく楽しめるのであろう。
「5ドアの5人乗りというパッケージは最高ですね。ロードスターの時も車中泊の経験はあるのですが、やはりこのくらいの車内ならトランクスルーで足を伸ばして寝ることができるんですよ。今まで色々な場所へドライブに行っていますが、今後は車中泊をしながら日本1周にチャレンジしたいですね。きっと楽しい想い出になると思うんですよ」
幼い頃の想い出からシビックに愛着を持つ『たがやす』さん。その想い出はシビックと過ごす新たなカーライフのきっかけに過ぎず、実際に愛車を手に入れたことでさらに濃密な時間を過ごすこととなる。
「ロードスターが居なくなってしまった時のように、形は違えどもこのシビックとの別れもいつか訪れると思うんです。その時まで色々な想い出を残すために、できる限りドライブに行きたいと思っています。もちろん安全運転は心がけていますよ!」
幼い頃のシビック、そして現在のシビック。どちらも大切な想い出なのだが、新たな想い出を紡ぐ相棒は、『たがやす』さんにとって唯一無二の存在であることに間違いない。
(文: 渡辺大輔 / 撮影: 平野 陽)
※許可を得て取材を行っています
取材場所:南長野運動公園(長野オリンピックスタジアム)(長野県長野市篠ノ井東福寺320)
[GAZOO編集部]
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