真っ赤なボディに一目惚れしたレガシィアウトバックは、DIYカスタムで進化し続ける

  • GAZOO愛車取材会の会場である南長野運動公園で取材したスバル・レガシィアウトバック(BP9型)

    スバル・レガシィアウトバック(BP9型)



ツーリングワゴンに由来するオンロードでの走りやすさと、未舗装路も許容する走行性能を両立させたクロスオーバースポーツモデルとして知られるスバルレガシィアウトバック(BP9型)。SUV的な要素も取り入れられ、標準モデルのレガシィと比較するとノーマル状態でも地上高が確保されており、オーバーフェンダー仕様のワイドボディなどワイルドなルックスも特徴となっている。

そんな3代目レガシィアウトバックを、あえて車高を落とすなどのカスタマイズを加えながら、自分好みのスタイルでカーライフを楽しむ20代の「こはだ」オーナーさんだ。

  • (写真提供:ご本人さま)

「クルマ好きになったキッカケは、僕がまだ小さい頃に、117クーペやゴルフに乗って『男は黙ってナルディとBBS』と語っていた、ファッショナブルな祖父の影響が強いと思います。そして僕自身も、ファッションや家具はこだわりを持ってセレクトするタイプだったので、自然と所有するクルマも実用性はもちろん、外見も重視していました。免許を取得した学生時代、最初に買ったのは、小さめのオープンカーに乗ってみたいと思い、ロードスター(NCEC)を購入しました。外見も好みでしたし、趣味要素の強いロードスターは乗るなら今しかないという気持ちもありましたね」

学生時代はカー用品店でアルバイトをしながら、ロードスターでドライブやカスタマイズなど、クルマ遊びを楽しんでいた「こはだ」さん。今から3年前に就職が決まると、新たに通勤用のクルマを増車することにしたそうだ。そこで、最初は燃費の良い軽自動車かコンパクトカーを探したが、いまいちピンとくるクルマが見付けられず方向性を変更することに。

  • (写真提供:ご本人さま)

「よくよく考えると、趣味の音楽で大量の楽器を運搬することがあり、荷物が積めて長距離を走っても疲れないという実用性と、外見も好みなクルマがあれば良いなと思い直したんです。ただ、実用的な条件にマッチする中でも除外したのがミニバンと本格的なSUVでした。家のクルマがコンパクトカーだったので、ミニバンの広さが逆に落ちつかなかったのと、SUVは一度両親に付き合って試乗した際、目線の高さとハンドリングの感覚が自分の好みではなったからですね。となると、選択肢としてはツーリングワゴン系やトヨタのプロボックス、ちょっと古いけれどクラウンエステートあたりかなと。そんな中で、たまたまこの真っ赤なボディのアウトバックを見つけ一目惚れしました。売りに出していたディーラーも近いし、保証も付いていたこと、そして走行距離がまだ8万km程度で、状態も良かったので購入を決めました」

「こはだ」さんが購入したのは2008年式のスバルレガシィアウトバック(BP9)。2.5リッターで4WDのAT車で、一目惚れしたこの赤いボディは、アーバンセレクションという特別仕様車の中でも100台限定の専用カラーなのだ。

「実際に乗ってみると、水平対向エンジンの恩恵からか振動が少なくて、雪道や高速道路での直進性も高かったです。それに外見もピラードハードトップですっきりとしている上に積載スペースも大きく、想像以上に良いクルマだと感じましたね。多少の塗装剥がれや、ヘッドライトの黄ばみなど、補修が必要な部分もありましたが、むしろ僕としてはDIYの楽しみが増えたので良かったです」

ちなみに塗装が剥げていたのはリヤスポイラーで、その部分はDIYで塗り直したそうだ。また、黄ばみや曇りが目立っていたヘッドライトは紙ヤスリで磨いてからクリアスプレーを吹いて仕上げたのだという。

ちなみに、その際にヘッドライト磨きのお手軽キットを使わなかったのは、カー用品店でアルバイトしていた際、最初は綺麗になるけれどその輝きは3ヶ月くらいしか持たないと聞き、ウレタンクリアで塗装したそうだ。「仕上がりは遠目に見ればマシという感じのレベルですけどね(苦笑)」と謙遜するが、十分に綺麗な仕上がりであった。

また、補修以外にも、「こはだ」さんのこだわりやセンスが発揮されたカスタムが随所に散りばめられている。

「AMGやRSグレードなど、今風の高見えスポーティグレードをなんとなく意識してイジッっています。それとファッションもそうなんですが、ブランドが混在するのは好きではないので、基本STiで揃えようと思いました。そのため、グリルやマフラーはSTiのエンブレムが付いているものを中古で見つけて装着しました。それとフロントフェイス全体に対して、ヘッドライトが大きく見えるのが不自然に感じたので、顔に厚みを持たせるために汎用のリップスポイラーを付けてみました」

  • (写真提供:ご本人さま)

そんな中、カスタムしたものの、いまいち納得がいっていないのがホイールだったそうだ。

「買ったときはディーラーオプションの17インチ、STiのホイールを履いていたんですけど、ここだけはもっとスポーティに寄せたかったので、18インチのOZ Racingでインチアップしています。このホイールを選んだ理由はスポーティなデザインだったことと、スポーク間のクリアランスが密なので、小さなブレーキキャリパーがうまく隠れるかな? と思ったからでした。ただ、いまいちインチアップ効果が見えなくて…、19インチにしたい気持ちがありますね」

と、唸っていたが、実は取材後に19インチに交換したことが判明。すると氏の読み通り、スタイリングに精悍さが加わり迫力が増したそうだ。それが後日頂いたこの写真である。この絶妙なバランスによってSNSの反響も増え、「こはだ」さん的には大満足したそうだ。

そしてもうひとつ、彼のカスタムで欠かせないポイントは、冒頭でも触れたように車高を下げているところだろう。といのもアウトバックの純正は、オフロードの走破性を意識して車高が高い仕様となっている。ところが、上級のスポーティグレード仕様を目指す「こはだ」さんは車高を落とす独自路線へと向かった。

「アウトバックは、純正だと拳に親指を立てるくらいの地上高があって、乗り味も普通のレガシィよりもゆったりしているんです。ですが、今はテイン製の車高調整式サスペンションで車高を下げています。このクルマはオーバーフェンダーが付いていてワイドボディ設計なので、レガシィの標準車と同じところまで車高が下がっていると、カッコ良いかなと思いまして。それと、やっぱり運転中に目線が高いのは好きではなくて、ノーマルのままでも許容範囲ではあったんですけど、より快適に乗るにために車高を落とすのがベストと判断しました」

いっぽう内装は、ステアリングのセンター部分やシフトノブをSTiブランドで統一することで一体感を演出している。そして後日、なんと内装色をブラックから、ベージュのコンビカラーへと一新したとのことで、写真を送って下さった。

「アウトバックの車内って、ミニバンなどに乗り慣れている人からするとやっぱり狭いと思うんです。その中で居心地の良さを重視すると『明るい色の方がいいよな』と思ってはいたんです。そこで、DIY作業でですがレザーの張り替えと塗装で、ベージュ仕様にしてみました。実は内装のカラー変更はロードスターの時に、一度実践してノウハウがあったのでそんなに難しくなかったです。周りの人たちからは好評ですね!」

ホイールの19インチ化に内装全体のカラーチェンジと、「こはだ」さんのセンスが遺憾無く発揮されたアウトバックの進化からも、彼がどれだけこのクルマにハマっているかが良くわかってくる。

現在は通勤やオフの日含め、ロードスターとレガシィアウトバックを半々で乗っているのだという。というのも、アウトバックの燃費が夏に乗るとリッター8~9kmで、リッター12kmくらい走るロードスターとの燃費差が気になっているご様子。「通勤用なのにガソリン代高くね?(苦笑)」と、燃費の悪さだけは唯一このクルマの許し難い部分なのだとか。

とは言え、友人と出掛けるドライブや、趣味である音楽での楽器運搬など、アウトバックの活躍の場も多く、今や欠かせない愛車となっているのだ。

「今までもロードスターでクルマ遊びを満喫していたんですけど、例えば、クルマの中で友人4人と寝転がりながら初日の出を待つようなことは、ロードスターではできなかった楽しみ方ですからね。それに、これまで参加していたロードスター系のミーティング以外にも、スバル系のオーナーさんと繋がりができたり、STiのオフ会に顔を出してカスタムのインスピレーションを得ることができるといった点も、所有して良かった事のひとつですね。また、遊びに出掛ける時は“一眼レフで愛車を撮影する”ということも趣味なのですが、アウトバックのおかげで撮れ高にバリエーションが増えました! まだ乗り始めてから2年半、2万km少々ですが、他のクルマでは考えられないくらい凄く気に入っています。まずは車齢25年20万kmを目指して乗り続けたいと思います」

そう楽しそうに語ってくれた、「こはだ」さんの表情がとても印象的だった。

ちなみに、この撮影会にはロードスターミーティングで知り合ったという同年代のシビック&ロードスターのオーナーさんと一緒に参加して頂いた。

撮影前日はみんなで軽井沢に宿泊をして、長野の撮影会場まで連なって走って来たそうだ。そんなシチュエーションもとても楽しかったと笑顔を振りまく。氏は、クルマ好きな友人との交流にも明るく積極的なのである。

ご自身のこだわりが詰まったオリジナリティ溢れるカスタム、そしてDIYを楽しみ、年代を問わず、他のオーナーさんとの交流も楽しむなど、充実したカーライフまっしぐらの「こはだ」さん。きっとこれからもアウトバックの進化は止まらないし、交流の幅もさらに大きく広がっていく事であろう。

(文: 西本尚恵 / 撮影: 中村レオ)

※許可を得て取材を行っています
取材場所:南長野運動公園(長野オリンピックスタジアム)(長野県長野市篠ノ井東福寺320)

[GAZOO編集部]

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