人生のターニングポイントに不思議とスターレットが現れる。それがこのクルマを手放さない理由
お父様の影響で、クルマが大好きだったという「山田さん」。その中でも心惹かれたのは、AE86スプリンタートレノやMR2 AW11などのスポーツ志向の強いクルマだったのだとか。
そんな山田さんが愛車として選んだのはスターレットで、生涯乗り続けたいと話してくれました。ここまでスターレットにこだわる理由は、一体何なのでしょうか?
今回は、山田さん×スターレットのお話をお届けします。
――大学生の頃からスターレットに乗っているんですね。
そうなんです。中古で買おうと思って探していたら、同級生の友達がKP61のスターレットを手放すということで、格安で譲ってもらったのが乗り続けるキッカケとなりました。あっ!でも、決して妥協してスターレットにした訳じゃなくて、もともと乗りたかったんですよ。
――なぜスターレットがよかったのですか?
愛車選びの基準として、AE86のような“走りを楽しめるクルマにしたい”というのが念頭にあったんです。そして、スターレットはそれを叶えられるクルマだと思っていて。
決して速くはないんですけど、コンパクトで乗りやすいのに、ステアリングを切れば思い通りに走ってくれるから、運転がとても楽しいんですよ。
――それでずっとスターレットに乗り続けているんですね。
そうですね。でも、今乗っているスターレットは、大学生の頃に購入したKP61のスターレットではないんです。あのスターレットは、事故を起こして廃車にしてしまって……。
その後に、社会人になって新車で購入したEP71のスターレットに乗り続けているという感じです。
――スターレットからスターレットに乗り替えたというわけですね。
はい。次は何のクルマに乗ろう?と考えたときに、何個か候補はあったんですけど、やっぱりスターレットにしようとなったんです。
大学生の頃に営業の仕事がしたいと思っていて、その時にKP61乗っていたから新車の営業がしたいなと思うようになったんです。それで、自動車ディーラーに就職して、そこでEP71を購入しました。
ちなみに、今もなんとか雇ってもらってますよ(笑)。
――なんとか……?いや、やめよう。詳しく聞くのは……。
変に気を使わないで聞いてよ! なんか変な感じになっちゃう(笑)! 今も普通に働いてますから(笑)!
まぁそれは置いといて、スターレットに関してある程度の知識はあったから、前から乗ってみたかったグレードを選びました。
――どんなグレードだったんですか?
Riというグレードです。パワーウインドウのような快適装備は一切付いていなくて、走りに必要なものだけを詰め込んだって感じのグレードなんです。ジムカーナなどの、モータースポーツをする人が競技車両として購入していましたね。
例えば、Riの上のSiというグレードだとパワステを選べたりするんですけど、Riはオプションに設定すらないんです。その潔さにもグッときたんですよね。
――山田さんも競技車両として購入したのですか?
いえ、ラリーやジムカーナに参加したことは1回もないです。というか、参加したいと思ったこともないです。
――ん?
そうなりますよね(笑)。でも、普段使いでそういうクルマに乗ってみたかったというのがあったんですよ。
というのも、現実的に考えたときに、仕事が忙しくてレースに参加する暇がなかったんですよ。でも、利便性を度外視した、走りだけを追求したクルマに乗ってみたい→じゃあ、スーパーに買い物に行ったり、高速道路でちょっとでも体感してやろう!と、こういうわけです。
――なるほど。実際に運転してみてどうでしたか?
いやぁ~! すっごく面白かったです。重いステアリングを回しながらクルマを動かしていると、クルマを操っている感があって。よく、“ど変態”なんて言われるんですけど、僕にとっては褒め言葉ですね。
あぁ~、運転が本当に好きなのと、クルマを愛しすぎてるのが周りの人にも伝わっているのか~みたいな(笑)。
ショックアブソーバーはカヤバのSRスペシャルに変えていたから乗り心地も悪くないので、家族を乗せてよく旅行にも行ったなぁ。何時間運転しても飽きないから走りに走って、走行距離は454,000km超になってしましました。
当時、妻もEP82のスターレットに乗っていて、運転させてと言われてもハンドルは死守しました(笑)。
――えっ!?奥様も乗ってらっしゃったのですね!
そうなんです。なんか恥ずかしい話なんですけど……、奥さんは僕の勤め先の元社員で、「君もスターレットに乗っているのかい?」「はい。そうです」みたいな感じで話す機会が増えて結婚したんです。
僕がスターレットを手離したくない理由の1つに、不思議と人生の転機にスターレットがいて、スターレットで大切な人と繋がっていくからなんです。だから、これからもそうなんじゃないかなって。なんとなくね。
新車で購入して33年5ヶ月が経ったと話してくれた山田さん。25歳のときに愛車として迎え入れて、現在58歳になったとのこと。
洗車もこまめにして大事にしてきたスターレットは、ペットのような存在で可愛くて可愛くてたまらないそうです。スターレットとの次のターニングポイントが訪れる日が来るのが楽しみですね。
(文:矢田部明子)
[GAZOO編集部]
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