平凡からの脱却。これからの人生を楽しむために選んだGRヤリス カッレ・ロバンペラ エディション
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トヨタ・GRヤリス RZ ハイパフォーマンス・カッレ ロバンペラエディション(GXPA16型)
「学校を卒業して会社に入り“社会人の一般的な日々”を送っていました。でも、そんな時に、もうちょっと真剣に人生について考えてみようと思ったんです。挑戦してみたいことや夢、これからどう生きていくかなど、僕なりに真剣に考えた結果が、このクルマのオーナーになることでした」
平凡な生活、そして自分を変えるために『まさや』さんは「手始めに、本当に乗りたかったクルマに乗り換えようと決めました。子供の頃から憧れていた、ステッカーやカラフルな色をしたレーサーレプリカっぽいクルマに乗ろう」と、行動を起こすことにしたのだ。
そんなまさやさんの愛車であるトヨタ・GRヤリス RZ “ハイパフォーマンス・カッレ ロバンペラ エディション”は、GRヤリス (GXPA16型)をベースに作り上げられた特別仕様車である。
このクルマを監修したのは、言わずもがな2022年に世界ラリー選手権(WRC)でシーズン6勝を挙げ、WRC史上最年少記録である22歳と1日でドライバーズチャンピオンを獲得するなど、輝かしい戦績を残した『カッレ・ロバンペラ』選手だ。
ひと際目を引くのはロバンペラ選手のアグレッシブな走りを彷彿とさせるホワイト、レッド、ブラックのボディカラー。デザインのベースはロバンペラ選手の友人であるデザイナーが考案したもので、このロバンペラエディションの専用色である。
また、フロントフェンダーにWRCチャンピオン獲得を記念した専用デカール、バックドアにはロバンペラエディションであることを示すロゴなども配しており、CFRP製リヤスポイラーやTOYOTA GAZOO Racingロゴ加飾が施されたBBS製18インチホイールも装着されている。
インテリアも、ロバンペラ選手の母国であるフィンランドを感じさせるブルー×グレーのステッチをシートやステアリング、シフトブーツ、パーキングブレーキカバーに採用。
また、等速リヤデファレンシャルを搭載し、4WDモードもロバンペラ選手が得意とする“ドーナツターン”を容易にする『DONUTモード』と、リニアな挙動特性を実現する『KALLEモード』を選択可能にするなど、走行性能に関しても特別仕様だ。
抽選による100台限定販売、しかも当然ながら標準車より高価という、手に入れるにはなかなかハードルの高いクルマだが、どうしてこの愛車を手に入れようと思ったのかをまさやさんに伺ってみると、そのキッカケは幼少期まで遡る。
なんでも、まさやさんのご両親はオートバイが好きで、幼少期にオートバイ屋さんに行くことが頻繁にあったのだという。その店舗にはレーサーレプリカが飾ってあり、他のオートバイとは一味違うキャラクターにときめいていたそうだ。
「それと、今でもモータースポーツはジャンルを問わずに大好きです。ハマり始めたのは小学校3年生の時で、単純にレース車両がカッコ良いというのが好きになった理由でした。当時はスーパーGTで脇阪寿一選手が運転する36号車『OPEN INTERFACE TOM'S SC430』の大ファンで、サーキットでも追っかけ回していましたね!」
地面すれすれまで低く構えたSC430のワイドボディや、大きなウイング。そしてド派手なカラーリングなどが、少年だったまさやさんの心を掴んで離さなかったという。
ところが、ある時ベース車両となっているSC430を街中で見かけた際に、サーキットで見るのとはまったく違う印象を受けたそうだ。
この体験から『サーキット仕様になると随分カッコよくなる』ということを知り、その一方でレース車両は雲の上の存在であり自分はこの先乗ることがないだろうと、子供ながらに何となく理解したのだと振り返ってくれた。
「だからこそ『GRヤリス カッレ・ロバンペラ エディション』の存在を知った時は、ものすごく嬉しかったんです。車両価格はとんでもなく高価でしたが、これが最後のチャンスになるかもしれないし、とにかく自分を変えたかったから一か八かで抽選に申し込みました」
子供の頃に憧れた“レースカーのようにカッコいいクルマ“が実際に購入できるということを知り、いてもたってもいられなかったというわけだ。
また、社会人になってしばらくしてから、ラリーに興味を持つようになったのも大きかったという。
地元の愛知県で開催されたラリージャパンを何気なく観戦しに行ってみると、クルマが吹っ飛んでしまうのではないかとハラハラするくらい全開で走っていくスペシャルステージの大迫力に驚愕!! その反面、普段自分たちが走っている街中を、法定速度内で走るリエゾン(移動区間)の、お行儀良い走りのギャップが凄かったそうだ。
そして何より、元々好きだったスーパーGTマシンよりも身近な存在に感じたことが大きかったという。
そんな思いも重なって、このクルマの発表と同時に、ディーラーでの抽選申し込みに行く原動力になったと話してくれた。
ちなみに『GRヤリス セバスチャン・オジエ エディション』も同時に販売されたが、ロバンペラ選手の大ファンであったまさやさんは、このモデル以外考えられなかったとニコニコしながら愛車を見つめた。
「WRCチャンピオンを2度も獲得しているという戦績も素晴らしいですが、僕が好きになったのは、ラリーだけには留まらず、サーキットレースやドリフト競技など、他のカテゴリーにも挑戦し続ける姿勢がすごいと思ったからです」
現状に満足せず、前人未到の領域に足を踏み入れ、やってみたいことに突き進む姿は眩しいほどにキラキラして見え、それこそが“今の自分に必要なもの”だと感じたそうだ。
とはいえ、正直なところ抽選には外れると予想していたと振り返る。
なぜかと言うと、風の噂で倍率はざっと7〜8倍という話が聞こえてきたからだ。やはり、特別なクルマには特別な人が選ばれるのだろうと、半ば諦めムードで申込書に名前を書いたという。ところがその数ヵ月後、まさやさんに当選のメールと電話が掛かってくるのである。
「どうせダメだと思っていたから驚いたのと、嬉しかったのと…。あとは、購入費用をどうしようということだけでした(笑)。電話がきたのが4月初旬で、ゴールデンウィークに入るまでには決めてほしいと言われたので、冷や汗をかきながらどうにか算段を立て、最終日に契約を申し込みました」
そうして迎え入れた納車当日のことを伺うと、意外にも『あまり覚えていない』という回答が返ってきた。
というのも、子供の頃から夢に見ていたレーサーレプリカが、自分のものなったということが信じられず、どこか夢の中にいるような感覚だったからだそうだ。
ディーラーから自分の家まで運転して帰ってきたそうだが、走行性能がどうこうよりも『ついにやったぞ!!』という気持ちで胸がいっぱいになって、笑いが止まらなかったとニコニコしながら話して下さった。
それと、当選したのは自分を変えたいという気持ちを“GRヤリスが汲んでくれたから”という気がして、ハンドルを握る力が強くなったのは記憶しているという。
「単純だと思われてしまうかもしれませんが、カッコ良いクルマに乗るんだからオーナーもカッコ良くしなくちゃと、毎日欠かさずランニングをして15kgくらい痩せたんです」
それを皮切りに、まさやさんの生活はどんどん変わっていったという。住んでいる環境や休日の過ごし方、そして交友関係等々。納車されてから1年も経っていないのに、多くのことが変化していったそうだ。
最も心に残っている出来事は? と伺うと、それは2024年に開催されたラリージャパンの前の週に起こった、奇跡の出会いだったという。
「クルマを綺麗にした状態でラリージャパンに行きたいと思って、夜遅くに近くの洗車場に行ったんです。貸切状態で愛車をゴシゴシやっていると、まったく同じクルマが洗車場に入ってきましてね。お互い『えええええっ!!』という驚きから入ってお話させて頂いていると、たまたま同い年で、競馬も好きで、家も近いことが分かって、今ではすごく仲良しです(笑)」
その後“今晩の奇跡の出会い”という名目で、記念に撮った写真をSNSにアップすると、偶然にもそれが開発者さんの目に留まり、声を掛けてもらったことがあると嬉しそうに教えてくれた。
そんな素敵な出会いの他にも、GRヤリスは様々な体験をさせてくれるのだと矢継ぎ早に説明してくれた。
例えば、購入にまつわる特典も手厚く、ラリージャパンに招待してもらったり、本物のラリーカーに購入者としての“名前”を掲示してもらえたり、ラリーカーで使われた部品にサインを書いてもらったり…と、それらについて嬉々として語るまさやさんを見ていると、冷や汗をかきながら資金を確保して、どうにか購入に漕ぎ着けた苦労も報われたに違いない。
こうして、GRヤリスのオーナーとなったまさやさんは、充実度の高いカーライフだけでなく、同時に私生活でも多くの楽しさや幸せを引き込んだ。
すべてにおいて、完全なるポジティブとなった今、これから先も更なるアクティブで愉快な人生を謳歌して頂きたい。
『カッレ・ロバンペラ エディション』と共に。
(文: 矢田部明子 / 撮影: 清水良太郎)
※許可を得て取材を行っています
取材場所:霞ヶ浦緑地公園(三重県四日市市羽津甲5169)
[GAZOO編集部]
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