世界を広げてくれたダイハツ コペンとの出会い「このクルマに乗るために免許を取得したんです」

  • GAZOO愛車取材会の会場である三角西港で取材したダイハツ コペンローブ(LA400型)

    ダイハツ コペンローブ(LA400型)



R32型スカイラインやR33型スカイラインGT-R、そしてアリストなど、数々の高性能車を乗り継いできた祖父や、ティアナ・オーテックに乗る叔父からの影響を受けて、自らもクルマに興味を持つようになったというオーナーの鳥氏さん。

そんな彼とコペンとの出会いは今から4年前、まだ運転免許を持っていなかった頃のことで、買い物のために立ち寄った熊本市内のショッピングモールでの出来事だったそうだ。

「たまたまダイハツの新車展示会が行なわれていて、そこで初めてコペンをじっくりと眺めました。軽自動車なのに2シーターで電動オープン(アクティブトップ)だなんて。ダイハツってファミリータイプだけじゃなく、こんなすごいクルマも作ってるんだ! と驚きましたね。もちろん初代モデルのコペンも何となくは知っていたけど、それまであまり存在を意識したことが無くて。現行型(LA400K型)のシャープなスタイルにすっかりハマってしまいました」

その後、コペンに乗りたいという一心から、自動車学校へ通い始めた鳥氏さん。同時にインターネットや雑誌などで物件探しも行い、2021年6月に免許を取得した僅か2ヵ月後というタイミングで、お眼鏡に敵ったブラックボディのコペン・ローブが納車された。

ちなみに近年における軽自動車のオープンスポーツタイプと言えば、ホンダS660も人気である。鳥氏さんも愛車候補のひとつとして検討した時期もあったそうだが、スタイル的な魅力に加え、高校生時代からの趣味であるサバイバルゲーム用のツールを積み込めるだけの広さを持ったトランクスペースが備えられていることが、最終的にコペンを選択した理由となったようだ。

「LA400型のコペンは、初代のイメージを取り入れた丸目ヘッドライトの『セロ』が良いという意見も多いようですが、僕は断然『ローブ』派です。強化パーツが追加されたGRスポーツもカッコイイですね。とは言いましたが、どれもがコペン仲間だから、それぞれに持ち味があって良いと思います」

鳥氏さんのコペンは、ビルシュタイン製ダンパーやシートヒーター付きレカロシート、MOMO製の革巻きステアリングなどを標準で備えたSグレードである。

納車からしばらくの間は洗車しているだけでも十分な満足感を味わっていたが、街角で同型のコペンを見かけたり、すれ違ったりする機会が増えるにつれて“自分流の個性を加えたい”という意欲が沸き始めたという。

そこでまず行なわれたのが、車体前後エンブレムの自家塗装。クルマのDIYカスタマイズは初めてだが、過去にサバゲーで使用するモデルガンを自分好みの色に塗り替えていた経験があったことから、作業面での苦労は特に無かったとか。

その後、熊本某所で定期的に行なわれている自動車愛好家たちが集うカーミーティング『おはようくまもと(通称:おはくま)』や、佐賀の『おはようありあけ(通称:おはあり)』にも出掛け、様々なモディファイ例を目にするようになると、カスタム熱はさらにヒートアップしていくことに。

フロント、サイドにはEUROU(ユーロー)製のエアロパーツを追加した他、GRコペン用純正リヤバンパーへの変更、4本出しテールエンドのマフラーなど、いつしかコペン乗り仲間の中でも一目置かれる存在に。中でも特に自慢のアイテムとなっているのが、限定カラー仕様のアルミホイールである。

「ウェッズ製『レオニスFY』の限定モデルです。ブロンズかゴールドのホイールに履き替えたいなと思っていたところ、訪れたタイヤショップに現品限りで展示されていたんです。そのキレイなブロンズクリアカラーにひと目惚れして即決しました。インチアップも考えたけど、現状のビルシュタインの特性が結構ハードな志向で、低扁平タイヤでこれ以上乗り心地を悪くするのもキツイから、サイズは純正と同じ16インチをキープしています」

「トランク上のウイングはネットオークションで買った中古品です。とりあえず仮押さえのつもりで1000円入札しておいたら誰も競合相手が現れず、落札しちゃいました。パーツ代よりも送料の方が高くついたくらいです」

その他、ヘッドライトの分解作業が伴うLEDリングの追加やインナー部分の塗装も“やってみればなんとかなるだろう”というポジティブ思考でチャレンジ。仕上がりは近くで見てもDIYとは思えないほどの出来栄え。それは鳥氏さんの技術的な素質やセンスに依るところもあるが、周りのクルマ仲間から得られる情報やアドバイスも役立っているという。

「このクルマを買って良かったと実感している点は、走りやスタイルだけでなく、いろんな方々との出会いの場を持つきっかけができたところです。正直、以前まではどちらかと言うとインドア派で、サバゲーに出掛ける時も友人にくっついて行く感じでしたが、コペンに乗り始めてからは一人でもあちこちに動きまわる機会が増えて、行動範囲が格段に広がりました。購入時には3万kmだったオドメーターは3年で6万6000kmと、年間1万km以上のペースで伸びています。ちなみに内外装の小物パーツや給油キャップのステッカーは、そうやって出かけるようになって福岡のオフ会で知り合ったワンポイントプラスさんにお世話になっています」

愛車広場の取材現場では、これまでもたびたび目にしてきた光景だが、心からお気に入りのクルマに乗っている方々の表情は本当に晴れやかだ。鳥氏さんもその例に漏れず、カメラマンからの指示を受けながら車両位置の微妙な調整を行なっている際も終始笑顔。

クルマ好きが高じて普段は熊本の自動車販売店にお勤めで、“給料の大半はコペンに費やしています”とこぼしながらも、フルノーマルの状態から徐々にオンリーワン仕様へと変化を遂げてきた愛車、コペンのことが愛おしくてたまらない様子だ。

「つい先日も、僕が所属している九州コペンクラブの仲間達が17台くらい集まって、通潤橋(熊本・上益城郡の観光名所。1854年に建設された約20mの高さから期間毎に農業用水が放水される石造の橋)から阿蘇界隈までショートツーリングに行ってきました。天気が良かったし、写真もたくさん撮ることができて楽しかったです! 今回のGAZOOさんの取材会の場所(三角西港)も、クルマの仕様変更をするたびに撮影に来ているんですよ」

「週末だけに限らず、仕事帰りにも夏冬を問わずルーフはオープンにすることが多いですね。特に冬場のオープンって、側から見たらヤセ我慢しているように思われがちですが、シートヒーターさえ点ければ露天風呂気分で超快適なんです(笑)。ほんと、オープンカーって最高ですよ!」

今後も各地で行なわれるオフ会やミーティング、イベントなどにも積極的に参加したいと語る鳥氏さん。どうやらオドメーターに刻まれる数字は、これまで以上のペースで伸び続けることになりそうだ。

(文: 高橋陽介 / 撮影: 平野 陽)

※許可を得て取材を行っています
取材場所:三角西港(浦島屋、旧三角簡易裁判所ほか)(熊本県宇城市三角町三角浦)

[GAZOO編集部]

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