スターレットはこれで5台目!クルマのプロが13年・16万キロをともにする1998年式 トヨタ スターレット グランツァS
1980年代。「ホットハッチ」や「ボーイズレーサー」と呼ばれたカテゴリーに属するクルマが、さまざまな自動車メーカーから発売されていました。若者にも手が届きやすい価格帯でありながら走りを楽しむことができるだけでなく、デートやドライブの足としても大活躍してくれるなど、魅力あふれるクルマばかり。
そんな「ホットハッチ」や「ボーイズレーサー」の一躍を担ったモデルといえば、トヨタ スターレット。現在の愛車を含めて、これまで5台のスターレットを乗り継いできたというM.Nakamuraさん(50代)。タイヤショップを経営するクルマのプロフェッショナルであるM.Nakamuraさんが、スターレットに惚れ込む理由とは?
―― まずは、M.Nakamuraさんの愛車について教えてください
愛車は「1998年式 トヨタ スターレット グランツァS」です。手に入れてから13年、現在の走行距離は約26万km、私が手に入れてからは16万km走りました。
―― 16万kmということは歴代オーナーさんのなかで最長ですよね。M.Nakamuraさんがクルマが好きになったのは何歳頃でしたか?
11歳の頃でした。私はスーパーカー世代なんですね。小さい頃はフェラーリ365GT4/BBや512BBに憧れました。いまは嗜好が変わってディーノに魅力を感じます。
当時、スーパーカーショーにも行きましたよ。街中でスーパーカーを見掛けることはなかったけど、売っているお店が地元にあって、ショールームの前にかじりついて見てましたね(笑)。学校に行っていても、休み時間になると、BOXYのボールペンでスーパーカー消しゴムを飛ばして遊んだり。
―― この時代の子どもたちにとって王道の遊び方ですよね。当時、貴重な体験をされたとか
スーパーカーを売っているお店で高橋国光選手のトークショーがあると聞き、行ってみたんです。抽選会で著書が当たってサインしてもらいました。いまでも持っていますよ!
―― これがきっかけでクルマの世界にどっぷりと・・・(笑)
いやいや(笑)。高校生になった頃にバイクにハマりまして。ただ、通っていた高校はバイクの免許を取らせてもらえなくて。そこで、友人とバイク屋さんに行っていました。
当時のバイク屋さんって売り物のバイクにまたがらせてくれたんです。ホンダのMVX250Fとか、ヤマハのRZ250Rがデビューした頃だから1983年あたりです。スズキのRG250ガンマに憧れましたね。運転免許を取得したのは19歳だったので、周りより少し遅かったかもしれません。
―― お父さん世代には懐かしいバイクの名前が次々と(笑)。そんなM.Nakamuraさんの愛車遍歴を教えてください
最初のクルマは「親にコレにしなさい」といわれて手に入れたダイハツ ミラ。その次がダートラ仕様のスプリンター トレノ(TE40系)を譲ってもらい、峠道を走っていましたね。その後、スカイラインジャパンに乗り替えましたが、峠道での気持ちいい走りを求めてスプリンター トレノGTV 3ドア(AE86)に乗り替えたんです。
それから、スズキ セルボを経て、トヨタ スターレット(KP61)に乗り替えた頃からジムカーナをはじめ、またもやスターレット(EP71)に。
その後バイクの中型免許を取得したことをきっかけに日産キャラバンに乗り替えたり、スターレットもEP82型に乗り替えてけっこういじってましたね。
―― ということは現在のスターレットで…?
5台目です。絶対的な速さよりも、軽量かつコンパクト。そしてスタイリッシュな3ドアハッチバックのクルマが好きなんです。
―― ホットハッチやボーイズレーサーなんていわれたクルマがたくさんありましたよね。それなら現行モデルのGRヤリスもお好きですか?
そうですね。高価なクルマですが、気になります。個人的には競技用モデルの「RC」に惹かれますね。いじり甲斐がありそうですし。仕事で運転する機会がありましたが、やはりいいクルマですね。
―― 現在の愛車が納車された日のことを覚えていますか?そのときのことを聞かせてください
本当は「グランツァV」を探していたんですが、予算の関係などもあって現在の愛車を選びました。このクルマを探していたのが東日本大震災の直後で、マニュアル車の需要が増えていた時期だったんです。手に入れるのにとても苦労したことを覚えています。
―― そんな5台目のスターレット、記念すべき初ドライブはどこに行きましたか?
実は通勤なんです(笑)。いまでもそうですが、スターレットに乗る時間の大半が通勤ですね。自宅から職場まで片道17〜18kmくらい。時間にすると25分くらいですが、その時間は何より楽しいですね。
―― クルマにとっても良さそうですよね。毎日の通勤時に心掛けていることはありますか?
暖気運転です。時間に余裕があるときはできるだけ行うようにしています。急いでいるときは、各部が暖まるまでゆっくり走らせるようにしています。
―― 現在の愛車を手に入れてから、ご自身でモディファイされた箇所を教えてください
タイヤ&ホイール(ADVAN)、車高調(CUSCO)、シート(RECARO)、ステアリング(MOMO)、シフトノブ(TRD)、マフラー(APEXi)、オーディオ(三菱ダイヤトーン)、タワーバー、セキュリティ、灯火類、リップスポイラー…などなどです。さりげないドレスアップを心掛けています。
―― ちなみに、もっともこだわっているポイントはどこですか?
車高と17インチホイールです。これはADVAN RacingのRSというモデルなんですが。大きく見えて実は17インチなんですよ。
―― さすがプロの目利きでとても自然な仕上がりです!今後、愛車に対して手を加えてあげたいポイントを教えてください
長く乗るためのメンテナンスを常に心掛けています。特に重視しているのがエンジンオイルです。NUTEC製の10W50を愛用しています。
―― 最後に、愛車に伝えたいメッセージをぜひ聞かせてください
スターレットとの付き合いもこれで5台目だけど、これからもずっとよろしく!!
あくまでもさりげなく、そして、油脂類の交換時期などの重要なところはしっかり押さえる。クルマのプロフェッショナルならではポイントを押さえた愛車ライフに、共感できる点がいくつもありました。
あれほど街中で見掛けたスターレットも、いまや現存する個体数が激減しています。M.Nakamuraさんのようなクルマのコンディションをきちんと把握し、維持に努める方に愛でられて、1台でも多く後世に受け継がれていってほしいものです。
<取材・編集 株式会社キズナノート>
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