WRCに憧れて! サラリーマンが趣味で出来る最高のモータースポーツ「ジムカーナ」

グランツーリスモやWRCをキッカケに、クルマ好きになったという「多田さん」。学生時代に興味本位で参加したジムカーナ練習会で、走る楽しさに気付いたとのこと。
社会人になった今、幼い頃に夢見た「レースで走りたい」という思いが叶ったといいます。多田さんが、ジムカーナに参戦し続ける理由は?

今回は、多田さん×ランエボのお話をお届けします。

――なぜ、ジムカーナに参戦したいと思うようになったのですか?

中学生の頃にWRCをテレビで見て、世界中の道を走るラリーカーが物凄くかっこよくて。特にインプレッサとランサーに憧れていて、自分もラリーのために生まれてきた車に乗ってみたい!という思ったのがキッカケですね。

――じゃあ、その頃から特別なレッスンを受けていたんですか?

いやいや、僕が初めてジムカーナに参戦したのは高専生の頃です。あくまで、せっかく車があるんだから、思いっきり走ってみたいなぁという気持ちがあっただけというか。
そんなことを思いつつ過ごしていたら実家からわりと近い所にある「美祢サーキット」という場所で、ジムカーナ練習会が3000円くらいで参加できるということを小耳に挟んだんです。

そのくらいの金額なら行ってみようかな~と軽い気持ちで参加したら、すっごく楽しくて! 今まで出したことのないようなスピードで走ったり、パイロンを並べてクネクネ曲がったり、全てが初めての体験で本当に面白かったんです。
それから、その練習会に何度か参加していたんですけど、美祢サーキットが閉鎖されることになりまして……。学生でお金も無かったし、いつかまた走れればいいなと諦めました。

――なるほど……。でも、またこうしてジムカーナに参加しているということは、それから何があったんですか?

1度は諦めたんですけど、あのドキドキやワクワクが忘れられなくて……、もう1回走ってみようと決めたんです。
調べたら、隣の県にある「スポーツランドTAMADA」というサーキット場で、ジムカーナ初心者にオススメな「ジムカーナチャレンジカップ」というのがあることを知りました。公認競技会ではなくて、ジムカーナってどんな感じで競うのか知りたいという僕にとってはピッタリだなと思ったんです。

で、参加してみたらやっぱり楽しくて。これはもうやるしかない!と、深夜コンビニでバイトをして、高速代とサーキットで走行するときにかかるお金を貯めました。
でも、ぜんぜん辛くなかったんですよ。むしろ、子供の頃にやってみたかったラリーっぽいことに自分が近づいていっているなと嬉しかったです。

――その時に諦めなかったから、今があるんですね。

そうですね。それから社会人になって、本格的にジムカーナに参戦するようになるんですけど、もっと勝ちたい、上手くなりたいと思うようになったんです。それまではインプレッサに乗っていたんですが、ランエボのジムカーナ競技車両を中古で購入し乗り換えました。

パイロンの周りを走ったりするジムカーナは、低回転のトルクが大事になってくるんです。どちらかというと、インプレッサは高回転が得意なので、ランエボの方が適していると思って乗り換えました。
ランエボに乗るようになって勝てるようにはなったんですけど、競技車両なので内装はないし、エアコンは無いしで、真夏の車移動は違うところで負けそうです(笑)。

――それは辛いですね(笑)。あと、そこまで本格的にジムカーナに参加するとなると、車両メンテナンスなど大変なのでは?

そうですね。僕は、サラリーマンで家庭もあるので結構大変です。メンテナンス出来るところは自分でやったり、ある程度成績が出るようになってからはスポンサーが付いて大分楽になりました。スカウトとかそういうのではなく、自分で企画書を書いて、営業をしたという感じです。

――企画書ですか!?

はい。自己紹介や参戦計画、スポンサーをして下さったらこんなメリットがありますよという内容ですね。スポンサーがついて良かったなと思うのは、自分が広告媒体となるので、成績や普段の立ち振る舞い、商品の良さなど色々なことを意識するようになったことですね。取り組む姿勢が、少し変わったというか。

――会社員でありながら、ここまでジムカーナに打ち込む理由はなんですか?

とにかく大好きだからですね。ジムカーナって毎回コースが変わるから、コースに慣れるというよりは試合当日初めて知るコースにどうやって運転するか対応しなければいけないんです。どちらかというと、知識と経験がものを言うというか。スキルや身体的能力だけでは勝てないからこそ、幅広い年齢層が楽しめる。

市販車でも充分参戦できるから、僕みたいなサラリーマンでも趣味の範囲で参加できるモータースポーツなんです。だから、ジムカーナって意外に敷居の高いモータースポーツじゃないんだよっていうことを知って欲しいというのもあります。

僕が学生時代にランサーやインプレッサに憧れてクルマに乗るきっかけになったように、今はヤリスや86みたいに走ることが楽しく、カッコいい車が増えています。ジムカーナに参加することで、そういうことも伝えていけたらなと思います。

戦績は、2016~2020年JAF中国ジムカーナ選手権SA4クラス(四輪駆動改造車クラス)シリーズチャンピオン。今年は浮き沈み激しく、チャンピオン争い中とのこと。次は11月末、中国地区選手権最終戦だ。頑張れ!多田さん!

【YouTube】
atstd0920さん

(文:矢田部明子)

[ガズー編集部]

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