ミニカーを見てスタイルに一目惚れしたプレリュードとの等身大カーライフ
-
ホンダ・プレリュードSi 4WS(BB7型)
ジャパンモビリティショー2023での発表を皮切りに、北米や欧州でも立て続けにお披露目され、俄然注目が集まっているホンダのプレリュード。
新型は次世代ハイブリッドシステム『Honda S+ Shift(ホンダ エスプラスシフト)』という最新技術を採用し、2025年に発売される予定であることが『東京オートサロン2025』で発表されている。
プレリュードは歴代モデルにおいても日本初の四輪ABS(4wA.L.B.)や、量産車で世界初の四輪操舵(4WS)といった新技術を積極的に採用してきたクルマ。日本における“スペシャルティカー”の代表的なモデルとしても知られ、中でもバブル経済の頃に発売された3代目は、いわゆる『デートカー』として人気を博したことでも有名だ。
そんなホンダの進取の気風を象徴するモデルでもあるプレリュード。発売予定の新型は別として、これまで5世代に渡って生産されてきた中での最終型となるプレリュードSi 4WS(BB7型)に乗っているのが『じた』さんだ。
じたさんは2002年生まれの23歳。5代目プレリュードの販売が終了したのが2001年であるため、自分が生まれるよりも前に生産されていたクルマに乗っていることになる。何ゆえ5代目プレリュードという古いクルマに惹かれたのかというと、そのキッカケとなったのがミニカーだったそうだ。
「免許を取るよりも前から、どんなクルマを買おうかとずっと考えていたんですよね。自分が好きになりそうなカタチのクルマがないかと、常にキョロキョロ気にしてばかりいました(笑)。実際には20歳で免許を取った後に、まずは生活のための移動手段が必要だったので軽自動車を購入したんですけど、それからも愛車探しは続けていたんです」
「そしてある時、玩具屋さんで何気なく『ホットウィール』のミニカーを見ていたんですけど、たまたま今乗っている型のプレリュードを見つけたんです。それまで見たことないようなペタッとしたスタイリングを見た瞬間に、カッコイイ! と一目惚れしてしまって。もうこれしかないと思って、すぐに中古車を探し始めたんです」
ご存知の方も多いと思うが“ホットウィール”とはアメリカの玩具メーカーであるマテル社が製造・販売しているミニカー。実在するクルマの再現度も高く、真横を向いた状態でパッケージングされているためシルエットもわかりやすい。それまでプレリュードの実車を見たことがなかったじたさんに、いかにもクーペらしいプレリュードのスタイリングが伝わりやすかったというのも頷ける。
「そして、走行距離が5万2000kmくらいの程度が良い中古車を見つけることができたので即買いしました! ただ、この2年で乗り過ぎてしまって、もう11万8000kmまで到達しています(笑)。僕のクルマはオプションの4WSが付いているので、小回りがめちゃくちゃ効くんですよ。ついつい出かけたくなるのは、本当に運転しやすいからっていうのもありますね。最近はできるだけ距離が伸びないよう、あまり乗り過ぎないように気をつけています」
ホットウィールをキッカケに好きになったクルマで出かけるのが毎日楽しく、ついつい距離が嵩んでしまったことを笑顔で話す、じたさん。
自分と同世代の人には珍しく、年配の人には懐かしいクルマに乗っていることが誇らしく、最近は『自分がプレリュードというクルマを守っていくんだ!』という自負のようなものも芽生えてきたらしい。
「たまにカッコ良いクルマですねと声をかけられたり、写真を撮られたりすることもあって、それが一番嬉しいですね。岡山県内の自分のまわりでは他に見かけることもほとんどないので、希少なクルマに乗っている優越感というのも正直あります」
「この間、広島にいる知り合いのプレリュード乗りと会うために出掛けたんですけど、待ち合わせ場所で待っていたら、たまたま3代目プレリュードに乗っている方がいらっしゃって、初対面なのにそのまま1時間以上話し込んじゃいました(笑)。知人も合流して、なんとなく3台でプチミーティングみたいな感じになりましたね」
じたさんの乗るプレリュードは15インチホイールが標準のSi 4WSというグレードだが、上級グレードである『SiR』の16インチに変更するなど、カスタマイズも楽しんでいる。オプションだった純正のサンルーフが付いているのもお気に入りのポイントだ。
高さのあるハイウイングタイプのトランクスポイラーは当時のディーラーオプション。『SiR Sスペック』や『タイプS』などに標準装備されたローウイングタイプのスポイラーよりも、リヤビューに迫力を出すことができる。
「ホットウィールはローウイングだったんですけど、自分の個性も出してみたくなってハイウイングをネットオークションで探しました。僕はプレリュードを斜め後ろから見た時のラインが一番好きなんですけど、ハイウイングがついてお尻の存在感が増したところも気に入っています。あと、リヤバンパーの真ん中にPRELUDEってロゴが入っているのも、あまり他のクルマにはない特徴だと思うので好きですね」
プレリュードを買ってからSNSも始め、写真撮影も日課になったと話す、じたさん。自分をキッカケに、ひとりでも多くプレリュード好きが増えてくれたらと願ってやまない。
「県内だと倉敷の美観地区が有名なので、人通りが少なくなる夜を待って撮影に行ったりもしました。あと、広島方面に何人か仲間がいるので、集まって写真を撮り合ったりしています。ただそれもクルマをちょっとお休みさせるのと同時に、最近は休眠状態なんですけど(笑)」
仲間との交流の場にもなっているSNSの投稿が滞っている理由は、プレリュードの走行距離が伸び過ぎないようしていることだけではないそうだ。実はさらなるアップデートを計画中なのだという。
「SiRルックもちょっと飽きてしまったので、また違ったイメージでカスタマイズしたいなって思っているんです。スポコン(※スポーツコンパクトの略で90年代にアメリカで流行したカスタマイズのジャンル)とか、なんとなくアメリカっぽいイメージのカスタマイズにチャレンジしてみたいんですよね。どんなパーツを使うかアイデアは固まってきているんですけど、いっそのことボディカラーも変えてしまおうかな? とか。それを今年からちょっとずつ進めていきたいなと考えています」
「あと、プレリュード乗りの方とひとりでも多く知り合うことができるよう、一度ちゃんとしたミーティングもやってみたいですね。新型の存在も気になると言えば気になるんですけど、僕は時代を感じさせてくれる自分のプレリュードが大好きだし、同じ想いを持ってもらえる人が増えてくれたらいいなと本当に思っています。そのためにも誰も見たことない、僕らしくてオリジナリティのあるプレリュードに進化させていきたいと思っています!」
令和の時代に新しいものより古いものに魅力を感じ、そこに自分の個性も発揮させようと意気込む23歳のじたさん。ぜひ、我が道を往くオンリーワンのプレリュードをクリエイトし、共に走る時間を謳歌していっていただきたい。
(文: 小林秀雄 / 撮影: 平野 陽)
※許可を得て取材を行っています
取材場所:倉敷スポーツ公園(岡山県倉敷市中庄3250-1)
[GAZOO編集部]
ホンダ プレリュードに関する愛車記事
-

-
23年連れ添う人生初の愛車が纏う、唯一無二の「質感」。1996年式ホンダ プレリュード Si VTEC スポーツステージ バージョンRII(BB4型)
2025.08.08 愛車広場
-

-
ミニカーを見てスタイルに一目惚れしたプレリュードとの等身大カーライフ
2025.04.16 愛車広場
-

-
「何とかなる」が私のモットー!プレリュードと過ごす幸せな時間
2024.09.05 愛車広場
-

-
今も昔も流麗なスタイルにゾッコン! 3代目プレリュードと過ごす第二の青春
2024.06.01 愛車広場
-

-
29歳のオーナーが受け継いだのは、父が引き取った“発注ミス車”の1990年式ホンダ プレリュード Si 4WS(BA5型)
2024.03.15 愛車広場
-

-
21年ぶりに初愛車と同じホンダ・プレリュードのオーナーに
2024.03.11 愛車広場
GAZOO愛車広場 出張取材会in岡山
-

-
スカイラインGT-R(BNR32型)を600ps仕様に仕上げたオーナーが、GRヤリスにハマった理由とは?
2025.04.18 愛車広場
-

-
子供の頃から憧れていたランエボを手に入れ、家族や仲間と共に愛でる
2025.04.17 愛車広場
-

-
ミニカーを見てスタイルに一目惚れしたプレリュードとの等身大カーライフ
2025.04.16 愛車広場
-

-
「僕がクルマ好きになった原点」小学5年生の時に出逢ったサバンナRX-7と歩んできた人生
2025.04.15 愛車広場
-

-
「大人数で快適に野球観戦に行きたい」本革キャプテンシートのアルファードが叶えてくれた理想の愛車ライフ
2025.04.14 愛車広場
-

-
快適に長距離移動しつつサウンドを愉しむことができる最適解マークXとの出会い
2025.04.13 愛車広場









